子どもの頃に観た作品は発見がたくさん!ちょっと怖くて不思議な映画『ジャイアント・ピーチ』

(C)Disney.

│ジャイアント・ピーチ

『そこはどんな夢もかなう街』いま、ジェームスと不思議な仲間たちが旅に出る。

<あらすじ>
9歳の少年ジェームスは、両親を亡くしてから、自分を引き取った2人の叔母にいじめられていた。ある日、ジェームスは謎の老人から緑色に輝く不思議な物をもらい、桃の木にこぼしてしまう。すると、実がならなかった木に桃の実がつき、桃は大きくなった。好奇心と空腹から桃を一かじりすると、ジェームスは桃の中に引き込まれる。桃の中には沢山の愉快な虫の仲間たちがいた。桃はジェームスと彼らを乗せて海を転がり、ニューヨークを目指す。

│ディズニーでも活躍していた監督がつくるファンタジー

この間何日かの夏季休暇を過ごしていた時に、子どもの頃に観ていた作品を久しぶりに観てみようの会を1人で開催をしたところ「最高だ!」と思える作品に改めて出会ったのでご紹介いたします。

1996年に公開された『ジャイアント・ピーチ』はウォルト・ディズニー・ピクチャーズが中心となって製作した作品で、『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』をティム・バートンと一緒に作ったヘンリー・セリックが監督を務めています。
彼は芸術大学を卒業した後に、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズに就職しその時の同僚にティム・バートンがいたのだとか。フリーランスになった後にも、彼との交流があり『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』の製作に至ったということで、さすがディズニーコネクションという感じですね。そしてその3年後、長編2作目として本作の製作が行われました。

原作は『チャーリーとチョコレート工場』や『ファンタスティックMr. FOX』等の児童文学で有名なロアルド・ダールが書いた『おばけ桃の冒険』です。この作者さんは今回挙げている他の作品も全て1970年代に書き上げているらしく、ものすごい才能を感じました。他にも面白そうなタイトルがたくさんで英語の勉強をしながら原作を読んで見ようかなという気持ちになります。

目玉と言ったらなんとこの『ジャイアント・ピーチ』には、ヘンリー・セリック監督繋がりで『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』の主人公ジャックが出てくるのです! 調べてみると公式でカメオ出演ということが認められており、途中で出てくるガイコツ海賊の親玉としてジャックが少しだけ登場しています。この記事のために観直していてびっくり、どちらも子どもの頃に何度も観ていました作品でしたが、今まで全く気づいていませんでした。悪い顔をした悪者のジャックはそれはそれでかっこいいです…! ぜひジャックファンの方にはオススメの作品です。
そして、この監督の作品は長編3作目の『コラライン』へと続くのですが、こちらも以前に記事にまとめていたりと私はヘンリー・セリック監督作品の沼に子どもの頃から知らぬ間に溺れていたのかもしれないですね…。

│巨大な桃に乗って一路、ニューヨークへ!

子どもの頃に観ていた時には気づいていませんでしたが、主人公のジェームスへの扱いがそれはもう酷かったです。仲良しの両親は大きなサイに食べられてしまったという衝撃の理由で、叔母のお家でこき使われる日々。毎朝早朝に起こされて家事をして、なのにご飯も十分にもらえず、唯一の父との思い出のパンフレットもビリビリに破られてしまう始末! そんな毎日でもジェームスは明るく素直ないい子に育っているので、不満も言わずお絵描きをしていつか家族で行こうと言っていたニューヨークに行くことを夢にみます。

仲良しの蜘蛛を虫嫌いの叔母から助けたある日、不思議な老人が家の門のところにいるのを見つけます。その老人から緑色に光る虫のようなものをもらい「これを食べると不思議なことが起こるよ」と渡されます。普通の人であれば「うさんくさ! こんな変なやつ食べるわけないじゃん!」となりそうなところですが、素直なジェームスはあっさりと受け取り大事に運びます。しかし、この運んでいるときに転んでしまってこの緑色の虫をばら撒いてしまい、ほとんどは土の中へ消えてしまいました。しょんぼりするジェームス、するとびっくり転んだ場所の近くにあった木から桃がなり、どんどんと大きくなっていきます。こうして巨大な桃は小さな家よりも大きくなり近所の人の注目を集めることになりました。

またしても叔母たちにいじめられて仕事をさせられる毎日…ある時、ジェームスは珍しくつまみ食いをします。それもなんとこの巨大な桃を! その時に1匹だけ残っていた不思議な緑色の虫が桃にピョンっと入ってしまい、その桃を食べたジェームスはあら不思議、お人形サイズになって桃に入っていける大きさになりました。ここからはストップモーションの世界となって、実写とアニメーションのコラボレーションが生まれます。
この桃の中に入ってみると、自分と同じサイズのムカデやてんとう虫、ミミズ等の虫たちがおしゃべりをしています。どうやらみんなあの緑色の虫の力で大きくなって自分とお話しできるようになっているようです。ここからなんやかんやあり、ニューヨークを目指す冒険に出るわけなのですが、子どもの頃に観ている作品って覚えていないものですね。桃の中でみんなが話しているシーンは覚えているのですが、それ以外の大筋や結末なんて何も覚えていませんでした。しかし、蜘蛛のお姉さんは好きというのは子どもの頃から変わっていないようで安心! 優しくてちょっと悪そうなお姉さん、素敵ですね。

大人になった今は、実写になった時の街並みが舞台美術のような手作り感でちょっとチープな背景がとてもかわいいな〜と思ったり、注目する所も少し広がったような気がします。皆さんも子どもの頃にはよく観ていたけれど、最近は観ていないような作品はありませんか? いま観てみるとそれまでとは違った発見があるかもしれません! この作品に限らず、そんな作品を観直すきっかけとなれたら嬉しいです。


ジャイアント・ピーチ

製作年:1996年
監督:ヘンリー・セリック
出演:ポール・テリー、ジョアンナ・ラムレイ、ミリアム・マーゴリーズ、ピート・ポスルスウェイト ほか

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【Editor】septmersfilms

三度の飯よりホラー好き。ホラーがないと夏が始まらないと思っている。たまにおしゃれ映画・アニメーションも嗜むが、基本的にゾンビ映画をみることで心を癒している。Twitterでは映画以外にも本業のマーケティング関連記事もつぶやきます! ぜひチェックしてください!

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