ショートストーリーで楽しめるホラー!奇妙な映画館に集まる事件とは…映画『マスターズ・オブ・ホラー』

(C) 2018 Nightmare Cinema Productions, LLC

│マスターズ・オブ・ホラー

恐怖の頂点を味わえ。

<あらすじ>
ある日、サマンサが街を歩いていると、ひとけのない映画館が目の前に現れた。中に 入ると客席は無人だった。
席に座ると、突然スクリーンに映像が流れ始める。
そこには何かに追われ、屍で埋め尽くされた森の中を走る、血だらけの自分自身がいた…。
一方、その頃、ベネディクト神父も、ふと目にした映画館へと導かれていた。
そこで教会の屋根から少年が飛び降り自殺をする映像を目にする。
そして、神父にさらなる恐怖が襲いかかる…。
閑散とした魅惑のホーンテッドシアターが映し出す狂気の沙汰の数々。
それらは妖しげに繋がり壮絶な“血の歴史”が紐解かれる…。

│一癖あるホラーオムニバス

巷ではショートムービーを紹介するアカウントがバズっていたりとプチブーム?にもなっているショートムービー。映画ほど長い作品は観る時間がない!いろんな作品をたくさん観たい!という方にはちょうどいいですよね。そんな方にオススメしたいのはひとつの映画でたくさんのお話が入ってるオムニバス映画です!

オムニバス作品とは、いくつかのバラバラな物語をひとつにまとめたもので共通するテーマだったり場所だったりで全体をまとめて作るのが特徴です。

今回はいろんなホラー作品を一気に観たいという方にオススメの作品『マスターズ・オブ・ホラー』をご紹介いたします!今作はなんと監督までバラバラなホラー作品を5つまとめた作品で不思議な映画館に最終的に集まってくる…という部分が共通しているストーリーです。1つずつ簡単にどんなお話なのかをまとめていきたいと思います。

▼森の中の物体X

彼氏と喧嘩した様子のサマンサは夜の街を歩いていました。すると、ピカピカと光る映画館が目に止まります。上映タイトルには『The thing in the woods』、気になったサマンサはチケット売り場に近づくと無人のはずなのにチケットだけパッと出てきました。それを受け取ったサマンサは映画館へ入場し、スクリーンをみていると作品が始まります(無人の空間から出てきたチケットで映画を観る根性がすごいことにはつっこまない)。するとスクリーンには血だらけのサマンサ自身の姿が!どういうこと…?と注目すると物語はスクリーンの中のお話へ移っていきます。

殺人鬼に追われるサマンサ、数々の死体を乗り越えて逃げる~!というハラハラサイコ展開かと思いきや、殺人鬼だと思っていたのは救世主だった?実はこの世は乗っ取られていた?急展開に目が離せません。

▼ミラリ

ラブラブな彼氏がいるアナは、二人きりになれる場所を探してまたピカピカと電光掲示板が光る映画館へ…忍び込んで話していると急に映画が始まります。スクリーンには顔の傷を気にして女子トイレでもじもじしている自分の姿が。アナは小さいときに事故でできてしまった顔の傷を気にして、彼氏からの外見に対するほめ言葉も否定してしまうような自信のない性格になってしまいました。それを気にした彼氏は「アナが自信を持てるなら整形してみるのもいいと思うよ、母親の知り合いのいいクリニックがあるから行ってみなよ。」と提案。勧められるままにアナは受診してみることにしました。

最初はとまどっていたアナですが、傷跡は簡単に消せるよという言葉に嬉しくなり長年悩んでいた傷がなくなら…と整形することを決意。「せっかくなら鼻など気になる部分も一緒に直しませんか?」という提案も受け入れて、全体的な顔の整形をすることとなります。希望と不安が混じりながらも手術を終え、彼氏がお見舞いに来てくれて安心したアナは眠ります。ところが、顔にぐるぐる巻きの包帯と術後に残った麻酔に気分が悪い中で、鏡を見せてもらえない、安静にしての一点張りに不安になったアナは病室を抜け出し看護士がみるカルテをのぞき込むとそこには…?

