デザート25周年記念レビュー!! 懐かしの作品を紹介『となりの怪物くん』『好きっていいなよ』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│スウィートな乙女心はあいにく取り扱っていない『となりの怪物くん』恋のイロハとかをわかっていく面々の日々を笑いながらドキドキしながら読んでもらいたい

現在発売中の22年9月号で『デザート』は25周年を迎えた。
25周年で本当に数多くの人気作を生み出してきた『デザート』。
実は私がラブコメ好きになったのはデザート作品の影響がかなり強かったりする。私以外でもそんな男性読者もきっと多いのではないだろうか?

例えば『となりの怪物くん』
ハルとシズクというタイプの違うコミュ症を中心に二人を取り巻く個性的な面々の日々を描いた本作は1度読み始めたら止まらないハイテンションラブコメディーだ。

ハルの予測不能な行動とブリザードと呼ばれるクール(??)なシズクの恋は直球で心に刺さってくる。例えば前半にあるシズクがハルに『大事に』されている事に気が付くシーンはいまだにすぐに浮かぶほどたまらない。当時はなかった言葉だが今なら多くの読者が「尊い」とつぶやきまくってしまう事だろう。
読んでいてそんな瞬間がシズクや周りの誰かの気がつきにより突然読者の目の前に訪れるという尊さの変化球もこの作品ならではの楽しみだ。

ちなみに二人以外のメインメンバーもほんとに濃くて誰一人印象の薄いキャラがいないというのも、恋愛をテーマにした作品では珍しいように当時感じていた。夏目さんなどは、回によってはハルもシズクも食ってしまうほどの強力で、初登場時にキリっとした顔でお好み焼きソースを口に付けまくって食べ、その後いきなり口から虹を出してしまうなど、なんかもう色々残念な美人さんキャラはその後の多くのヒロイン像に影響を与えている事だろう。

スィートな乙女心はあいにく取り扱っていない『となりの怪物くん』
恋のイロハとかをわかっていく面々の日々を笑いながらドキドキしながら読んでもらいたい。

│デザート9月号には久々の新作読み切りが掲載!!『好きっていいなよ』大和とめいの思わず声を漏らさずにはいられない甘々な時間をぜひ楽しんでいただきたい

そしてそんな『となりの怪物くん』と時期を同じくして連載されていた大ヒット作が『好きっていいなよ』だ。

「好きなよ」の略称で馴染まれている本作は、ボッチで周りに壁を作ってしまっているめいとモテモテ男子大和の恋の物語なのだが、理想だけではないリアルな感情や行動もガッツリ作品の中に入れ込み、大人と子供の間の特別な時間をギュッと詰め込んでいる。
それゆえになまめかしい話もかなり出てくるのだが、そんな傷があるからこそ登場人物たちがめいと出会うことで優しくなり、大人になっていく事に嘘が無いのだ。
ちなみに大和も最初の頃は本当にチャラい。めいの気持ちマジでわからん奴やなと思ってしまう事もしばしばなのだが、しかしそんな彼もめいと日々を重ねていく事でどんどん本当のいい男に変わっていく。
『好きっていいなよ』は付き合い始めてから物語が始まるタイプの作品で、最初は興味本位だったのかもしれない大和の想いの変化、大和の彼女だからと興味をもたれ彼の周りの人たちと接していく日々。そしてそんな毎日の中で段々と変わっていくめいの姿、思わず自分と重ね、何度も目頭が後くなる事間違いなしの作品なのだ。

ちなみにデザート25周年記念となる22年9月号には、そんな『好きっていいなよ』の久々の新作読み切りが掲載されている。
大和とめいの思わず声を漏らさずにはいられない甘々な時間をぜひ楽しんでいただきたい。

今回は『となりの怪物くん』『好きっていいなよ』というデザートの歴史に欠かせない2代レジェンド作品について書かせていただいたがまだまだご紹介したいデザート作品は多いので近々25周年記念レビュー第2弾をしたいと思う!

ちなみに最後になるが今回紹介の両作品は『アニメ』『実写映画』になっているがこちらもとても良いので見ていないという方はぜひ一度見ていただきたい。

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

となりの怪物くん

全13巻レンタル・発売中

著者:ろびこ
出版社:講談社

好きっていいなよ。

全18巻レンタル・発売中

著者:葉月かなえ
出版社:講談社

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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