片っ端から魔女を倒して有名な魔女ハンターになったのはあの兄妹だった! 映画『ヘンゼル&グレーテル』

(C) 2013 Paramount Pictures Corporation and Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved. TM, (R) & Copyright (C) 2013 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.

│ヘンゼルとグレーテル

<あらすじ>
両親に捨てられ、森の奥深くの“お菓子の家”に迷い込んだヘンゼルとグレーテル。そこに住む魔女に捕えられたふたりは、すきを見て魔女をかまどに突き落として生還する―─。15年後、大人になった兄妹は魔女ハンターとして賞金稼ぎの日々を送っていた。ある日、子供の誘拐が多発する村から事件の解決を依頼され、黒魔女ミュリエルを追うことになるが、魔女は彼らの出生の秘密を握っていて……。【R-15】

│子どもは見ちゃダメ! 過激すぎるグリム童話

近頃はギレルモ・デル・トロ監督がピノキオの新作を製作したり、ディズニーで人気のラプンツェルなど、昔からある子ども向けの童話を映画で作り直すことが多くなっていますよね。そんな中で、皆さんは「本当は怖いグリム童話」というのを知っていますか?
ドイツのグリム兄弟によってつくられたお話は日本でも親しまれる童話がたくさんあります。そのお話が実は時代とともにマイルドに書き換えられているだけで、元を辿ってみるとかなり残酷な描写の多いお話であったというものです。

もともとは「Grim」という英単語は「見通しの悪い、恐ろしい」という意味もあったりして、作者の名前からして不穏である…と言われていたとか。例えば皆さんご存じの白雪姫は、王子様のキスで毒リンゴの魔法が解けめでたくハッピーエンド! というものですよね。その毒リンゴを渡した魔女はどうなったか覚えていますか? 最近のお話では崖から落ちていたり、ラストには全く出てこなかったりするのですが、原作ではなんと鉄の靴を履いて死ぬまで踊らされていたそうです。死ぬまで踊る…? 死因、踊りすぎ…? なんともむごい死に方ですよね。
他にもプリンセスの王道であるシンデレラ。舞踏会の夜に残されたガラスの靴に合う人が王子様の妃になるのだ! と町中の女子を呼びあつめて履かせたというラストですが、原作ではガラスの靴に足を入れるためにシンデレラは踵を切り落としたとか。王子様の前で血だらけやないかいというツッコミは置いておいてそのくらいの気合いがないと王子の妃にはなれないということですね。根性すごい。

さて、今回ご紹介するのはヘンゼルとグレーテルの物語のその後を描いた作品です。
子ども目線からするとなんと言ってもお菓子でできたお家が魅力的なお話ですよね。しかし、お話の始まりや最後の結末など今大人になって考えてみるとヘンゼルとグレーテルはなかなか大変な環境で育ってるね! と言わざるを得ない設定になっていました。
なぜ2人が森に迷い込んでしまったかというと、遊んでいて迷い込んだとか生半可なものではなく貧乏なお家に生まれた2人は口減らしのために親に森に置いていかれたんですよね。初っ端からひどすぎる。その後はお菓子の家に感動したのも束の間、そこに住んでいる魔女にこきをつかわれ、食べられそうになりながらも魔女を釜に突き落として煮たりして無事脱出するという波瀾万丈な日々を過ごしています。今作ではそんな魔女を倒したことで一躍有名になった兄妹が大人になり魔女ハンターとしていろんな村で活躍する物語です。

│アクションもバリバリにこなす兄妹に成長

お菓子の家の魔女を倒してからというもの、各地で悪さをしていた魔女を次々にやっつけ「魔女ハンター」となった二人。しかし、まだまだ子どもの行方不明事件は絶えることなく村人たちは恐怖に震える日々。ヘンゼルとグレーテルは怪しい場所に行っては魔女がいないか捜索を続けています。
すると北の森にある小屋に魔女発見! またこのビジュアルがかなり気持ち悪いのです…! 肩からツノが生え、顔面は乾燥してカピカピ。目は黄色で鋭く光っています。物理攻撃でナイフを投げたかと思いきや魔法を使って箒に乗って逃げてしまいました。やはり魔女、箒に乗るとめちゃくちゃ速い。
魔法で木を生やして邪魔をしたり、魔女との戦闘はかなりレベルが高そうです。と思えば、後半のシーンではマシンガンを打ちまくる魔女がいたりして魔法を使った方が強いんじゃ…? みたいな場面でも武器を使って戦う姿も見られたりします。魔女との戦いは奥が深いですね。
終盤には魔女が一堂に会するシーンがあるのですがどの魔女もメイクや服装など、ビジュアルがかなり怖いのでこうしたポイントにもぜひ注目してください。

なぜこんなに怖いのか? というと、この監督が撮っている別作品でゾンビものが多いのも関係しているかもしれません。ゾンビ映画好きの中では有名な『処刑山』シリーズの監督なので、今作でもアクションに迫力がありました。ノルウェー出身の監督ということもあり、どこか冷たそうな画面も特徴的です。
また音楽もアクションシーンではロックが流れ、オープニングシーンでは子どもの聖歌隊が歌うちょっとダークな曲が流れたりとシーンによって様々。どの曲もこだわりを感じて怖いシーンはより怖く演出されているのが分かります。

「この物語にはこんな続きがあった!」というカテゴリの中でもアクションあり、ラブシーンありのかなり盛りだくさんな作品になっているのではないでしょうか。梅雨入りして雨の続く日々もこれを見てスカッと気分を晴らしてください!


ヘンゼル&グレーテル

製作年:2013年
監督:トミー・ウィルコラ
出演:ジェレミー・レナー、ジェマ・アータートン、ファムケ・ヤンセン、ピヒラ・ヴィータラ、ピーター・ストーメア ほか

septmersfilms

【Editor】septmersfilms

三度の飯よりホラー好き。ホラーがないと夏が始まらないと思っている。たまにおしゃれ映画・アニメーションも嗜むが、基本的にゾンビ映画をみることで心を癒している。Twitterでは映画以外にも本業のマーケティング関連記事もつぶやきます! ぜひチェックしてください!

Twitter(@septmersfilms)

一覧に戻る