新しいゾンビの登場でゆるすぎるスプラッター作品が誕生! …映画『ファイナル・デッド・ツアー』

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│ファイナル・デッド・ツアー

グロいのになぜか笑える!笑えるのにやっぱりグロい!

<あらすじ>
ジュディ、マックス、メルの3人は売れないパンクバンド。ある日、小さなツアーに空きを見つけた3人は思い切って仕事を辞め、ツアーに出ることを決意する。しかしその出発直前、借金のカタに車を差し押さえられてしまう。途方に暮れる彼らだったが、見た目は怖いが人当たりの優しいおじさんペックが現れ、運転手としてツアーに参加してくれることに。ところが、ペックにはとんでもない秘密があった…。ひとつ目のライブが無事終わり、次の会場に出発するタイミングになるが車に戻ってこないペックを探して、ジュディが会場を探し回ると、なんとそこにはライブ関係者を食べるペックの姿が。驚きながらもなぜかペックを許してしまうメンバーたちと、絶対にもう人は食べないと約束するペック。だがその約束が守られるはずもなく…。グロいのになぜか笑える。笑えるけどやっぱりグロい!ヘンテコなメンバーが織りなすスプラッターコメディの決定版!

│新しいゾンビは変身型!

以前の記事で紹介した『感染家族』の影響でゾンビ映画が無性に観たい! という衝動に駆られていいゾンビ映画はないか〜と探し始めました。そこで見つけたのが今回ご紹介する『ファイナル・デッド・ツアー』というアメリカで制作された作品です!これはキャッチコピーにもある通り、スプラッター要素がありグロテスクなシーンも多々あるのですが、その反面クスッと笑ってしまうようなコメディもしっかりありそのバランスが絶妙でした。

主人公はジュディ、メル、マックスの3人。スリーピースバンドを組むメンバーですがこれが全くの鳴かず飛ばずで人気が出ません。バイトで食い繋ぎながらライブスタジオに呼んでもらえる日を夢にみていました。

ある日、思い立った3人はバイトを辞めて、各地のスタジオを行脚するセルフツアーを敢行することを決意。しかし出発しようとしたその矢先、ジュディの借金が原因で車を差し押さえられてしまい(目の前で業者に持って行かれる無情さ、世知辛いですね)楽器や機材を積んでこの車で移動しようとしていたのですが、移動手段を無くしてしまうのでした。

しかしもうスタジオには出演を申し込んでいるので行かないわけにはいきません。周りに停まっている車に片っ端から「この車貸してもらえないですか?」というチラシを挟んで回ることにしました。こんなので車が手に入るわけないじゃん……半ば諦めていたところ「このチラシを挟んだのはお前らか?」とコワモテの男性から話しかけられます。「あ、はい、そうなんですけど、車貸してもらえるんですか……?」「いや、無理だ、俺はこの車で寝泊まりしてるからな。」

じゃあなんで話しかけたんだよ、と思っていると「車は貸せないが俺が運転手をやってやるからガス代やら手当やらをくれないか」と逆オファー。車が手に入るならと若干嫌ではありつつも了承し、4人組になった一同は早速1つ目のスタジオに向けて出発進行!道中この男性はペッカーヘッド(変人)と名乗ったことからペックさんと呼ぶことにします。

無事スタジオに到着するも、係の人の態度が最悪。対バン予定だった相手にもドタキャンされ急に3人だけで2時間持たせろと無茶振りをされてしまいます。極め付けに払われた出演料はなんと1人1ドル。こんなんじゃご飯も買えないしペックさんにもギャラを払えない。「もうあんなやつ殺しちゃおう」とふざけるメル。何いってんのと制止しながら、時刻も夜中の12時を回ってしまうので今日は一旦どこかに移動しようとジュディは提案します。「行く前にちょっとトイレ行って来ていいかな」とペックさんが言うのでしばらく待っていたのですがなかなか戻ってきません。「流石に長くないか?」と心配したジュディが探しに行くと、なんとそこには係の人の内臓を貪るペックさんが……!!

│癖になるゆる~い雰囲気

そんなこんなで、ペックさんが夜中の12時になると30分だけゾンビ化してしまうという特異体質だということがバレてしまいます。「人食べてるし!殺してるし!こんな人無理!」と反対するジュディですが「でも死んだのはクソみたいな人だったし」「もうしないって言ったし」とメルとマックスはこのままペックさんに運転してもらおうと言い出します。目の前で人が死んでるのを見たのにこのゆるさというギャップに笑えてきます。さっき君たちグロすぎて吐いてたじゃないかと。

多数決で負けたジュディは不服に思いながらも一夜を明かし、次のスタジオに向けて移動を始めます。なんやかんやありながら(この間に何人か殺しながら)ライブでもいい感じに盛り上げられるようになり、ペックさんもバンドの一員であるかのように親しくなっていき、最終目標にしていた地元のスタジオで凱旋ライブが決定!人を食べる変な運転手はいますが順風満帆なバンド活動になってきてこれでハッピーエンドかと思いきや……?最後の最後まで目が離せません。

ゆるい雰囲気といえば3人のバンド「DUH」(ダー)のバンドTシャツが何種類も出てくるのですが、どのデザインも可愛くていいポイントになっています。基本的にTシャツスタイルの3人はラフに見えながらもおしゃれに着こなしをしていてファッション的にも観ていて面白い作品です。ジュディのブルネット色の髪色や、メルのふわふわな赤毛、マックスのもふもふの髭と3人の個性的な見た目にフィットするスタイルはとってもおしゃれです。

そしてこのゆるさの中でスパイスになっているのが彼らのバンドの楽曲です。曲のスタイルはパンク寄りのもので、作品のゆるさとはまた違った魅力があるのでそのギャップも楽しんでください。しかし全体的にはゆるっゆるの日常系ムービー。こんなにもゆるいスプラッター作品が今まであったのか?という絶妙な雰囲気になっていますので、ぜひご鑑賞ください!


ファイナル・デッド・ツアー

製作年:2020年
監督:マシュー・ジョン・ローレンス
出演:デイビット・リトルトン、チェット・シーゲル、ジェフ・リドル、ルビー・マッコリスター ほか

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【Editor】septmersfilms

三度の飯よりホラー好き。ホラーがないと夏が始まらないと思っている。たまにおしゃれ映画・アニメーションも嗜むが、基本的にゾンビ映画をみることで心を癒している。Twitterでは映画以外にも本業のマーケティング関連記事もつぶやきます! ぜひチェックしてください!

Twitter(@septmersfilms)

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