もし35歳独身女性が魔法少女になったら『魔法少女・三十路』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│三十路で、日曜日の朝に放送されているような魔法少女をやらなければいけなくなった女性の苦悩(!?)の物語

仕事に向かうため電車に乗り、目の前にいる女性を見ながらあんな短いスカートもうはけないな…なんて考えていたら、思いっきりスカートの短い魔法少女の姿に突然なってしまった保守ようこ35歳。

魔法少女ものと言えばの変身ダンスも、登場ポーズも。
可愛いマスコットキャラとのやり取りも。
仲間の魔法少女との出会いも全て彼女は35歳という年でやらなければならない。

しゃべるウサギのぬいぐるみの様なマスコットキャラ「うさ」に初めて姿を見たときに語尾の「うさ!!」がとれ普通に敬語で話されても、12歳でキラキラの魔法少女仲間に「お母さんと同い年」と悪気なく言われても頑張らなければならない。

この物語は、ここ最近エイジハラスメントという声が出てきて、年齢制限を続けることが難しくなったという現代人の悪い所が生んでしまった悲劇、三十路で日曜日の朝に放送されているような魔法少女をやらなければいけなくなった彼女の苦悩(!?)の物語だ!!

│痛みに共感し引いた笑いをさそうギャグ

この『魔法少女・三十路』には心がすり減るのにそれが癖になる面白さという不思議な魅力があるのだ。
声を荒げて笑う様な笑いではなく痛みに共感する引いた笑いをさそうギャグ。
けして可愛くないわけではないのに、というなんとも絶妙な保守ようこの自己肯定感低めな所もバランスよく刺さり絶妙な笑いをさそう。

ちなみに魔法少女の力は自己肯定感の高さが魔法少女の強さイコールになるので……この先はぜひ実際読んで「あぁ~」という笑いを体感して欲しい。

今までありそうでなかった三十路魔法少女ものという新ジャンルのこの作品。
表紙のイラストもなかなかインパクト強めなので店頭で見て気になったという方も多いのではないだろうか?
何とも言えないこの癖になる魅力、ぜひあなたも一度体験してみて欲しい。

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

魔法少女・三十路

1巻まで発売中

著者:三倉ゆめ
出版社:少年画報社

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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