4月よりアニメ開始! 劇場版も決定している熱い女子サッカー漫画!『さよなら私のクラマー』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│世界一となった女子サッカーの置かれている状況を描きつつ、そこに新しい可能性を示す手に汗握る感動の女子サッカー漫画!!

2011年7月、FIFA女子ワールドカップ決勝。日本VSアメリカ合衆国。
日本中が女子サッカーに白熱し、誰もが夢中になり応援したその試合で日本は大会初優勝。世界ランク1位のアメリカに対してなでしこジャパンは勝利し、世界一の女子サッカーチームとなった。

『さよなら私のクラマー』はそんな女子サッカーを描くスポーツ漫画だ。

読む前に読者がイメージするであろう女子サッカー漫画のイメージ。
しかしその予想は大きく外れる。このマンガに何度も描かれるメッセージは、そんな2011年の熱狂とは真逆の「女子サッカーに未来はあるのか?」だ。

本作は意外なシーンから幕を開ける。
女子サッカー日本代表としてテレビに映るひとりの女性。勝利インタビューのようだがそこに映る顔は笑顔ではない。
彼女の言葉は喜びではなく、負けてしまったら日本の女子サッカーは終わってしまうから勝ててよかった、そんな安堵の言葉だった。

世界の王者となった日本の女子サッカー。そのプレイ環境は今決していいものではない。日本の女子サッカートップリーグその選手の多くは今もアマチュアである。

この作品の舞台は蕨青南高校。
弱小女子サッカーチームに個性豊かな一年生達が入学するところからこの物語は始まる。

女子サッカーの過酷な環境をテーマに置きつつ、等身大の何かに悩みながらもまっすぐにサッカーに取り組む彼女たちを見ていると、まるで自分もチームの一員、同じプレイヤーの一人になったかのように錯覚しこぶしを握りしめながら作品に没入してしまう。
ゴールが決まった瞬間には熱い感動の涙が込み上げてくるし、試合に負けたチームを思い逆に悔しさの涙が込み上げてきたりする。

さよなら『私のクラマー』は4月からアニメがスタート、また劇場版の公開も決定している。

人気スポーツ漫画はいつの時代もそのスポーツの競技人口を変えてきた。
『キャプテン翼』を読んでサッカーを始めた人気選手は世界中にいる。『スラムダンク』を読んでバスケを始める人は、作品が完結してもう何年も経つのに後をたたない。
きっとさよなら私のクラマーもそんな漫画のひとつになるそう私は思っている。
連載は終了し次巻最終巻となるであろう14巻の発売を待つばかりだ。
しかし、完結してからでもスポーツの魅力を作品が伝え競技を盛り上げることが多くあることは過去のスポーツ漫画が証明している。

『さよなら私のクラマー』は今年21年4月からアニメがスタート、また劇場版の公開も決定している。

女子サッカーに未来はある。
そんなこの作品を読んで私は強くそう思う。

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

 

さよなら私のクラマー

13巻まで発売中

著者:新川直司
出版社:講談社

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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