泊まった人は全員死ぬ、曰くつきのホテルをホラー作家が大調査! 映画『1408号室』

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│1408号室

泊まった者は必ず自殺する…なぜ?チェックアウト不能のノンストップパニックスリラー

心霊ルポの執筆者として知られるが、自身は超常現象に懐疑的なオカルト作家マイク・エンズリン。彼の元へ、ニューヨークにある「ドルフィン・ホテル」の葉書が届く。差出人不明のそれには一言だけ「1408号室には入るな」と書かれていた。興味をそそられたエンズリンは調査を開始、過去に同室を利用した宿泊客56人が全て不審死や自然死をしていることを知る。次作の舞台をこのホテルに決め、支配人オリンが止めるのも聞かずに1408号室へ足を踏み入れたエンズリンを、恐ろしい現象が襲う。

│ホテルの一室で起こるホラー

夏です! ホラーです! ということで、今週も先週に引き続き変わり種ホラーをおススメしてまいります!
今回は2007年にアメリカで製作された『1408号室』という作品です。これはホラー映画の代表、スティーヴン・キングが原作を書いている作品で「変わり種ホラー」なんて申し上げましたが、今回も王道ホラー要素満点でした。ただその設定や演出がとても変わっていたのでそちらをご紹介できればと思います。

スティーヴン・キングといえば『IT/イット』や『シャイニング』、『キャリー』等の作品が有名ですね。あまり普段からホラー映画を観ない人でも聞いたことのある作品なのではないでしょうか。数多くの名作を生み出す原作者です。『1408号室』はニューヨークのとあるホテルで起こる不思議現象にフォーカスを当てた密室ホラー作品で、作品のほとんどの時間が主演であるジョン・キューザックが1人で映されています。
ジョン演じるマイクは心霊スポットに行ってその様子を本にまとめるルポライター。噂になっている場所に行っては「こんな現象が起こった」「こんな場所でこんな雰囲気」というようなことを詳細に録音機に吹き込みます。それを元に後日体験記をまとめて出版する…という手法をとっているようです。
ある日届いたファンレターを読んでいると、ホテルのポストカードに「1408号室に泊まるな」というメッセージだけのカードが出てきました。調べてみると何やらここも曰く付きのようです…!心霊ルポライターの血が騒ぐのか、マイクは早速ホテルに電話をして予約を取ろうとします。
「もしもし、部屋の予約をしたいんだが」
「かしこまりました」
「部屋は1408号室に泊まりたい」
「…申し訳ございません、満室でございます」
「…まだ日付を言ってないんだけど?」
こんな具合でまともに取り合ってくれず。こうなってはマイクも気になって仕方ありません、強行突破でホテルに直接向かいます。
ホテルに向かうと支配人のいる個室に通され、どうにか泊まらないように説得されるマイクでしたが誰も彼を止めることはできませんでした…。

│何かいる…? 姿が見えない存在の恐怖

「この部屋に泊まると必ず全員死ぬ」ということで、もう死体を片付けるのが嫌だから泊まるなという支配人。(だんだんめんどくさくなってきたのか、お客様の安全のため…とかではなく片付けがやだと言い出すという…!)そんなことはやってみなきゃ分からないからということで、無理やり泊まることになったマイク。ここからはこの謎の部屋、1408号室で起こる怪奇現象に迫っていきます!
このホテルの雰囲気や全体的に夢のようにふわふわした演出は、スティーヴン・キングの別作品である『シャイニング』っぽさを感じました。こういう綺麗な場所なんだけどどこか不気味…という設定がとても魅力ですね。
その他にも別監督作品ではありますが、クリストファー・ノーラン監督の『インセプション』のように現実と夢の重なり合いで気持ち悪くなるような設定や、かと思えば『ナルニア』シリーズのようなファンシー演出もあったりと盛りだくさん。音でびっくりさせたり、幽霊が出たりという怖さではなくずっと鏡を見ていると不安になるような摩訶不思議な感覚にさいなまれていきます。

スティーヴン・キング原作の作品では、最近は『ペットセメタリー』も鑑賞しました。
こちらもシチュエーションの設定がうまく、土地のルールを絡めてペットの猫ちゃんとのあれやこれやを描いています。1408号室もそうですが、ババーンと幽霊が出るわけでもないのに設定ですでに怖いなんてさすがです。(チャーチという役名の猫ちゃんアクターがとってもかわいいので猫好きな人はこちらもぜひ!)

何者かの姿が見えるわけではなく、いつの間にかそっと隣にいるようなそんなゾクっとさがある作品です。
ワンシチュエーションホラーですが、それを感じさせないほどコロコロと変わる舞台にぜひ注目してご覧ください!


1408号室

製作年:2007年
監督:ミカエル・ハフストローム
出演:ジョン・キューザック、サミュエル・L・ジャクソン、メアリー・マコーマック、トニー・シャローブ ほか

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【Editor】septmersfilms

三度の飯よりホラー好き。ホラーがないと夏が始まらないと思っている。たまにおしゃれ映画・アニメーションも嗜むが、基本的にゾンビ映画をみることで心を癒している。Twitterでは映画以外にも本業のマーケティング関連記事もつぶやきます! ぜひチェックしてください!

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