「サラリーマン忠臣蔵」の笠原良三によるオリジナル脚本を「忠直卿行状記」の森一生が監督した、明るくコミカルな股旅もの。市川雷蔵と橋幸夫が初めて顔を合わせた。雷蔵は悪人を目指しながらも結果的に人助けをしてしまう主人公を好演している。
一本松の千太郎は出世のために悪党の性格を身につけようと旅を続けていた。信越の山道でおけさの半次に斬りつけられるが、お互い気っぷの良さを認めきれいに別れた。千太郎は弥彦の勝五郎という旅人と一緒になるが、彼は実はお勝という名の女だった。ひょんなことから半次の姉であるお君を助けた千太郎は、勝五郎の父の勘治郎一家で草鞋を脱ぐが、そこにはすでに半次も来ていた。勘治郎一家と敵対する黒姫一家から喧嘩状が届くと、千太郎はひとり黒姫一家に寝返ってしまうのだったが…。