『鬼滅の刃』最終巻と同時発売されたとんでもないコミック1巻!『怪獣8号』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│『少年ジャンプ+』で史上最速で3,000万閲覧を突破!これが『怪獣8号』だ!!!!

2020年12月4日。この日、過去最高売り上げを記録した書店は全国に数多くあっただろう。

『鬼滅の刃』最終巻発売。

OPENからレジには長蛇の列で、手にはみな『鬼滅の刃』を持って並んでいた。
メディアでもひっきりなしに社会現象ともいうべきこの状況を取り扱っていた。

しかしその裏で多くの漫画読みや業界人が『鬼滅の刃』の次世代を代表する作品になるかも…と感想を寄せている作品の1巻目が同日に発売されていたのをご存じだろうか?

『怪獣8号』

人気漫画が多数連載されている『少年ジャンプ+』で史上最速で3,000万閲覧を突破した、32歳の夢をあきらめかけたおっさんが主役の怪獣バトル漫画がそれだ。
この内容を聞いて、今までの世に出た作品から想像できるストーリーが漫画や映像作品好きならいくつかあるだろう。

はっきりと言おう。大体それであっている。

最初こそ怪獣の遺体処理というフィクションの中での「リアルなお仕事漫画?」というスタートで少し奇をてらったところはあったと思う。しかし、この漫画は基本的にはストレートど真ん中だ。
その上で、この漫画『怪獣8号』の面白さはめちゃくちゃ秀でている。
もちろん、王道ゆえの面白さは第一にある。
正直めちゃくちゃ面白い。大ゴマの使い方など演出が上手く感情移入しやすいし、セリフ回しや場面の切り替えが気持ちのいいリズムを生み出しテンポよく作品を読ませてくれるし、登場人物もカッコ悪くてめちゃくちゃカッコイイタイプですげー好きになるキャラが多い。

しかしそんな作品は意外に多く存在しているとも一方で思う。
そう、この作品の一番の凄さはそこではないと私は思っているのだ。
この作品の一番の凄さは、『怪獣8号』を読んだ人ならわかると思うのだが、この作品、読んだ後の物語の記憶の鮮明さが異常である事。
とにかく作品について一度読んだだけでめちゃくちゃ記憶が鮮明に残る。
覚えている部分が多いから読者同士で語れるし、SNSなどにも感想を書きやすいのだ。

これ、実は漫画の未来を考える上でとても大切な要素だと私は思う。
子供のころ『週刊少年ジャンプ』を発売日に読んで、翌日にクラスで話すことは作品を読んでいる瞬間と同じくらい楽しい時間だった。
『鬼滅の刃』で家族や友達との会話が盛り上がるようになったという話をよく耳にする。

きっと漫画には「読んでいる時の楽しさ」と「感想を言い合い会話を楽しむ」2つの価値があるのだと思う。その2つ目の価値がこの『怪獣8号』は突出しているように思うのだ。

1巻がまだ発売されたばかりの『怪獣8号』、ぜひこのタイミングからこの期待の作品を楽しんでいただけたらと思う。

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

 

怪獣8号

1巻発売中

著者:松本直也
出版社:集英社

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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