泣かないほうが無理…ドラマも話題『妻、小学生になる。』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│明日終わってしまうかもしれない、奇跡の時間の中で過ごす家族の物語

ついに『妻、小学生になる。』のドラマがスタートした。
個人的に大好きな漫画原作のドラマ化にはガッカリしてしまう事が多いのだが、この作品に関しては思わず涙を我慢できなくなるほど素晴らしい1話だった。

『妻、小学生になる。』はそのタイトルの通り、大好きだった妻と死に別れた父とその娘の元に、小学生に生まれ変わった妻が現れるところから物語は始まる。

10年前事故で死んだ妻、新島貴恵。
彼女は生まれ変わり全く別の小学生として人生を歩んでいたが、たまたま昔住んでいた家の近くを通った事をきっかけに新島貴恵だった頃のことを思い出す。
彼女と死に別れた夫の新島圭介は極度の愛妻家で、10年たった今でもまだ彼女を失ったショックから、娘の麻衣との生活は決して明るいものではなかった。
そんな中、小学生となった貴恵は圭介に「私がいなくても進んでいけるっていう姿勢と未来を見せてよ」と思いを伝える。
小学生となって現れた妻との再会により、圭介と麻衣はそれぞれ前を向いて人生を歩きだす。

真っ直ぐに妻を愛する圭介の想い。麻衣の恋や貴恵の本来の小学生としての自分、白石万理華とその母親との問題。いつまで続くかわからない奇跡の時間の中で過ごすそれぞれの物語はその全てが心を揺さぶるものになっているのだ。

│交際前から始まり、圭介のむちゃくちゃ真っ直ぐで、でも不器用な想いに貴恵が惹かれ想いを重ねていく「在りし日の貴恵と圭介」

漫画ならではのオススメポイントとしてコミックスの巻末に収められた「在りし日の貴恵と圭介」がある。交際前から始まり、圭介のむちゃくちゃ真っ直ぐで、でも不器用な想いに貴恵が惹かれ想いを重ねていく過程を描いた本編の前日談となっており、これを読むとより『妻、小学生になる。』の中で交わされる人間ドラマが深いものになっていく。

これを読んでから本編をもう一度読むと、小学生となった貴恵の圭介に向ける暖かな表情が物語る心情の切なさがより感じられ、思わず目頭が熱くなったりするシーンが2倍かそれ以上に増えたりする。。。ほんとに切ない。。。

ドラマも話題となっており、これからより盛り上がりを見せる『妻、小学生になる。』。原作もむちゃくちゃ素晴らしい作品なので、ドラマでこの作品が気になった方はぜひ原作コミックスも読んでいただけたら嬉しい。
この作品はきっとあなたにとっても記憶に残る大好きな作品の1つになると思うから。

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

 

妻、小学生になる。

9巻まで発売、8巻までレンタル中

著者:村田椰融
出版:芳文社

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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