死神と人間の恋? 美しい映像と豪華なキャストが織りなす不思議なラブストーリー…映画『ジョー・ブラックをよろしく』

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│ジョー・ブラックをよろしく

たとえどんなに遠い世界の人でも…きっといつか…

<あらすじ>
ブラッド・ピットが地上に降り立ち人間の女性との恋に落ちる死神に扮したロマンティックなファンタジー。事故死した青年の姿を借りて、一人の死神がマンハッタンに現れた。ジョー・ブラックと名乗るその人物は大富豪パリッシュの元を訪れる。彼の死期が近いためであった。だがパリッシュが天命を全うするまでにはまだ少しの時間が残されている。死神ことジョー・ブラックはそれまでの短い間を休暇とし、パリッシュの案内で人間界の見学を始めた。しかしパリッシュの娘スーザンはジョーの姿に驚く。彼の姿は先日出会った魅力的な男性その人であったのだ。そしてジョーもスーザンの好意を気にかけるようになっていく……。

│死神が題材でもほっこりする名作

どんどんと肌寒くなってきて、ハロウィーンも終わらないのにクリスマス作品の宣伝が始まっていますね。寒くなってくるとドラマやラブストーリーのような、人間関係をメインにしたほっこりする作品が観たくなってくるのは私だけでしょうか。特に秋冬の雨の日には温かいドリンクと一緒に心温まる作品がぴったりだと思います。

今回ご紹介するのは、「死神」が登場しますがホラーではなくドラマジャンルの『ジョー・ブラックをよろしく』です。ブラッド・ピットファンの中では有名な作品かもしれませんが、改めて魅力を伝えさせてください!

1998年に制作された今作は上映時間が181分=約3時間というかなりの長さがありますが、それを一瞬に感じさせるほど飽きさせない展開が続きます。『タイタニック』のような長いけれども観ちゃう!という魅力に似ていますね。

パリッシュコミュニケーションという会社の社長をしているビルは、ある夜に眠りから覚めると「イエス……」とだけいう不思議な幻聴を聞きます。その日はそのまま無視して寝過ごしますが、後日仕事をしていてもまた「イエス……」と聞こえてきます。「何か聞こえたか?」と言っても誰も聞こえていないし、空耳だったのか冗談まじりにごまかして終わりますが、その後1人になった時に突然胸の痛みが襲います。なんだこれは、死ぬのか? 心の中で問いただすと「イエス……」と聞こえました。この声は最近の自分の体調不良の際によぎっていた「自分は死期が近いのか?」という問いに対する答えだったのです。では誰がこんなことを?声は「今日の夜会いに行くから待ってろ」とだけ残してまた消えてしまいました。その夜、家族みんなで集まってご飯を食べていると「玄関に着いたから開けろ」という声が聞こえます。お手伝いさんにお願いして別の部屋へ案内してもらい、会いに行くとそこには1人の男が立っていました。

一方で、ビルの娘スーザンは医者をするバリキャリウーマン。父ビルの会社で次期リーダーと言われている敏腕社員ドリューと付き合っています。このまま結婚するんだろうな…なんの疑いもなくスーザンは自分の未来を考えていました。ある時、病院の近くのカフェでコーヒーを飲んでいると大声で電話で話す青年が。「なんだこの人…」という感じで迷惑そうにするスーザンですが、その後なんやかんや話すうちに打ち解け何やらいい雰囲気に。付き合っているドリューには感じられない稲妻のような刺激がこの青年にはありました。特に連絡先を交換するでもなく、お互い相手を気になっている様子なのにモジモジして終わってしまった2人は後ろ髪引かれながら別の道を歩いていきました。

その日の夜にスーザンが実家に帰って家族でご飯を食べていると、なんと今朝方カフェで会ったあの青年が家を訪ねてきたではありませんか!しかもなんと父親の知り合いのようで何やら親しげな様子。ドリューを前に気まずい気持ちもありながらも「あら!今朝会ったわよね? 偶然ね〜」と話しかけてみますが、リアクションが薄くまるで別人のよう。

今朝楽しく話したはずなのに、というかなんでこの家にいるの?父親とどういう関係?スーザンの謎は次第に明かされていきます。

│豪華キャストとパーティーシーンは必見です!

心温まる死神の作品というと、私が思い浮かぶのは作家・知念実希人の小説「優しい死神の飼い方」です。死神が犬の姿になって人間界にいるという話なのですが、今回は死神が人間の姿になって現れます。「死」とか「死神」が題材というと、怖かったり幽霊が出たりするイメージですが今作は真逆。最後には胸が熱くなるようなドラマがありました。

見所の1つとして、多くの人が挙げるのが若い頃のブラピが見られる! ということでしょうか。金髪で短髪の爽やかイケメンなブラピは、最近のダンディーな魅力とは違ったかっこよさがあります。最近では『アド・アストラ』や「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」など事実に基づくドラマ作品が多いですが、この時代はラブも多めなロマンティックなものに出ていたんですね。

合わせてチェックしたいのがアンソニー・ホプキンスですね。『羊たちの沈黙』や『ハンニバル』のレクター博士役の役者さんと言ったら分かる方も多いかもしれません。最高のサイコパス役としてレクターを演じていた彼が、今回は大企業の社長で娘が2人いる父親役でした。常人の役をしているけどどこか怖いのは気のせいでしょうか、ただ立っているだけで存在感抜群です。

そして全編を通してかなりお金がかかっているであろうシーンが多く、観ていてゴージャスな気分になります。笑

社長一族の生活なのでご飯もメイド付きで豪華、移動もヘリコプター、家にはプールがついています。仕事終わりに泳ぎに来て家に帰るというスーザン、なんとファビュラスなんでしょう。

終盤に行われるビルの65歳のバースデーパーティーは『華麗なるギャツビー』の盛大なパーティーシーンと重なるほどの豪華さでした。花火も上がり、首相も参加し、庭一面がパーティー会場となった様子は必見です。序盤からずっとお姉ちゃんのアリソンが準備を頑張ってましたからね。こんなに素敵なパーティーを仕切っていてかっこいいです。

90分や2時間くらいのよくある映画と違い、かなり長尺ではありますが秋の夜長にぴったりなのではないでしょうか。寒くなってきた気候に合わせて温かい気持ちになれる作品を今回はご紹介いたしました!


ジョー・ブラックをよろしく

製作年:1998年
監督:マーティン・ブレスト
出演:ブラッド・ピット、アンソニー・ホプキンス、クレア・フォーラニ、マーシャ・ゲイ・ハーデン ほか

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【Editor】septmersfilms

三度の飯よりホラー好き。ホラーがないと夏が始まらないと思っている。たまにおしゃれ映画・アニメーションも嗜むが、基本的にゾンビ映画をみることで心を癒している。Twitterでは映画以外にも本業のマーケティング関連記事もつぶやきます! ぜひチェックしてください!

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