このひねくれたおじさんに思わず惚れてしまう!?『作家刑事毒島』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│「えっ!? もう重版!?」装丁を変えて仕掛け販売→即重版の大ヒット!!! 今注目の小説

出版業界を舞台に、承認欲求の塊みたいな人種を元刑事作家「毒島」がネチネチと追い詰める!?
なぜかめちゃくちゃ気分スッキリ!! 連作短編で読みやすく推理の楽しさまで超一級!

この作品、正直めちゃくちゃ面白い。何がそんなに面白いのか。
この作品のオススメポイントは「カッコ悪くてカッコイイ最高のおじさん」なのだ。

この作品の主人公は「毒島真理」。
50代を超えても童顔で40代前半くらいにしか見えない彼は、2年前に新人賞をとってデビューしたミステリ作家。
彼は元警視庁捜査一課の刑事で2年前にとある事件で退職したが、その後刑事技能指導員として再雇用、現在は週一で警視庁に顔を出している。

この毒島が中心となり短編形式で5つの事件がこの本には収められている。
出版業界を舞台に、この毒島が承認欲求の塊のようないわゆる見ていてイラッとするような人種を相手にネチネチと「毒島らしく」追い詰めていく。この流れが本当にたまらなく面白い。

ちなみにこの作品には毒島以外にもキャラクターの強いおじさん達が多数登場する。これがまた最高に素晴らしいっ!!
もう頭にこびりついて離れないような人物ばかりなのだ。ぜひ読んでみて自分のお気に入りの人物を見つけて欲しいとすら思う。また出版業界の「闇」の部分にも切り込んでいる部分もこの作品の注目ポイントだろう。

そして今回新装丁。
帽子先生の描くめちゃくちゃカッコよく思わず惚れてしまうような「毒島」のイラスト表紙となっている。もうこの表紙のイメージと本編の内容が合わさり毒島真理の物語としての読み味がとんでもない領域に達したと言えると思ってしまう。

ちなみにこの帽子先生のコミックス『灰雪の街のサバーカ』も素晴らしい作品なので気になった方はぜひ読んでみて欲しい。

作家刑事毒島のシリーズは現在この1冊のみだが、もっと読みたいと一度この作品に触れたものなら思うのではないだろうか? もちろん私はめちゃくちゃ読みたい!

コメディタッチで読みやすく、何よりカッコ悪くてめちゃくちゃカッコイイ毒島の活躍をぜひ多くの方に楽しんでいただけたらと思う。2021年、間違いなくこれから注目の作品だ!

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

 

作家刑事毒島

発売中

著者:中山七里
出版社:幻冬舎

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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