歪んだ恋心×タイムリープ。タイトルからは考えられない感動!!『死ぬほど君の処女が欲しい』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│タイトルからは考えられない感動!! 恋心の成長とタイムリープが織りなす不思議で歪な恋物語

こんなタイトルの作品に感動するなんて本気で思っていなかった。

『死ぬほど君の処女が欲しい』

元々はTwitter投稿の作品である本作は、その内容からコミックス発売前から多くのファンを獲得していた。
ある程度のマンガ好きなら耳にしたことがあるであろう2020年の話題作のひとつだ。

主人公はおっさん。タイムスリップものであり高校2年生の頃に戻るのだが、それでも見た目はほとんど変わらずという主人公っぽくなさ漫画界1位を争えるほどの容姿なのだ。

この物語は、会社のマドンナ的存在の彼女を射止め、『美女と野獣』のような幸せな結婚を迎えた今まで全くモテなかった主人公が、彼女の自分以前の彼女の過去の男たちに嫉妬の気持ちを持ちながら、過去に戻ってもう一度彼女との出会いを迎える歪なラブストーリー。

彼は恋愛経験が少なく、それゆえに彼女への想いはとにかく重く、まっすぐだ。
そんな彼の行動は全て自分の幸せな未来に向けたものだった。
彼女の過去の男への嫉妬心から始まり、押し付けの想いで行動する彼に最初はイライラしてしまうかもしれない。
しかし、とあるきっかけで彼は彼女が初めての相手に自分を選ぶくらいいい漢になる事を決意する。

そこから本当のラブストーリーが始まっていく。
ここからの彼のがむしゃらで真剣な行動に、自然と目頭が熱くなり自然と涙を流してしまったりする。
こんな真剣な恋がしたい…。この作品を読んでいるとそんな風に思わされてしまう。

そしてこの作品には主人公とヒロインの「恋愛」以外にも読みどころが存在する。
この作品はタイムリープもの。1巻の中でも何度か主人公は現代に戻るのだが、そこでは自分の結婚相手が変わっていたり、ヒロインの性格が大きく変わってしまっていたり…。
自分の行動ひとつで周りの人も含めその人生が大きく変化してしまうのだ。
そのたびに自分の行動を見直し、ヒロインにとって最良でありその恋の相手が自分だけであるという望む未来に向かって主人公は進んでいく。

タイムリープ×恋愛ものに歪な想いをもつ主人公。
この一筋縄ではいかない恋物語。ぜひ一度読んでいただければと思う。

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

 

死ぬほど君の処女が欲しい

1巻発売中

著者:てぃーろんたろん
出版社:講談社

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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