朝起きたらツノが生えていた!? 今話題のドラゴン少女物語『ルリドラゴン』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│龍と人間のハーフの少女ルリのちょっと不思議な日常を描く緩やかな人間ドラマ

連載が始まると共に漫画読みの間でひそかに話題になっていた『ルリドラゴン』の1巻目がついに発売された。

朝起きて歯を磨くのに鏡の前に立ったら、自分の頭に見慣れないもの「角」が生えていたというシーンから幕をあけた本作。
なんで急に角なんか…と疑問を投げる主人公である少女、ルリに母親からさらりと伝えられる「実はあんたのお父さん人間じゃないんだよね」という出生の秘密。
父親は龍でルリは龍の父親と人間の母親のハーフであり、そのために角が生えてきたのではないかと伝えつつ、まあ死にゃしないし普段通りでいいよと出かけていく母親。

そんなこんなで角を気にしつつも学校にいつも通りにいく事にしたルリ。
学校でも友達やクラスメイト、先生も角に興味を持つものの何だかんだ一日を過ごしていく。
しかし午後の授業中に事件は起きる。
先生に当てられ教科書を読もうとしたときふとくしゃみをするルリ。
するとくしゃみと一緒に口から炎が噴きだし、ルリは鼻や口から血を流し倒れてしまうのだった…。

│ツーカラーツインテールの神代さんとルリの会話に心を打たれる。

『ルリドラゴン』は龍と人間のハーフであるルリが、ハーフであるがゆえに自分自身に訪れる予期せぬ変化の中で母親や友達に支えられながら生活を送っていく、少し不思議な日常物語だ。

母親の娘への想いや、ルリの友達のユカ(ほんといい子!)がいる事で助けられるルリ。
そして角が生えドラゴンのハーフになった事で広がっていく人間関係などが魅力の本作。
ツーカラーツインテールという奇抜な髪型ながら、勉強が出来ていつも笑顔でクラスメイトと接する神代さんとルリの会話には心にグッとくるものがある。

感動や涙涙の派手な超展開!なんてものは無くても気持ちを震わせる素晴らしい作品があるが、この『ルリドラゴン』はまだ1巻目ながらそんな魅力を感じずにはいられなかった。
まさに今だからこそぜひ多くの人に読んでもらいたい。そんな漫画だ。

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

ルリドラゴン

1巻発売中

著者:眞藤雅興
出版社:集英社

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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