ウザカワ系ラブコメの皮を被った心に響く純愛作品だこれは!『クソザコちょろイン西賀蜂』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│この作品は素直で真っ直ぐ一途なちょろいんと気持ちを隠し素直になれない一途なちょろいん、同じ人を好きになってしまった2人の恋を描いた物語なのだ

大半のラブコメ好き読者は「クソザコちょろいん」というワードの攻撃力には太刀打ちできない。ヒロインとしての防御力の低さがたまらないちょろいん。しかもクソザコ。
その恋愛耐性の防御力の低さと反比例するかのように、このタイプのヒロインはラブコメ好き読者への攻撃力が高いのだ。

そんな想像をタイトルから巡らし本作を読み始めると、案の定最高にウザ可愛いヒロイン西賀蜂の魅力が大爆発している。主人公のちょっとした仕草や発言に顔をすぐに赤らめ、思わず可愛いと口から洩れてしまうような行動をとる彼女は本当にたまらない。

そんな2人の日常がそのまま描かれていくのかと思っていたのだが、この作品はそんな読者の想像を超え読む者の心にずきゅんと大きな砲弾を打ってくる。

結論を言おう。
この作品は素直で真っ直ぐ一途なちょろいんと気持ちを隠し素直になれない一途なちょろいん、同じ人を好きになってしまった2人の恋を描いた物語なのだ。

日常ものの「可愛い」と恋愛ものの「切ない」この2つの気持ちが両立する作品。
それがこの『クソザコちょろイン西賀蜂』なのだ。

│一途で素直な想いがこんなにも切ない物語を紡いでいくなんて……

西賀蜂ともう一人のヒロイン百石栞は、同じく気持ちをそのまま伝える事の出来ない女の子だ。西賀蜂は本人は隠しているつもりでも気持ちが駄々洩れで、誰が見ても主人公への気持ちが見て取れてしまう。主人公と一緒にいたい気持ちも我慢できずいつもなんだかんだちょっかいを出し近くにいる。
そんな西賀蜂と友達の百石栞は主人公と幼なじみの関係。
しかし気持ちを隠すのが上手く、我慢をしてしまう性格のためその想いはなかなか気づいてはもらえない。
二人とも同じくらい大好きなのに。
この二人の性格と行動が思いもよらない切ない恋愛ドラマを生んでいく……。

想像以上に可愛さを楽しめそして恋愛ドラマとしても非常に深く読める。
こんな作品にはなかなか出会えないと私は思う。
気になった方はぜひ一度読んでみて欲しい。
きっとあなたも満足感のある読書を楽しめると思うのだ。

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

 

クソザコちょろイン西賀蜂

2巻まで発売中

著者:kamatama
出版社:マッグガーデン

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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