思わず息を飲むような展開から始まるラブコメディ!『柊さんちの吸血事情』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│大ヒット中!『カッコウの許嫁』を連載中の吉河美希先生が初の2本同時連載へ!!
三姉妹ラブコメディ『柊さんちの吸血事情』

『カッコウの許嫁』は連載開始直後から大きな話題となり、”次にくるラブコメ”としてじわじわとその人気を高め、そしてついにこの4月にアニメが始まり、今もっともキテいるラブコメの1つと言っても過言ではないだろう。
そんな『カッコウの許嫁』の著者である吉河美希先生が、同作と同時に連載をしている作品が今回紹介したい『柊さんちの吸血事情』だ。

物語は、とある児童養護施設で育った14歳の少年が、とある家から引き取りたいと話をもらったところから始まる。施設にいられるのは18歳まで。あと4年もして施設を出たら一人暮らしをはじめようと思っていた少年は、渋々まずは3日間だけお試しという形でその家にいく事になった。
行ってみると家は立派な和風家屋、そして父母、娘2人といかにも裕福で何不自由のない素敵な家族が待っていた。そんな素敵な家族が何故自分を向かい入れようと考えたのか? とそんな疑問が少年には浮かんでくる。
その夜、少年がお風呂から上がり家の中を歩いていると、外から鍵がかけられた部屋からうめき声のようなものが聞こえてきた。好奇心旺盛な少年は鍵を開け、その部屋にそっと入ってみる。そこにはまるで怪物のようになった少女の姿があった。
柊家の娘は実は3人いたのだ。少年に飛びつく少女。そして目に涙を溜めて一言「ごめんなさい」と告げ少年にかぶりつくのだった…。

まるでホラー映画のようなこの冒頭のストーリー。
しかしこの思わず息を飲むような展開から始まるのはラブコメなのだ。

│明るく可愛いラブコメと物語の主軸として存在する不安感の2軸が、今までにない読み味で読者を惹きつける!

『柊さんちの吸血事情』は、柊家族の一員となった少年の物語だ。
柊さんちの三姉妹と彼とのドタバタラブコメディとしての側面は、まさに吉河先生の今までの作品のファンにはたまらないものだ。
しかし彼は血を吸われ続ける。今の所、その血の濃さからなのか体質からなのか明確には判明していないが、本来死んでしまうはずが死ななかっただけの彼がこれからも血を吸われていく事で無事である保証はどこにもない。
彼と柊三姉妹が心を通わせ打ち解けていくほどに、そこにある不安の感情は募っていく。

明るく可愛いドキドキできるラブコメと、物語の主軸として存在する不安感の2軸が今までにない読み味で読者を惹きつける本作。
気になった方はぜひ『カッコウの許嫁』と共に楽しんでもらえたらと思う。

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

柊さんちの吸血事情

1巻発売中

著者:吉河美希
出版社:講談社

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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