実在の人物や事件とフィクションが交差するダークファンタジー!『黒博物館三日月よ、怪物と踊れ』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│フランケンシュタインの著者メアリー・シェリーが語る、もう一つの死体で作られた人造人間の物語とは?

『黒博物館三日月よ、怪物と踊れ』は「黒博物館スプリンガルド」「黒博物館ゴースト アンド レディ」に続く19世紀のイギリスを舞台として実在の人物や事件を織り交ぜつつ描かれるダークファンタジーシリーズ待望の第3部。

1842年、ヴィクトリア女王陛下が催された舞踏会の現場に遺されていた片方の赤い靴。
この舞踏会は通称「プランタジネット舞踏会」と言われるもので何かしらの事件がここでは起きたと噂をされている。
しかし色々な噂はささやかれているもののそこで何が起きたのか真実を誰も知らない。
そんな極秘の事件の当事者であるメアリー・シェリーがこの片方の赤い靴にまつわるこの事件の真相を語るのが『黒博物館三日月よ、怪物と踊れ』という物語だ。

物語を語るメアリー・シェリーは小説「フランケンシュタインーあるいは現代のプロメテウス」の著者。1818年に刊行され初版は著者匿名であったが第3版でメアリー・シェリーの名前が明かされた。
死体から部品を集めて造られた醜い人造人間の物語は今も愛され続ける名作。
そんなメアリー・シェリーがこの小説を書いたことでとある不思議な体験をしていく事になる…。

│主軸の物語以外にも読みどころたっぷり!繰り返し読むたび面白さが広がる黒博物館シリーズ

黒博物館シリーズは実在の人物、事件とフィクションが交差しなんとも言えない独特なワクワク感がある漫画だ。
フィクションとノンフィクション、両方のもつ好奇心のくすぐりを同時にされ心がざわつくような面白さは他の作品では味わえないものだろう。

第3部である『黒博物館三日月よ、怪物と踊れ』では主軸となる物語の他にメアリー・シェリーという人物を通して当時の様子を知る事が出来る。
なぜ「フランケンシュタインーあるいは現代のプロメテウス」の初版が匿名だったかなどは頭の中で想像すればその答えは容易いが、それが物語として漫画で読むことでより深く理解することが出来たりするのも面白い。

ちなみに黒博物館シリーズは装丁デザインもこだわっていて、物語的にも紙で読むのが個人的には凄くオススメの作品だ。
最近電子でばかり本を読んでるけどたまには紙でもなんて時にも、ぜひ黒博物館シリーズをお手に取ってみて欲しいと思う。

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ

1巻発売中

著者:藤田和日郎
出版社:講談社

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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