モヤモヤした気持ちが晴れる、性別年代の違う様々な友情が描かれた映画『青葉家のテーブル』

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│青葉家のテーブル

なりたい私と、なりたかった私。

<あらすじ>
シングルマザーの春⼦(西田尚美)と、その息⼦のリク(寄川歌太)、春⼦の飲み友達めいこ(久保陽⾹)と、その彼⽒で小説家のソラオ(忍成修吾)という一風変わった4人で共同生活をしている青葉家。夏のある日、春子の旧友の娘(栗林藍希)が美術予備校の夏季講習に通うため、青葉家へ居候しにやって来た。そんな優子の母・知世(市川実和子)は、ちょっとした”有名人”。知世とは20年来の友人である春子だが、どうしようもなく気まずい過去があり…。

│珍しい関係性の青葉家

連日30℃を超える天気ですが、皆さんお変わりないでしょうか! 8月を前にもう本格的な夏を感じますよね。きっと夏になるとホラー映画をよりたくさん観てご紹介する作品もそういったジャンルになっていきそうだな〜という自分を予想して、今のうちにホラーではないオススメの作品について記事にしていきたいと思います。笑

以前よりもおうち時間が増えたここ2年くらいで、新しく発見した『北欧、暮らしの道具店』というサービスから生まれたスクリーンデビュー作品『青葉家のテーブル』を今回はご紹介いたします!
きっとYouTubeなどの動画をご覧になったことがある方も少なくないのではないでしょうか。主に雑貨の販売やコラム記事の配信を行なっている『北欧、暮らしの道具店』はおしゃれな生活スタイルを発信するクラシコムという会社が運営しています。
日常をちょっと楽しくできるような雑貨であったり、レシピであったりを紹介していて私も料理動画をみながら数々のご飯を作っていました。シンプルでおいしい、そしてちょっとおしゃれというものが多くいつも助かっています…!
そんな動画や記事を飛び出して1つの映画作品として誕生したのが、この作品で青葉さんのお家で暮らすメンバーを中心に日常のあれこれを描いています。

青葉さんの家には家主である青葉春子さんとその息子のリクくん、そして春子さんのお友達のめいこさんとその恋人のソラオさん、という不思議な4人が暮らしています。4人はとても仲が良く、お料理が上手な春子さんが作るご飯をみんな揃ってテーブルについて食べるのが日課です。
ある日、春子さんの学生時代のお友達である知世さんの娘、優子ちゃんが2週間だけ青葉家にホームステイをすることに。なんでも美術系大学の受験に向けて予備校に参加するためなんだとか。

この映画ではその2週間の間に17歳の高校生、優子ちゃんがいろんな出会いを通して成長する様子を描いています。

│なんでもいいからまずは形にする大切さ

鑑賞前は「雑貨屋さんが作る映画だし、おしゃれで雰囲気だけなのでは?」と思っていたのですが、いざ観終わってみるといつまでも心に残る内容で、期待を裏切る結果となりました。
おしゃれでユニーク、業界でも成功している母親の存在がプレッシャーとなり、娘の優子ちゃんは自由に自分を表現することに抵抗感を持ってしまっているというもので「『北欧、暮らしの雑貨店』がこのストーリーを作る」という皮肉のようなものを感じました。これだけおしゃれな動画や記事を配信して、様々な成功している人を紹介しているにも関わらず、「おしゃれな人も実は普通の人なんだよ」と言われたような感覚です。そんな「人間っぽい部分」「実はみんな迷っている最中」というようなところを知ることができてなんだかとっても嬉しくなりました。

優子ちゃんの他にも、同年代の高校生キャラクターが登場するのですが、彼らが抱えている問題も「あぁ…こんなことに悩んでいる時あったな…」と過去の自分を振り返って心がちょっとキュッとなりました。周りの友達よりも自分が優れているような気がして、ちょっと大人の世界に入り込んだだけで全部を知った気になって。この年代特有の全能感がうまく映像に落とし込まれていてしみじみ。

全体の雰囲気としてはふんわりとした、優しい人たちみんなでニコニコがテーマ! という感じなのですが、出てくるキャラクターの持っている悩みや心情描写はびっくりするほどリアルで、観終わった後も「自分ならどうするかな」なんて考えてしまうほどでした。
邦画でいうと『かもめ食堂』や『めがね』が好きな人は好きな雰囲気ですね、洋画ですと『パターソン』のような日常系ジャンルといったイメージです。

大きな事件があるわけでもなく、劇的に何かが変わると言うことはありませんが観る前よりもちょっと大人になれるような、自分の好きなことをしたくなるような作品です。
最近自分の時間を確保できていないなという人は、ぜひこの作品を観て好きなことをちょっとだけでもやってみるのはどうでしょうか。インプットばかりでアウトプットをしないのはもったいない!そう思える一作です。


青葉家のテーブル

製作年:2021年
監督:松本壮史
出演:西田尚美、市川実和子、栗林藍希、寄川歌太、忍成修吾 ほか

各種サイトでデジタル配信中

septmersfilms

【Editor】septmersfilms

三度の飯よりホラー好き。ホラーがないと夏が始まらないと思っている。たまにおしゃれ映画・アニメーションも嗜むが、基本的にゾンビ映画をみることで心を癒している。Twitterでは映画以外にも本業のマーケティング関連記事もつぶやきます! ぜひチェックしてください!

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