7年ぶりに出会った親友は性別が変わっていた!?『カレとカノジョの選択』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】 Tweet │突然性別が変わってしまった遥と遥を大事に思う和真。お互いが自分にとって大事な人だからこそ悩み苦しむ。 いじめられっ子だった自分を助けてくれた親友がいた。中学の頃に自分が転校することになり、それから7年間SNSなどで連絡を取ってはいたがずっと会えずにいた、そんな親友から突然の連絡がくる。「今からそっちに行く」幼馴染で自分にとってあこがれのヒーローのような親友の連絡に驚きながらも空港に迎えに行く。そんな場面から本作は幕をあける。 主人公「和真」と親友「遥」。身体は大きいのにいつもオドオドしていた和真と、その真逆でいつだって堂々としてカッコいい遥。中学生となり、和真は東京に転校することになる。今までの様に親友の遥となかなか会えなくなる事に落ち込む和真に遥は「大人になったらお前に会いに必ず東京に行く!」と告げる。それまでにお前も少しは男らしくなれよ? と元気付け転校する和真を見送った。 そしてそれから7年。二人が20歳になる今日、遥からの突然の連絡。そして7年ぶりに出会った親友は女になっていた。 後天性雌雄転換病という、千人にひとりの割合で発症する病気で出生時の性別が二次性徴をきっかけに変わってしまう。原因も判明し、感染などのリスクがない事もわかっておりそれが当たり前に受け入れられているのがこの物語の世界。 『カレとカノジョの選択』はそんな世界での日常の中で突然性別が変わった遥と遥を大事な親友であるからこそそれゆえに悩む和真の二人の心のありようを描いた人間ドラマだ。 │和真になぜ会うまで性別が変わった事を告げられなかったのか? そしてなぜ東京にくるという選択をしたのか。 1巻から3巻では主に現在の人間関係について描かれてきた。性別が変わってしまった大事な親友とどう接していくべきかを悩む和真、そんな和真の友達関係や彼を思う後輩との恋愛模様。突然一人暮らしの和真の家に転がり込んできた遥の想いやその行動。 そして第4巻ではついに「遥」が女になってしまった時の衝撃の過去が語られた。正直むちゃくちゃ重い事は想像していたが、なかなか心が痛くなる内容だった。大好きで彼女となった先輩との事、性別が変わった事で将来が見えなくなってしまった事。そして周りとの人間関係。和真になぜ会うまで性別が変わった事を告げられなかったのか?そしてなぜ東京にくるという選択をしたのか。 『カレとカノジョの選択』はこの4巻を境目にきっと大きく物語が動き出すと思う。まさに今が一番の読み初めのタイミングだろう。ぜひ気になった方は4巻まで一気に読んでもらいたい。 (文:仕掛け番長) │仕掛け番長のおすすめ本 カレとカノジョの選択 4巻まで発売中 著者:緒原博綺出版社:KADOKAWA 商品検索 商品検索 作品詳細 【コンシェルジュ】仕掛け番長 栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』 Twitter(@maron_rikiya)