行動一つひとつが未来の結果につながっていく大河コミック!『異剣戦記ヴェルンディオ』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│『Helck』の七尾ナナキ先生最新作、ついに1巻発売っ!!

七尾ナナキ先生の描く作品は、心の奥底へ響くほど訴えかけるメッセージ性の強さが魅力だ。

『Helck』ではギャグ漫画として始まったはず(少なくとも1話を読んだばかりの読者は10人が10人そう思っていたと思う)の作品が、いつの間にか毎話毎話涙を流さずにはいられないほどの感動を与える”ド濃厚人間ドラマ”となり、そして心の成長はその誰かをどれだけ優しくそして強くするかを教えてくれる、唯一無二のかけがえのない作品としてその地位を築いた。

そんな七尾ナナキ先生の新作である『異剣戦記ヴェルンディオ』の1巻目がついに発売された。
そう、新作はなんと戦記ものだというのだ。
正直タイトルを見た瞬間に身震いした。
「あの『Helck』の要素をもつ戦記もの? おいおい、どれだけ凄いことになるんだよそれ!」と期待に旨を膨らませ読みはじめると1話の前に何故か0話とナンバリングされたプロローグが収録されている。
傭兵として山賊頭領を倒しにいく青年の話しがギャグ要素強めで語られていく。リズムよく進むストーリーを気持ちよく読んでいく。青年となんだか裏がありそうな可愛い獣っ子との出会い? と旅。
予言めいた事とかあるなど惹かれるストーリーに面白いなーと読み進めていく。そして物語は進み山賊頭領との戦いへ。
この戦いの結末はこの話が0話でプロローグである事を微塵も感じさせない展開で、むしろ最終回を思わせるような結末だった。
しかし紛れもなくこれは1話に続くはじまりの物語である事は、第1話を読んで読者誰もが気がつく事になるのだ…。

七尾ナナキ先生の作品はどこが伏線となるのか、1巻なんて序盤ではわからないのは『Helck』でよくわかっている。
もしかするとこのレビュー程度の上部だけの紹介でも将来読みつづけている中で、重要なネタバレになってしまっているなんて事もあるんじゃないかとドキドキしているくらいに、まるでリアルタイムで進む現実のようにキャラクターの行動に意味があり、その一つひとつが未来の結果につながっていく。

七尾ナナキ先生の作品を1巻目からリアルタイムで読める事は本当に幸せで贅沢な事だと思う。ぜひこの作品が気になった方は一緒にそんな贅沢を味わって欲しい。

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

 

異剣戦記ヴェルンディオ

1巻発売中

著者:七尾ナナキ
出版社:小学館

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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