「今日人類がはじめて木星についたよ」たまの石川浩司自伝漫画!『「たま」という船に乗っていた』(さよなら人類編)【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│はじめて「丸ボーズ」になった瞬間や「ランニング」姿でステージに立った瞬間まで網羅!? 「たま」を知らない世代も思わず「たま」に興味を持たずにはいられない!

今、とある漫画作品が書店業界界隈で話題になっている。
その作品は連載が始まると同時にじわじわと話題になり、SNSなどで広まって読んだ方の感想の口コミでどんどんと広がり1巻がついに発売したところ、即完売してしまう書店が続出してしまったのだ!!
とある大型書店では「今週末入荷します!」なんてPOPがすっからかんになったコーナーに貼られている姿も見かけてしまった。

それこそが今回紹介したい「今日人類がはじめて木星についたよ(ついたー!)」という誰もが一度は耳にしたことのあるであろう大ヒット曲「さよなら人類」の「たま」の歴史を漫画化した作品『「たま」という船に乗っていた』(さよなら人類編)だ。

『Webアクション』で連載されている本作は、「たま」の石川浩司さんが「たま」が解散した翌年の2004年に出版された書籍のコミカライズ作品だ。

私は残念ながら「たま」世代ではないのであまり本作に最初から興味を持っていたわけではなかったのだが、今回の連載が始まると仕事で会う本当に多くの業界の方からオススメされまくり、ついには私が大ファンの漫画家先生がSNSで絶賛されているのを見てしまいまんまと連載を読み、逆にそこから「たま」の音楽に今更ながらハマってしまっていたりする。
今聴いても他にはない唯一無二のインパクトを感じてしまったのだから、当時リアルタイムで「たま」を聴いていた方は相当の感動を得たのだろうと思った。

│『「たま」という船に乗っていた』をオススメするのにはただ「面白かった!!」とだけ伝え本を手渡せば作品の良さが伝わってしまう気がする(笑)

(さよなら人類編)では石川浩司さんが上京するところから「たま」が結成され、『三宅裕司のいかすバンド天国(通称・イカ天)』という当時放送されていたアマチュアバンドを対象とした勝ち抜きコンテスト番組で「らんちう」という曲を完奏するまでが収録されている。
バンドの裏側を描いた作品で内容は濃厚なのだが、石川浩司さんのキャラクターと、原田高夕己さんのこのお話に最高に合った漫画表現(これは見てもらえば一発でどんなものか理解できると思います)でなんのストレスもなく興味深いお話がすらすらと頭に入ってくる最高のエンターティメント漫画となっている。

正直最近のコミカライズでこんなにもかみ合った化学反応は他にはないのではと思ってしまった。おそらく石川浩司さん、原田高夕己さん共にあとがきで書かれている編集の平田さんの力も大きいところなのではないだろうか。

そしてどうやらこの番組出演がきっかけで色々おきるようなのだが……それは次巻の(らんちう編)で描かれるとの事なので楽しみにしていたい。

レビューという形式上つらつらと色々描かせていただいたが『「たま」という船に乗っていた』をオススメするのにはただ「面白かった!!」とだけ伝え本を手渡せば作品の良さが伝わってしまう気がしたというのが本音だったりする。

おそらくこのレビューが出るころには売り切れていた店頭にも在庫が補充されているはずなので、思わず開かずにはいられない以上に吸引力を感じる表紙を店頭で見かけたらぜひ一度手に取ってその衝動に任せてこの作品を読んでみて欲しい。

そこに広がる「たま」の世界はきっとあなたに素敵な漫画瞬間を楽しませてくれるはずなので。

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

「たま」という船に乗っていた

発売中

著者:石川浩司、原田高夕己
出版社:双葉社

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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