オキシドールの冷やかさ。
ささやきから絶叫、曖昧は許されていない。ごりごりと地を這うリズム体から
離脱を試みるようなTKの絶叫。それを上回って飛びこんでくる345のプランチャ。
聴き取られることを拒否するかのような金切声は、冷めきったヒステリー。
リリックは哀感と諦念に満ちている。その冷えた心中を見透かされないように
声を張り上げるオトコとオンナ。
一聴して「二度と聴きたくない」と思うか、それとも「憑りつかれるか」
聴く側にも、曖昧さは許されない。傷口を掻きむしられたかと思えば、
実はじくりと沁みいるオキシドールの冷たさだったと気づく。
ツンとくる哀しい消毒液の匂い。(手首の傷は癒されたの?)
フェイバリットは、4.『JPOP Xfile』 「君の名前、なんだっけ…」
哀しい絶叫。
心地よくえぐられる。
1曲目の『ハカイヨノユメ』を聴いてすぐさま虜になった方は
確実にアルバム『Inspiration is DEAD』と『#4』を購入して
損はないと思います。
とにかく中毒性のある音楽。こんなにもゴリゴリでキンキンの
強烈な音なのに、その中に見える美的POPセンスが脳を刺激します。
メンバーはプライベートで激しい曲をあまり聴かないらしく、
それがなんらかの影響でこの荒々しい中の静寂を生み出しているのでしょうか。
相当個性的なので万人へのお薦めはいたしませんが、音楽の幅を
更に深めてもらえたバンドで、今も尚ヘビロテ中の音源です。
デス声好きの高音男性嫌いな方は手を出されないように(^^;)
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