顔だけイケメン主人公と中身も見た目もイケメンな三姉妹ラブコメ!『帝乃三姉妹は案外、チョロい。』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│歌劇団のスター、空手家、女流棋士。イケメンヒロイン3人との同居ラブコメ!!

姉妹ヒロインものラブコメは『キャッツ・アイ』から『五等分の花嫁』まで長く愛されるラブコメジャンルだ。
今回紹介する『帝乃三姉妹は案外、チョロい。』もそんな姉妹ラブコメのひとつなのだが、本書を開き読み始めた読者の受ける印象はタイトルから想い描くそれとかなり違うものなのではないだろうか?

主人公「綾世優」は大女優綾世昴の息子で、その母親譲りの美しい顔立ちを持つ少年だ。
しかしそれ以外はポンコツで顔以外はもうダメダメ。
母親の輝かしい実績から期待されることも多い優だが、その後決まってガッカリされてしまう。その一連のガッカリされる流れにも慣れてしまうほど。

そしてヒロインである帝乃三姉妹はそれぞれが素晴らしい実績を持つスーパースター姉妹で、長女の一輝は歌劇団のスター、次女の二琥は武道系競技主要大会を総ナメにした強さを誇る空手家、三女三和は最年少記録を次々と塗り替える女流棋士。
顔だけイケメンの優を超える顔も中身もイケメンな三姉妹なのだ。

この4人がとある理由から同居を始め家族になっていく物語がこの『帝乃三姉妹は案外、チョロい。』だ。

│全然チョろそうに思えない三姉妹との関係作りを優はどう攻めていくのか!?

帝乃三姉妹はそれぞれそもそもの性格というよりも、行動原理がストイック。それは結果を出し続けるスターゆえの努力に紐づいているもので、この作品はファンタジーでありながら努力の上にしか成功はないという現実をしっかりとストーリーに組み込んでいる。

タイトルに「チョロい」とあるが、優が三人と関係性を深めていくためにはそんなストイックな3人のそれぞれの行動原理をしっかりと知り、それを守った上で行動をしていく必要がある。これは現実でも成功者の恋愛が長続きしない理由でよく聞く別れる理由そのものではないだろうか?
そんな問題に顔だけイケメンの主人公・優はどう真正面から向かっていくのか?
それがこの作品最大の見どころだろう。

ちなみにその顔だけイケメンの価値を活かした唐突に周りをドキッとさせる事を言う中二的な行動を優が取ることがあるが、これ読者もどっきりしてしまう事間違いなしなのでこの辺りも楽しみにしていただけたらと思う。

優は大女優の母親と叶えることが出来なかった、でも母親がきっと望んでいた「普通の家族になる」という夢を三姉妹と叶えたいと思っている。帝乃三姉妹と優はそんな普通の家族になれるのか。じっくり読んでいきたい作品だ。

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

帝乃三姉妹は案外、チョロい。

1巻発売中

著者:ひらかわあや
出版社:小学館

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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