キャベツをムシャムシャ食べるベジタリアンゾンビ!? クスっと笑える韓国発のゾンビ作品…映画『感染家族』

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│感染家族

こんなゾンビ映画観たことない!?

<あらすじ>
田舎の寂れたガソリンスタンドで暮らすパク一家。その日暮らしの彼らは、突然町に現れたゾンビに噛まれた父親マンドクが若返ったのを見て、一攫千金の「ゾンビビジネス」に乗り出す。日和見主義の長男ジュンゴルと妊娠中の妻ナムジュ、口八丁の次男ミンゴル、芯の強い末っ子のヘゴルら、適材適所の運営で依頼人も日々増えていく。一見順調に見えたビジネスだったが、感染者の急増により彼らにもゾンビの手が迫っていた…。

│ゾンビを使って若返りができる?

そういえば最近ゾンビ映画を観ていないな~、元気が出る感じの作品ないかな〜と探していたらちょうどぴったりな作品を見つけました。韓国発のゾンビコメディ映画です!

韓国のゾンビ作品といえば『新感染』シリーズやドラマでも様々なタイトルが出ていたりと、勢いのあるジャンルですよね。韓国のゾンビは動きがめちゃくちゃ早くてリアルで本気で怖くなってしまうものばかりなのですが、今回ご紹介する作品はコメディ。ほっこり笑ってしまうようなシーンも多く、怖いジャンルが苦手な人でも気軽に観られるのではないでしょうか。

余談ですが、ゾンビ映画にはその作品を作った国の個性が出やすいように感じます。もちろんいろんな作品があるので一概に言えないのですが、例えばイギリスの『ショーン・オブ・ザ・デッド』はゾンビ世界になった後に主人公が生き残るという王道ストーリーなのですが随所にイギリスならではのブラックユーモアがあり、他の国では作れないような味を出しています。かと思えばフランス・アイルランド制作のゾンビ映画では泣けるドラマ要素たっぷりの『CURED キュアード』という作品もあり、アメリカの『バイオハザード』シリーズはゴリゴリのアクションムービーになっていますよね。我らが日本で大ヒットしたゾンビ映画といえば『カメラを止めるな!』ですが、あれもすれ違いコントのような独特の雰囲気があって面白いです。どの作品もそれぞれに良さがあって、国も違えばゾンビ世界の捉え方も違うようでとても楽しく観ることができますね。

話が逸れました、今回は『感染家族』のご紹介です!
今作のゾンビ発生原因は製薬会社の不祥事。販売していた薬の副作用で服用した人が仮死状態になってしまうというニュース映像からスタートします。世間がこのニュースで大騒ぎの中、田舎のある村近くでは通りかかった車のタイヤにわざと穴をあけてけん引し、お金をぼったくるという詐欺をしている一家がいました。このひどいやり口の車の修理とガソリンスタンド経営を商いにしているのは長男のジュンゴル。お金の管理をするのは奥さんで妊娠中のナムジュ。詐欺の手伝いをするのはジュンゴルの妹でちょっと無愛想なへゴルです。

ある日、この村に一人の青年ゾンビが迷い込みました。冒頭のニュースで紹介されていた仮死状態になった人が突然変異で攻撃的になってしまったようです。この村にやってきたゾンビもシャーシャーしながら食べ物を探してうろうろしています。ところが、子どもたちは酔っ払いと勘違いして石を投げて遊んだり、犬はブチギレて追いかけまわしたり、ゾンビなのに村人は「なんだあいつ~?」みたいな感じで全く緊張感がありません。たしかに急にゾンビがいてもそんなにすぐに状況処理できないですよね、リアルなリアクションはきっとこうなってしまうのでしょう。

そんな中、一家の父マンドクがゾンビを不審者と勘違いして近づき頭を噛まれてしまいます。「なんだあの野郎!次会ったらオレが噛みついてやる!」とケンカ腰ですが、噛みつかれたのでゾンビウイルスが体内に入ってしまい夜になると熱が出て寝込んでしまうのでした。

ちょうどその日、例の製薬会社に勤めていた次男のミンゴルが無職になり実家に帰宅。謎の酔っ払い?青年に驚きつつもその日は何も起こらずに終了。次の日、寝込んでいた父が何故か元気になり、まさかの若返り!なにやらゾンビに噛まれたせいで若返っているようで、そこに目を付けた一家はゾンビビジネスを始めて「腕を噛まれると若返ります!」と謳って商売を始めるのですが……?

│ゆるく笑える田舎バイオハザード

この作品で思い出されたのが『ウォーム・ボディーズ』という作品です。というのも、一番最初に村に迷い込んでくる青年ゾンビで、後に「チョンビ」と名前が付けられるこの役をチョン・ガラムさんという方が演じています。このイケメンゾンビの存在が、ゾンビと恋に落ちてしまう『ウォーム・ボディーズ』と重なっているように感じました。この俳優さんを別のドラマで以前に観たことがあったのですが、さわやかイケメン役だったので後半になるまでこのチョンビだったとは全く気づきませんでした。途中でチョンビの髪の毛を切るシーンがあるのですがそこからググっとイケメン度が上がるので注目してください!

そしてゾンビに噛まれると村のおじいさんたちが元気になるという謎の設定(笑)。
一家によって若返りゾンビビジネスがスタートしガッポガッポと金儲けをしていましたが、最初から車の修理で詐欺っぽいことをしていたから効率よく金稼ぎができて良かったと言えばそうなのか……?この家族たちの掛け合いもテンポよく、爆笑ではなくクスッと笑えるようなシーンが多くてずっと観ていられそうです。
家族同士が叫んで会話をする場面があるのですが、そこでは口からハングルが飛び出して会話をする演出もあり、とても面白くて印象に残っています。

最後の魅力をお伝えしますと、終盤に花火大会があります。ゾンビ映画で花火大会?何言ってんだ?と思いますよね。どうつながっていくのかぜひ予想しながら観てください!意味がわからなくてきっと笑ってしまうことでしょう。
韓国ゾンビ×コメディの不思議なマッチをお楽しみください!


感染家族

製作年:2019年
監督:イ・ミンジェ
出演:チョン・ジェヨン、キム・ナムギル、オム・ジウォン、イ・スギョン ほか

septmersfilms

【Editor】septmersfilms

三度の飯よりホラー好き。ホラーがないと夏が始まらないと思っている。たまにおしゃれ映画・アニメーションも嗜むが、基本的にゾンビ映画をみることで心を癒している。Twitterでは映画以外にも本業のマーケティング関連記事もつぶやきます! ぜひチェックしてください!

Twitter(@septmersfilms)

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