TV CMのELLEGARDENって何?そんな人に18年愛し続けた僕がまず伝えたいこと

2022年12月21日(水)、いよいよELLEGARDENのアルバムがリリースされる。16年ぶりのそのアルバムのタイトルは『The End of Yesterday』。公式のInstagramでは過去のアルバムのジャケ写が投稿され、ファンたちの間では新アルバムの発表が噂され、ついにこの時を迎えた。

今回のアルバムのプロモーションは、NHKのドキュメンタリー特番、Amazon primeでの2時間の配信番組の放映、Amazon musicでのELLEGARDENに影響を受けたアーティストたちのカバー曲のリリース(Amazon music)およびELLEGARDEN編CMの放映、各種音楽雑誌での特集…。音楽配信がメインになった昨今で新アルバムの発表でここまで露出の多かったアーティストはいない。

なぜ、ELLEGARDENというバンドがかつてないほど注目を浴び、新アルバムが待ち望まれているのだろうか。

│海外バンドのような、突然変異のような、唯一無二の日本人バンド

アーティストの矢野顕子さんもELLEGARDENのファンとして有名だが、矢野さんの言葉にその答えの一端があると思う。
音楽番組で流れてきたミュージックビデオの曲がとても良くて、海外のアーティストだと思ったら日本人だった(この時のPVは『Red Hot』だそう)。

実は僕も高校生の頃、同じような体験からエルレのファンになった。当時、日本のバンドなんてダサい、なんて青臭い考えで必死に洋楽パンクバンドを聴き漁っていたのだが、ふと流れてきたエルレの『No.13』に「すげーかっこいいバンドじゃん! どこのだれ??」と友人に質問し日本のELLEGARDENっていうバンドと返された時からかれこれ18年くらい彼らを愛している。

誤解を恐れずに言えば、聴き手によって音楽はどうとでも変化するし、個人の自由だと常に思っているが、「どうせ日本のパンクロックでしょ?」とELLEGARDENを一括りにする人にはパンチしてやりたいと思ってしまうぐらい、あの時の衝撃は自分の音楽の世界を変えてくれた。そして、ドキュメンタリー番組の中でアジカンのゴッチが語った「突然変異のバンド」という表現には激しく同意するほかない。

じゃあ、なんでそんなバンドが生まれたのか?
そこについてはAmazon primeのドキュメンタリー番組を観てもらうのがもっとも理解が深まるはずだ。

│10年時が止まってもZOZOマリンスタジアムを埋め尽くすモンスターバンド

突然変異のモンスターみたいなバンドは1998年の結成から10年後の2008年に活動を休止した。とてつもないアルバム『ELEVEN FIRE CRACKERS』を世に残して音楽シーンの世界から姿を消した。このアルバムのリードシングルである『Space Sonic』のMVを観た方も多かったのではないだろうか。

そして、10年後の2018年、復活を果たした。その復活の報に世の中のエルレファンが涙を流した。僕も新木場のツアー1本目のチケットが当たったことは一生分の運を使い果たしたと思っている。

10年休止したバンドが新曲もなく、復活というだけでZOZOマリンスタジアムを埋め尽くし、音漏れを聴きにファンが駆けつけた。
もちろん過去のファンも多いだろうが、休止した後に曲を聴き残念がる声をSNSで何度も見かけた。また、Amazon musicのCMのように親子で聴いているようなファンも多いだろう。

海外バンドのような日本の音楽シーンに突然変異で現れたバンド。
10年間の活動中、最もチケットが取れないバンドとなり、突如活動休止したバンド。
10年休止してもZOZOマリンスタジアムをいとも簡単に満杯にするバンド。

そんなバンドが16年ぶりのアルバムをリリースするのだ。2022年最大級のリリースと言っても過言ではないだろう。

│外から見たELLEGARDENも知って欲しい

ここまではわかりやすく外から見たELLEGARDENをお伝えしたが、メンバー本人たちの声についてはこの2冊の雑誌をおすすめしたい。
読む順番は絶対に① ROCKIN'ON JAPAN 11月号音楽と人 2023年 01 月号の順番で読んでほしい。
休止に至った経緯や休止中の想い、新作への向き合い方などどれもメンバーの本音が語られている。

│新アルバムは新しい扉を開いたELLEGARDENが堪能できるはず

ようやく新アルバムについてだが、事前に『Mountain Top』、『Strawberry Margarita』という順番で先行配信されている。

ELLEGARDENはファンがとても多く、それぞれが頭に描くエルレのイメージは違う。特にどのアルバムから聴きはじめたかで実は脳裏に焼き付けられているものは異なるため、今回の『Mountain Top』は反応がさまざまだった。とくに印象的だったのは「エルレっぽくない」という言葉だ。たしかに新曲1曲目なのにミドルテンポの曲だったことには僕も驚いた。
しかし聴けば聴くほど、歌詞もいまのエルレであることがわかるし、しっかりと特徴であるstop and goもある。NHKの番組をみてさらに納得の一曲だった。

2曲目の『Strawberry Margarita」は、ヴォーカルの細美武士が結婚したからこそ書けたという一曲。これはまさにファンの誰しもが認めるエルレっぽい曲ではあるが、ラヴソングということでかなり新鮮味のある作品だ。

そんな過去を懐かしむわけでも、変に新しいわけでもない、ELLEGARDENの今が表現された2曲を収録した新アルバム『The End of Yesterday』が遂に発売される。作曲期間に計160曲ほど生まれた中から絞られた11曲が収録されている。また数量限定だが特典として「ELLEGARDENロゴステッカー(サイズ:202mm×58mm)」もついてくる。ぜひ、音楽配信の時代ではあるけれど、ステッカーも含めてCDアルバムをゲットして欲しい。

│【Editor's select】

The End of Yesterday

発売日:2022年12月21日

<収録曲>
1.Mountain Top
2.Breathing
3.ダークファンタジー
4.Strawberry Margarita
5.Bonnie and Clyde
6.瓶に入れた手紙
7.Firestarter Song
8.チーズケーキ・ファクトリー
9.10am
10.Perfect Summer
11.Goodbye Los Angeles

特典

※特典は数に限りがございます。予めご了承下さい。
ELLEGARDENロゴステッカー(サイズ:202mm×58mm)

また、TSUTAYAアプリでは本アルバムの視聴が2022年12月21日の発売日以降に「視聴」ができるようになる。ぜひ、TSUTAYAアプリをDLして視聴も試してほしい。

お弁当パパ/伊東寛雄

【Editor】お弁当パパ/伊東寛雄

伊東寛雄(いとう・ひろお)。一姫二太郎(5歳♀、1歳♂)を子に持つ父親。毎朝こどものお弁当をつくってSNSに投稿するのが日課。スマイルサプリでは子育て中の妻に”作品をプレゼントする”シーンを妄想して記事を書いている。稀に音楽熱が燃え上がり、音楽関連の記事を書くこともある。

Twitter(@chiromanpapa)

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