「表紙の可愛さと同時に感じる違和感。」今話題のトラウマ恋愛漫画！『きみだけがほんとう』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】
│幼馴染の主人公と双子が紡ぐ相思相愛三角関係の物語
可愛い表紙のイラストと何故かブレたように見える、違和感のある『きみだけがほんとう』というタイトルの文字。
そして同じようにブレているように描かれている表紙の人物のヘアピン…。
高校2年生の力丸と、その隣に住むふたごで力丸の彼女のかがみと弟のきょう3人を中心に恋模様が描かれている、先が全く読めない恋愛漫画として今話題になっている本作。
主人公の力丸は女性からむちゃくちゃモテる、まるでラブコメの主人公の様な存在なのだが、幼馴染で彼女のかがみ以外には全く興味がない。
学年一の美女に連絡先をもらってもそれが誰かもわかっていないような、一途すぎるほど一途な男なのだ。
そんな彼だが、実は幼いころに父親とその不倫相手の女性から植え付けられた記憶の影響で、女性に触るとその過去の記憶がフラッシュバックしてしまい吐き気に襲われてしまうというトラウマを背負っている。
このトラウマが彼のその一途さを生み出しているのかもしれないが、しかし実は大好きな彼女のかがみに触れた時にも彼の心は反応してしまい、他の女性に触れたときと同じことが起きてしまう…。
そのため力丸はかがみに触れることが出来ず、それが彼の中で大きな悩みになっているのだ。
│同じ人を好きになった双子のとった行動は？ 主人公の抱えるトラウマとそれが交差して思いもよらない展開へと進んでいく
力丸の彼女であるかがみはその理由を知らされていないため、彼が自分に触れてもくれない事に戸惑いながらも、ずっと大好きでようやく付き合えた力丸との時間を幸せそうに過ごしていた。
しかし何故か彼女は弟のきょうと、いつからか仲がこじれてしまっており、かなり二人は険悪な状況になってしまっていた。
それこそ力丸ときょうが二人で楽しそうに遊んでいる姿をみた時には、普段のおっとりした彼女からは想像もできないような怒りの様子を見せるほどに。
なぜかがみはここまでの嫌悪感をきょうに対して持っているのか、そしてかがみの弟でこの作品の最重要人物といっても過言ではない「きょう」
実は彼も姉のかがみ同様に長い間、力丸に一途な想いを寄せていたのだ。
3人がそれぞれ抱える想いの交差により、先が全く読めない恋愛ドラマを紡いでいく性別を超えた相思相愛のラブストーリー『きみだけがほんとう』
これから2巻、3巻と物語が進んでいくにつれより話題になるであろう本作。
とにかく切なさと恋の怖さが思いっきり詰まっていてめちゃくちゃ先が気になってしかたない面白い作品なので、ぜひ気になった方は一度読んでみていただけたらと思う。
（文：仕掛け番長）
│仕掛け番長のおすすめ本
きみだけがほんとう
著者：やっそん義之
出版社：講談社
【コンシェルジュ】仕掛け番長
栗俣力也（くりまた・りきや）。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』