過去の猟奇殺人被害者となりその凶行を止めるかつてないミステリー『サイコ×パスト 猟奇殺人潜入捜査』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│残虐で異常なシリアルキラーにその事件の「被害者」となり事件の記録だけで立ち向かう

殺した人の体を食器や服に加工して愉しんだ死体愛好家「エドワード・ゲイン」
360人を殺害し、死刑囚でありながら獄中から捜査に協力し『羊たちの沈黙』のレクター博士のモデルにもなった「ヘンリー・リー・ルーカス」
53人の女性と子供を殺害、ロシアの赤い切り裂き魔「アンドレイ・チカチーロ」
彼らは実在したシリアルキラーだ。

昔TV番組で『FBI超能力捜査官』というシリーズ番組があったのはご存じだろうか?
もちろんそんな役職はFBIには存在しない。あくまでTV番組上の名前だ。
ではそんな超能力捜査官が本当にいたら、しかもその能力が過去の事件の「被害者」に意識を飛ばし、過去に戻る事でシリアルキラーの凶行を未然に防ぐことが出来るなら…。

『サイコ×パスト』は犯人への強い憎悪をとある理由から持つ刑事が、過去起きた異常な殺人事件の被害者となり、当時起きた事件の知識を武器にその事件の被害者を救うために戦う物語なのだ。

│主人公五代は、第1の事件で計6人の女性に対して異常な殺人を繰り返したシリアルキラーの被害者の一人である17歳の少女となるのだが…

過去起きた事件の「被害者」に意識を飛ばすという超能力は、簡単に言うと“被害者自身になる”という事。主人公である五代一哲がいかに体を鍛え屈強な刑事であってもそれに意味はない。
第1の事件では、計6人の女性に対して異常な殺人を繰り返したシリアルキラーの被害者の一人である17歳の少女となる。意識が飛んだ先ではすでに犯人に捕まり、両手を鎖で繋がれている状態であった。
隣には自分の意識のとんだ少女の前に(元の事件の記録で)殺された少女が同じように両手を鎖で繋がれ、つかまっていた。彼が飛んだのはこの横にいる彼女が殺害されるそのタイミングだった。彼は彼女に必ず守ると告げるのだが…。

絶対的不利な被害者という立場の中で「過去の事件の記録」だけでいかにして五代は異常な殺人鬼「シリアルキラー」達に立ち向かっていくのか。第1巻から目が離せない展開の連続。

間違いなくオススメの1作だ。

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

サイコ×パスト 猟奇殺人潜入捜査

1巻までレンタル・発売中

著者:本田真吾
出版社:秋田書店

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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