河原和音最新作!ドキドキが止まらない体が大きなヒロインの恋『太陽よりも眩しい星』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│「自分だけのかっこいい男の子」から「誰が見ても本当にかっこいい人」になってしまった幼馴染への想い

『太陽よりも眩しい星』は幼馴染の男の子に恋する体の大きな女の子の恋を描いた作品だ。

身体測定のたびにみんな細くて小さいと周りの女子に対して思ってしまう。
そんなヒロイン岩田朔英は、小学校の入学式に出会った体の小さな男の子、神城光輝の事が中学生になった今でもずっと気になっている。
細くて小さくて「彼女だけのかっこいい男の子」だった神城は6年生の頃から背が伸び出して、今では「誰が見ても本当にかっこいい人」になっていた。

そして、とある事でやっぱりこの人が好きだと意識した彼女が、無理目なこの恋に挑戦することを決意して同じ高校に通うという所からこの作品の本編が始まる。

│リアルなヒロインだからこそダイレクトに伝わるどんどん好きになる瞬間の想いがほんとに凄い!

この作品のヒロインである岩田朔英、通称岩ちゃんは周りから雑に扱われることを普通の事だと思っている、いわゆるよくいる大多数側の人間だ。
彼女の考え方や行動に共感する人は本当に多いだろう。

作中で向けられる「心無い言葉」に対して、言われすぎていて普通に流せてしまうという岩ちゃんの行動に違和感すら感じなかった方も多いのではないだろうか?

そんな言われた本人も気づかない、でも知らない間に心にはしっかりダメージを受けているような些細な瞬間にも神城は気が付き行動をする。
それがどれだけ嬉しい事か、そんな神城に心を動かされてしまう岩ちゃんの想いに思わず「わかる!」とほとんどの読者はうなってしまうのではないだろうか?

それこそ読んでいるこっちまで高校生の頃の恋心のような、少女漫画の主人公になれないキラキラしていない人間にとっての「キラキラしたかけがえのない瞬間のドキドキ」を感じずにはいられないだろう。

さらに一人称で岩ちゃん視点での気持ちしか描かれていないはずなのに「どう考えても神城岩ちゃんのこと好きすぎるだろ!?」と思えてしまうほどの神城の素直で余裕のない行動にもドキドキさせられてしまうのだから読者の心はたまったものじゃない。

河原和音先生作品には本当に毎回ドキドキさせられてしまうのだが、今回のそれは今までの作品の中でも一番じゃないか? と個人的には思ってしまった。(新作が出るたび毎回そう思わされている気もするが…)

『太陽よりも眩しい星』は現在4巻まで発売中だ。
読みやすいタイミングな今こそぜひ一気読みをオススメしたい!

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

太陽よりも眩しい星

4巻まで発売、3巻までレンタル中

著者:河原和音
出版社:集英社

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

一覧に戻る