最強に一途なハーレムラブコメ?『疑似ハーレム』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│こんなに安心して見守ってられるハーレムラブコメは他には絶対ありえない!

世間では『進撃の巨人』の連載終了が大きな話題になっている。

もちろん私も『進撃の巨人』は大好きだ。
何度一巻から読み直したかわからないし、読み返すたびに「あれ?」と気がつく新しい伏線に、どんだけこの漫画凄いねん!と(もうこの言葉に驚きが感じられないくらい使い古された言葉を使うなら)まさに驚愕を受けまくった。

しかし、そんな『進撃の巨人』の連載終了の話題の横で、最終巻発売を迎えたある作品を今回は紹介したい。

その作品は『擬似ハーレム』。

中心となる登場人物はたった2人。
もはや一途すぎて、他のヒロインが出てくるとか他のイケメンが出てきてどーしようみたいな展開は一切ない。
お互いがお互いを意識している恋の一番楽しい時期も、付き合いだしてすぐのイチャイチャな時期も、2人の関係が当たり前になっていくのんびりした幸せな時間も、全てお互いがお互いを想い好きでいるという盤石の安心感を持つラブコメがこの『擬似ハーレム』なのだ。

では何が“擬似”ハーレムなのか?
なんとこの作品のヒロインは演技派で、ツンデレちゃんや小悪魔ちゃんなど色々なヒロインを演じる、まさに「ひとりハーレム」なのだ!
ヒロインが1人なのでこの作品に負けヒロインは存在しない、なのに何等分ものヒロインを主人公も読者も楽しめる…。
もはや無敵とすら思えるこの作品。

もちろんストレスのスの字もないこの作品が私にとって本当に癒しだった。

最終巻、そこにあるのはいつもの2人。
この作品は、いわゆる時代や季節は進むが同じ1年を繰り返すサザエさん的なものではなく、2人の時間は現実と同じように流れていく。
同じ高校の先輩と後輩から大学生と高校生、そして社会人へと時間は進む。
それでもやっぱり2人はいつも通りで、いつも通りの最高に幸せな関係を見せつけてくれた。
こんなの理想以外の何物でもない。
全6巻。ぜひこの作品をGWのお供として一気読みしていただき、癒しのある休日を過ごしていただけたらと思う。

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

 

疑似ハーレム

全6巻発売中

著者:斉藤ゆう
出版社:小学館

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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