普通の男子と男装女子の恋!?『合コンに行ったら女がいなかった話』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│結論から言えば合コンに女はいた。でもイケメンだった!?
こんな出会いあり?? それでも間違いなくこれは恋の話だ

最近コスプレがとても身近になってきたと思う。
少し前はコミック雑誌の表紙と言えばグラビアアイドルだったが、最近はコスプレイヤーばかり。街を歩いていてもコスプレ姿の人とすれ違うことも多くなった。
そんな中でもふと目が行ってしまうのは、キャラクターの再現性が凄いコスプレだろう。

最近で言えば呪術廻戦の五条悟や東京リベンジャーズのマイキーなどを、まるで作品から飛び出してきてしまったかのような再現度でコスプレしていたレイヤーさんから思わず目が離せなくなった。
そんな現実離れしたイケメンを再現していたのは女性のレイヤーさんだった。

この作品『合コンに行ったら女がいなかった話』はそんなイケメン男装女子×大学生男子3組のそれぞれのなんだかちょっとだけ特別な恋の話を“笑い70%、ドキドキ30%”で描いた新感覚ラブコメなのだ。

│逆にめちゃくちゃキュンキュンする!? 普通の男子×男装BARで働く女子のラブコメ!

初めての合コンにウキウキする大学生3人。
後ろに花が舞ってしまうほどの期待感で待ち合わせ場所に着いた3人がそこで見た物は、自分たちの到着を待つ3人のイケメンだった。
焦る3人は待ち合わせの約束をしていた女子に電話をかけてみる。すると電話に出たのは目の前のイケメンだった。実は3人のイケメンは男装BARで働く3人の女の子だったのだ。バイトの服装のまま来てしまったという彼女たち。

そのまま突入する合コンはもはやカオスだった。
1次会、2次会とそのカオス合コンで完全にネタモノギャグマンガなのかこれは!? とこの連載初期の段階では読者はみなそう思ったと思う。

しかしこの作品は3話から見せる登場人物たちの個性と見え隠れするそれぞれの恋心から“ラブコメ”としての要素が強くなりストーリー性が見え始める。
特に男装女子の中でもプリンスとまで呼ばれている蘇芳さんのヤキモチ焼きっぽい行動や、俺様男子!? を目指す琥珀の細やかな気遣いに気が付く&惚れっぽい所など、男装イケメン姿なのに本心は可愛い女子が見え隠れするところは見ていてホッコリする。さらに、普通のラブコメよりもちょっとした仕草でキュンとさせてくる威力は増大されて伝わってくる。
また大学生男子3人がそんな男装姿の可愛さに気づいて戸惑うところもこの作品の魅力のひとつだろう。

│それぞれの3カップルがこれからどうなっていくのか目が離せない!!
むしろ上手くいく未来しか見えないけど、どんなカップルになるかは想像できない!!

この作品の気になるポイントは「恋が成就するか」とか「誰と誰がくっつくか?」とか、そんなことではなく3つの「普通の大学生男子と男装女子のカップルがこの後どんな付き合いをしていくの!?」なのだと思う。
恋が叶った後の話が最近の恋愛漫画の主流になっているのは感じている読者も多いだろう。
まさにその日常系的な安心感の中でのドキドキを新しい形で表現したのがこの作品『合コンに行ったら女がいなかった話』なのだ。

そんなワクワクを感じながらぜひこの作品、気になった方は一度手に取ってもらえたらと思う。

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

 

合コンに行ったら女がいなかった話

2巻まで発売中

著者:蒼川なな
出版社:スクウェア・エニックス

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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