鳴り響く公衆電話、出てしまったら最後死ぬまで出られない!?…映画『フォーン・ブース』 Tweet (C)2010 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved. │フォーン・ブース 電話を切れば、殺される <あらすじ>スチュワート(スチュー)はいかなる状況も口先一つで乗り切ってきた自称やり手のメディア・コンサルタント。ある日、彼がニューヨークのブロードウェイの電話ボックスから下心で売りだすと約束していた女優志望の女性プラム(パム)との電話を終えたその直後、切ったばかりの電話から呼び出し音が鳴った。思わず受話器を取るスチューに電話の相手はこう言った。「人間て面白いな、誰がかけたのか分からないのに、電話が鳴ったらついつい出てしまう。」と。 │ワンシチュエーション映画といえば? 映画作品といえば世界中を飛び回るスパイ映画であったり、1つの街を舞台にしたドラマ映画であったり…少なくとも一箇所しか出ない映画というのは珍しいですよね。シーンに合わせた場所を背景にすることで状況の変化も楽しめますし、移動することで時間の流れも観る人に伝えることができます。しかしある作品では「1つの場所だけに絞ることでストーリーが面白くなる」という逆説的な演出をしているものもあります。以前にご紹介した『レッド・アイ』では主に飛行機の中でのサスペンスな展開を描いていてとても面白かったのですが、今回はその電話ボックス版とでもいうのでしょうか。突然、街の公衆電話にかかってきた電話に出るといつの間にか事件に巻き込まれていってしまうのでした……。主人公のスチューは映画やレストランなど様々なコンテンツのプロモーションを手掛ける宣伝担当者のような仕事をしており、ひっきりなしに電話をかけて代わる代わるお願いをしたり恩を売ったり取引先へと電話をしていきます。作品の冒頭にナレーションでありましたが、ニューヨーカーは「歩きながら電話をしていることがステータスである」ようで、確かにニューヨークを舞台にしたドラマ作品『セックス・アンド・ザ・シティ』や『ゴシップガール』などでは常に電話をしたりされたりしていて電話をする回数が半端じゃなく多かったのが印象的です。スチューも例に漏れず、常に電話をして忙しそうにしています。しかしその電話の内容を聞いてみるとすごく下世話なことをして、コンサートのチケットを出しにして裏情報を仕入れたり、今度テレビで紹介するからとレストランをタダで利用していたり。部下には無茶振りばかりするのに給料は払っていないような口ぶりで、お世辞にもいい人とは言えない態度をとっていました。さらに彼は、結婚しているにも関わらず自身の宣伝業務を通じて知り合った若手の女優と今度俺が力を入れて売り出すからさ〜という理由で密会しようとする始末。奥さんに着信履歴を見られてバレないように電話ボックスからいつも電話をかけているようです。なんて最低なんだ!今日もいつものように行きつけの電話ボックスに入り、お相手パムへ連絡をします。「この後会える?」と誘ってみますが、「演技の稽古があるからダメよ」と振られてしまいます。仕方なしに電話ボックスを出るスチューですが、直後に公衆電話が鳴り始めました。反射的に電話をとってしまったスチュー、電話口からは「人間て面白いな、誰がかけたのか分からないのに電話が鳴ったらついつい出てしまう。」という謎の声。自分は関係ないからと切ろうとしますが「君にかけているんだよ、スチュー」と言われ「え、なんで名前知ってるの?なんでかけてきたの?」と聞いているうちに、あれよあれよと電話が切れない状態に。「電話を切ったら殺す」と、遠くからスナイパーライフルで狙われた状態からスチューは逃げ出すことはできるのか……? │90分ほぼ同じ場所なのに飽きない! 公衆電話にかかってきた電話に出ただけで、動いたら殺されるという異常事態に巻き込まれたスチュー。電話ボックスを使いたい他の人や、警察など追加の登場人物が出ることで場面はなんとなく変化しますが、基本的に作中にはスチューと電話の謎の人物の2人だけ。場所も変わらず途中でだれてしまいそうな設定ですが、最後にうまくまとまってあっという間に終わってしまいます。多く語ってしまうとネタバレになってしまうので、今回は撮影の裏側や俳優さんのお話を中心に。主演のコリン・ファレルさんのインタビューによると、この映画はなんと11日で撮影されたのだとか。通常の映画であれば最低でも1ヶ月はかかるところですが、さらにその3分の1という短い期間で撮影されたのはこの作品がたった数時間の事件をテーマにしているからなのでしょうか。確かに何日もかけてしまうとその日のテンションで演技が変わってしまいそうで難しいですよね。ほぼ撮り直しなし、編集なしの一発撮りだからこそあの緊迫した雰囲気を保っていたのかもしれません。若かりしコリン・ファレルさんが出てくるというところもこの映画のポイントです。今となっては『マイノリティ・リポート』や『ファンタスティック・ビースト』、最近では『バットマン』に出演するなど、大活躍の俳優さんですがこの時の彼はまだ26歳。見た目も若々しく今のダンディな魅力とは違ったかっこよさがあります。物語の本筋としては「悪いことをしたらちゃんと返ってくるからみんな気をつけなさい」という人生教訓のようなメッセージ性がありました。人に当たり散らしたり、浮気したり…そういったことをするとバチが当たるぞということを暗に示したい時はこの映画をオススメするといいかもしれませんよ!笑 フォーン・ブース 製作年:2002年監督:ジョエル・シューマカー出演:コリン・ファレル、キーファー・サザーランド、ラダ・ミッチェル、フォレスト・ウィテカー ほか 商品検索 商品検索 作品詳細 【Editor】septmersfilms 三度の飯よりホラー好き。ホラーがないと夏が始まらないと思っている。たまにおしゃれ映画・アニメーションも嗜むが、基本的にゾンビ映画をみることで心を癒している。Twitterでは映画以外にも本業のマーケティング関連記事もつぶやきます! ぜひチェックしてください! Twitter(@septmersfilms)