▼マシット

続く物語の主人公、ベネディクトは神父でした。スクリーンに映る自身の姿は修道院で子どもたちと一緒に暮らす日々を過ごしていました。ある時、子どもたちの中で一人の様子がおかしくなり教会の屋根に上って飛び降りてしまうという事故がありました。目の前で事故を見てしまった女の子を気にしつつも、シスターと神父たちはいつも通り過ごしています。するとどうやら、あの事故は悪魔の仕業でこの教会にいる人間が狙われている…?ということを突き止めます(教会あるあるですね)。

気づいた時にはもう遅い、周りは悪魔に取りつかれた子どもたちに囲まれ万事休す!一体誰が悪魔の招待なのか?どうやったら鎮めることができるのか?

なんとこの作品は北村龍平さんという日本人の監督が制作をしております。異色の設定とラストの血しぶき飛び交うバトルシーンには注目です。

▼出口はこちら

病院の待合室にいるヘレンは息子二人と順番が来るのを待っていました。しかし待っても待っても「しばらくお待ちください」しか言われず、あと数分ですと言われてから1時間が経っていました。このストーリーは開始早々から、病院の中が血まみれだったり受付の人の顔が歪んできたりしていてなにやら異様な世界が広がっています。やっと診察室に呼ばれても先生との話が噛み合いません。気づけば息子たちがいなくなり受付の人や清掃作業をする人(のような人ではあるが、見た目はほぼ怪物)に「息子たちを見ませんでしたか?」と聞いても見ていないしか答えず、ここでも話が噛み合いません。異常な世界の中を進むヘレンの前に、すりガラスのドアがあらわれ、先ほどの先生と息子たちが話している様子が見えました。ホッとしたヘレンが近づいていくと「僕たちのことを息子だと思っている」「早く死んでほしい」というような会話が聞こえてきます。一体どういうことなのか?この世界は何なのか?

今作の5つの作品の中でもかなり異質なこの作品が、私は一番のお気に入りです。夢にみそうな悪夢感と、オチの気味悪さから考えられる考察は多くの口コミでも語られているので鑑賞後気になった方はぜひ調べてみてください。

▼死

ピアノが上手なライリーが映画館の舞台に置いてあるピアノを弾くと、スクリーンに映画が映し出されます。ピアノの発表会で真剣に弾くライリーと、その姿を見守る母親の姿。少し遅れて父親も会場に到着し、ライリーの発表を見守ります。「遅刻だよ」と妻に言われるが「来たんだしいいでしょ」という夫。父と母の姿をみてライリーも嬉しそう。

帰りの車の中でも「誰の曲を弾いてたんだ」「僕が作った曲だよ」「アメリカ人にしてはうまいじゃないか!」「忙しい中来てくれてありがとね」というほっこりするやり取り。このまま素敵なドラマをみていたいところですが、家族仲良しな時間が続くことはなくなんと暴漢が車に潜んでいて、座席後ろから息子に銃を突きつけ「車から出ろ!」と脅し始めます。言うことに従う両親ですがあえなく射殺され、残るはライリーのみ。必死に逃げますが重傷を負い病院に運ばれて行きました。幸いにも一命をとりとめたライリーですが、臨死体験を通して死んでしまった人が見える能力をゲットしてしまいます。病院という場所だけあって入院中にいろんな幽霊をみて混乱するライリー。母親の姿も見えますがどうも様子がおかしい…?さらに病室にはあの暴漢の姿が!襲われるライリーは最後にどうなってしまうのか?

5つの物語がつながる無人の映画館で起こっていることが、少しずつ明らかになっていき終盤ではその謎も明かされます。物語それぞれが全く別ジャンルであるためかなり見応えがありますが、ひとつひとつの作品は長くないので空いた時間に少しずつ観るというのもできるかと思います。忙しい合間にぜひ、ご鑑賞ください!


マスターズ・オブ・ホラー

製作年:2018年
監督:ジョー・ダンテ、デヴィッド・スレイド、北村龍平、アレハンドロ・ブルゲス、ミック・ギャリス
出演:ミッキー・ローク、リチャード・チェンバレン、アダム・ゴドリー ほか

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【Editor】septmersfilms

三度の飯よりホラー好き。ホラーがないと夏が始まらないと思っている。たまにおしゃれ映画・アニメーションも嗜むが、基本的にゾンビ映画をみることで心を癒している。Twitterでは映画以外にも本業のマーケティング関連記事もつぶやきます! ぜひチェックしてください!

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