冷たいあの人は宇宙人!? いつのまにか地球を侵略されているかも…映画『インベーション』
│インベーション
ある朝突然、あなたの家族が、別人になっている。＜あらすじ＞
ある日、原因不明のスペースシャトル墜落事故が発生する。空中分解を起こしたシャトルの破片には、宇宙から飛来した未知のウイルスが付着しており、世界中で謎の感染症を引き起こす。ウイルスに感染すると、REM睡眠中に分泌されるホルモンをきっかけにして、人間らしい感情を失った別の何者かに変貌してしまうのだ。周りの親しい者までもが次々と感染し発症していく中で、主人公キャロルは睡魔と闘いながら、解決の鍵を握る息子を探しに行く。
│宇宙からの侵略は目に見えない
人にとってはインフルエンザ、動物たちにとっても口蹄疫のような悪さをするウイルスは地球上にたくさんありますよね。私もこれまでに2回ほどインフルエンザにかかりましたが、中学生くらいの頃にかかった時には高熱で頭は熱いのに体は氷水に入っているくらい寒くて、不思議な感覚だなと思ったことがあります。しかしこうした恐ろしいウイルスは地球上だけではなく、宇宙からもやってくるかもしれないのです……！
始まりはスペースシャトルの墜落から。何かの理由で落ちてきてしまった機体は成層圏でバラバラになり世界中に散らばってしまいます。破片を調べる関係者たちは謎のウイルスの付着を確認し、大至急研究を進めます。しかしこんなこととはつゆ知らず、民間では家に落ちてきた破片を触ってウイルスに感染してしまう人が増えてしまっています。大体こういう宇宙パニックものの最初は、落ちてきたものに不用意に近づく人がいることによって感染が広まってしまうことがほとんどなので皆さんは自宅の後ろに隕石が落ちてきても近づいちゃダメですよ！
さて、この物語の主人公は精神科医をしているキャロルさん。夫とは既に離婚していて、息子1人を育てるお母さんです。主に患者さんと会話をしながら診察をする仕事をしているのですが、「最近夫の様子がおかしくなった」という人が来て変だな〜と思っています。なぜならちょうど今朝キャロルも別れた夫から突然「昔住んでいた家に戻ったよ、今度息子に会いたい」と連絡があったからです。
その日はハロウィーンの夜で、子どもたちはお菓子集めに出かけます。子どもたちが隣人の家にピンポンしていると、犬を飼っているお家の犬が急に獰猛になり1人の子どもを襲ってしまいます。怪我をしたと思ってすぐに家に戻りますが幸いにも無傷。ホッとしてママ友とお話ししているとキャロルの息子が叫び出しました。息子を見るとシリコンのような薄い膜が手に付いているのを見つけます。キャロルはそれをジップロックに入れて友達のベンという医者に見せて調べてもらうことにしました。
数日が経ちキャロルは不安に思いつつも息子が納得しているので、夫の元に息子を送り届けることにしました。車で送っている道中、突然女性が「やつらが来る！」と言いながら飛び出してきて危うく轢いてしまいそうになります。その女性が他の車の前にも飛び出すと勢いよく車が突っ込んで女性が突き飛ばされる交通事故を目撃。その事故自体も謎ですし、目撃者なのに名前も聞かない、必要があればナンバープレートから調べて連絡するから今は帰れという警官も不自然で変な感じ。何かおかしなことが起こっている……？ と思っていると、先日のシリコン状のものが新型のウイルスで感染力も生命力も強く、感染した人が眠ることで発症し、感染者が出す唾液などから広がっていることが分かりました。元旦那に預けている息子は無事なのか！ 自分もいつ感染するか分からない中、母親であるキャロルは息子を探して戦いを始めます。
│感情的になっちゃダメ、無表情で戦うママ
この作品の特徴的なところはウイルスに感染すると人々は感情をなくして無表情になり、感染を拡大するための行動を最優先にして動くというものです。さらに感染して症状が発生する条件が眠ること、というなんともいやらしいウイルスですよね。人間にとって睡眠は生きるために必要なことで、それを逆手にとって眠らせない拷問があるほど。真顔の人々に追いかけ回せれた挙句、眠れないというストレスは計り知れません。
真顔の人たちが突然自分の目の前にいたら？ この映画の見どころシーンはどれも真顔の人たちが出ているカットだと思います。キャロルが家の中で感染した知らない人たちに囲まれるシーンは、いつの間にか周りを囲まれている恐怖と、明らかに様子がおかしい人たちがズンズン迫ってくる不可解さで溢れています。役者さんも頭のおかしくなった雰囲気をここまで出せるのですからさすがプロです。
感情を出してしまうと発症していないことがバレてしまうので、キャロルは無表情に、何が起きても動じずに息子を探します。街の人が捕まってしまい抵抗していてもそこで助けてしまうと息子を探すことができないので我慢です。宇宙生命体とのバトルというとアクションシーンでもありそうなものですが、今作はスニーキングがメインの戦いです。そういった意味では派手な作品ではないので、好き嫌いが分かれてしまうかもしれません。
いかがでしたでしょうか。1時間半ほどの作品ではありますが、始まりの立ち上がりから最後のオチまでハラハラドキドキが詰まった映画となっています。あなたの周りにいる感情がなくて冷たい人は宇宙人かも……？もしくは、異様に犬に懐かれない人も……なんて考えてしまうかもしれません。気になる方はぜひチェックしてみてください！
インベージョン
製作年：2007年
監督：オリヴァー・ヒルシュビーゲル
出演：ニコール・キッドマン、ダニエル・クレイグ、ジェレミー・ノーザム、ジャクソン・ボンド ほか
【Editor】septmersfilms
三度の飯よりホラー好き。ホラーがないと夏が始まらないと思っている。たまにおしゃれ映画・アニメーションも嗜むが、基本的にゾンビ映画をみることで心を癒している。Twitterでは映画以外にも本業のマーケティング関連記事もつぶやきます！ ぜひチェックしてください！