悲しい結末を迎える11の短編に思わず震える!!『ハッピーエンドにさよならを』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

ミステリー小説の面白さを活かし本で読むことの意味がある11編が収められた歌野晶午渾身の短編集

未来に対しての恐怖というものは誰しもが持っているものだろう。
自分が今取っている行動はちゃんと自分や自分の周りの人間の幸せにつながっているのか?
『ハッピーエンドにさよならを』は残念ながらハッピーエンドを迎えることが出来なかった者たちのお話11本が書かれた短編集だ。

「嫌われものじゃないか?」という不安から始まりその疑念が思わぬラストを迎える1編や、犯人を推理してしまう事で残酷な結末を迎えてしまうなんともミステリー読みに刺さるような作品、また中にはたった3ページの天国の兄に向けた手紙のような一人語りだけで思わず背筋がゾッとしてしまう様なものもあるが、ここに収められているものは全て「バットエンド」での結末が最初から決まっている。

どうしてこの本の登場人物たちの人生は転がり落ちてしまうのか?

彼ら彼女らにとってハッピーエンドを迎えるためにとった行動が、なぜバッドエンドの引き金となってしまったのか?
『葉桜の季節に君を想うということ』『絶望ノート』などで多くの読者を驚愕させた歌野晶午だからこそできる、小説ならではの思いもよらないような物語が待ち受けている。

11編全て短い短編でドキドキのバッドエンドを楽しめる『ハッピーエンドにさよならを』
気になった方はぜひ読んでみていただきたい。

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

ハッピーエンドにさよならを

発売中

著者:歌野晶午
出版社:KADOKAWA

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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