このタイトルにも驚愕!? 超伏線転生もの『蜘蛛ですが、なにか?』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│アニメからもハマる人続出!
一度見たらもう先が気になって読むのを止められなくなる、究極の蜘蛛成り上がり!? 物語!

蜘蛛が主人公の作品と話すと大抵この作品を知らない人には「えっ?? 何それ? なんか嫌だ」なんて否定の言葉を聞かされるのだが、「とにかく漫画の1巻だけでも」「アニメの1話だけでも」とかなり強引目にオススメして読んだり見たりしてもらうとほぼ全員作品にハマります。
そしてその3人に1人くらいは気になりすぎて原作小説まで一気に堪能してしまうという、とんでもくオススメするのが楽しくなってしまう作品がこの『蜘蛛ですが、なにか?』なのだ。

この作品はいわゆる異世界転生もの。
女子高生だったはずの「私」は目覚めるとなんと蜘蛛に転生していた!! と各所で作品紹介されている通りの物語だ。

まず、この転生蜘蛛子さん、人生ならぬ蜘蛛生を元気に明るく楽しく、周りがめちゃくちゃ強いモンスターだらけの異世界の洞窟の中で自分よりも格上のモンスターを倒しどんどんレベルアップ! 進化! を繰り返していく。
最初から俺ツエーではないその成長の過程と、蜘蛛子さんの性格やオタク要素的な思考もあり、めちゃくちゃ面白く異世界転生物語を楽しめる。
しかしこの作品の面白さはもちろんそれだけではないのだ。

蜘蛛子さんの物語と同時に進行していく人間サイドの物語。
この2つの視点の物語が複雑に絡み合い、1つの物語を浮き彫りにしていく。

正直「転生に意味がある」転生ものは少ない。
トラックに跳ねられてに代表されるように「転生してからが物語である」というのが当たり前なのが異世界転生ものだ。

しかしこの『蜘蛛ですが、何か?』はその転生以前にも重要な意味を持たせ、蜘蛛子さんのゆるゆる楽しい蜘蛛生と真逆の深く丁寧に張り巡らされた伏線が合わさり、読者の好奇心煽りまくりの物語となっている。

この単純に付けられたと思ってしまうようなタイトルにも実は伏線が張られている。

この作品、ぜひ気になった方は試しに触れてみていただきたい。
なんだかよくわからないうちにこの作品魅力にきっとクモノイトに捕まってしまうようにハマってしまうはずだから。

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

 

蜘蛛ですが、なにか?

14巻まで発売中

著者:馬場翁
出版社:KADOKAWA

 

<コミック>蜘蛛ですが、なにか?

10巻まで発売中

著者:かかし朝浩、馬場翁
出版:KADOKAWA

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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