最終巻を読んで第1話を読み返すと涙が止まらなくなる!!『妻、小学生になる。』(14巻)【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│ついに完結。妻に先立たれた夫と娘の再生の物語

TVドラマも大ヒットし大きな話題となった『妻、小学生になる。』
ついに先日、最終第14巻が発売された。

10年前、妻が突然亡くなりその辛さから未だ立ち直れないでいた旦那の圭介と娘、麻衣の元に突然、小学生になった妻、貴恵が現れるというちょっと不思議な家族ものである『妻、小学生になる。』。小学生になった妻と共に過ごすちょっと変わった日々の中で妻の死から心を閉ざしていた圭介も麻衣も元々の明るさを取り戻し明るい家族の日常を送っていく。

そんな中で貴恵は、小学生である自分が18歳になったらもう一度結婚しようかと圭介に告げる。お互いを本当に想い合っている姿を描いてきたこの作品だからこそその瞬間には、読者として込み上げてくるものがある感動のシーンだったのだが…。
しかしその後すぐになぜか貴恵はその記憶を失い、貴恵になる前の小学生の少女に戻ってしまう事件が起きる。

なぜそんなことが起きたのか。
そこから明かされる真実は、圭介にとっても貴恵にとっても厳しいものだった。

切なくて辛い選択を求められた圭介と貴恵がどんな未来を選ぶのか。
その答えが描かれる最終巻。

『妻、小学生になる。』は妻を、母親を失ってしまった家族の再生の物語だ。

第1話で貴恵が圭介に本当は自分の死を乗り越えていて欲しかった、私がいなくても進んでいけるっていう姿勢と未来を見せてよと伝えるシーンがある。
最終巻を読んでこの1話を読み返すと、もしかしたら最初から貴恵が望んでいたのはこんな未来だったのかもしれないと強く思わされた。

このラストにはきっと読む人それぞれ色々な思う所があるだろう。
しかしその思いは大切な誰かがいる全ての人にとってかけがえのない物になる事は間違いないと断言できる。

完結巻発売に合わせアニメ化も発表され非常に楽しみでもある本作。
この春一気読みオススメの傑作だ!

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

 

妻、小学生になる。

全14巻発売中、13巻までレンタル中

著者:村田椰融
出版社:講談社

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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