戦争の犬たちのクチコミ・レビュー

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因果な商売

投稿者:さっちゃん 2016年07月24日

 久しぶりに観直してみると、やはり時代というものを感じてしまいました。最近のディジタルを含む特殊効果と描写テクニック(これについては『プライベート・ライアン』以前と以後で分けられるかもしれない。)の進歩によるリアルな戦場の映像を見慣れてしまうと、娯楽寄りというか、派手な演出が目についてしまうのは仕方がないことなのでしょう。当時は結構、興奮して観てたんですけど。
 この作品は、確か、原作小説を先に読んで、それから映画を観た記憶があります。原作はフレデリック・フォーサイスですからSFにおけるマイクル・クライトン並みに情報やら蘊蓄やらが溢れかえっておりました。そういう点では映画は尺の問題もあり、傭兵たちの準備行動もかなりアッサリと描かれており、原作とは別物と思った方がよろしいです。ただ、娯楽映画としてはよく出来ていると思います。
 主演は、まだ化物顔になる前のクリストファー・ウォーケン。特典映像の予告編でアカデミーを受けたという宣伝文句がありましたので、『ディア・ハンター』の後だったことが分かります。トム・ベレンジャーも若くて、普通のハンサムですね。クリストファー・ウォーケン扮する傭兵シャノンが偵察に潜入したザンガーロで出会い、その後も絡んでくるイギリス人のテレビ局員を演じているコリン・ブレイクリーは他の映画でも見かけますが、味のあるキャラで物語に深みを与えています。
 ザンガーロにプラチナの鉱脈があることを知ったイギリスの投資会社がザンガーロの独裁者キンバを倒して、自分たちの息のかかった男を新たな大統領に据えようというのは、この手の傭兵ものによくあるプロットで、傭兵たちは使い捨てにされるというのがお決まりのラストなのですが、本作ではラストにどんでん返しがあって、まぁ、一応の大団円というところなのでしょう。ま、それにしては去りゆくシャノンたちの帯びた虚無的な雰囲気が不思議な余韻を残します。
 んで、こういう作品ですから、お決まりの”趣味の時間”へ突入です。まず、ザンガーロの国軍ですが、旧宗主国がイギリスということでライフルはFN・FAL(多分、L1でしょうね。)を持っております。車両はランドローバーがほとんどで、何だか原形がよく分からない装甲車も出てきます。戦車は持っていないのか、どっかに隠してあるのか劇中では登場しません。
 対抗部隊というか傭兵たちの武装ですが、冒頭の中央アメリカの負け戦の場面では、全員がM16のカービン・バージョン(CAR15って言ってたと思いますが、現在のM4カービンの元ですね。)で揃えていてフォードM151(フォード社なのでジープではありません。)で最後の脱出便のDC3(軍用のC47でも見分けはつきませんが)まで突っ走るところとか、敵軍の攻撃で上がる炎をバックに飛び立つDC3がやけに格好いいです。
 ザンガーロへの侵攻には、メインがウジ・サブマシンガンになります。何人かはアサルトライフルを持ってないと撃ち負けるんじゃないかと余計な心配をしたりします。それでも原作ではMP40だったから、弾薬は同じでも少しは新しくなってはいるんですよね。そして、多分、この映画が初登場となるマンビルXM18、リボルビング・グレネード・ランチャーが派手に画面を演出してくれます。
 肝心の襲撃シーンは夜間なので爆発の炎が目立つ目立つ。それでも兵営まではリアルに音を極力立てないように行動しております。でかいサウンド・サプレッサー(俗にいう消音器)で見張りを倒したり、ナイフで喉を掻っ切ったりしております。どうも兵営襲撃のシーンだけアメリカ国内で撮ったようで、ザンガーロ軍の哨所のマシンガンがアメリカ製のM60でありました。旧イギリス領ならFN・MAGが普通でしょう。
 観終わって初めて知ったんですけど、監督が『ハンバーガー・ヒル』なんかのジョン・アーヴィンなんですね。戦場の描写とか共通の雰囲気があります。でも、あそこまでの戦場の無残さを描いてはおりませんので念のため。

ギラギラしたクリストファー・ウォーケン 男の色気

投稿者:ロキュータス 2015年07月20日

 ネタばれあり )

アフリカの傭兵ものというのは、戦争映画の中でもなかなかいい作品が多いのだけども、日本人にとって一番縁遠い題材であるのは否めない。
報道写真家の故・岡村昭彦も外国の戦場ジャーナリストから「 欧米とアフリカの問題がわからないと、国際的な問題は何もわからないよ」と、地理的な問題以上に、利権争いの長い歴史的いきさつへの日本人の無知と無関心を指摘された経験を書いています。

戦争映画としては、愛国心とか革命とかの大義とはかけ離れた、ダーティな現実から話が始まるので、戦争の醜さがよりダイレクトに描かれるように思います。

監督のジョン・アービンは本作が劇場映画作品デビューで、このあと『ハンバーガー・ヒル』『 アーノルド・シュワルツネッガー/ゴリラ 』などを撮りますが、本作以前テレビ業界時代はドキュメンタリー製作でベトナム戦争やイタリアのマフィアを取材していたようで、本作でも戦場の臨場感は地味で渋めだが、よく演出されていると思います。 

撮影は同じくアフリカの傭兵もの『 戦争プロフェッショナル 』では監督をしたこともあるジャック・カーディフ。

主演はクリストファー・ウォーケン。 『 ディア・ハンター 』でアカデミー賞助演男優賞を獲ってブレイクして売り出し中のころ。 初主演かな?
 当時36歳、 ギラギラして痩せてとんがっていて、『 デッド・ゾーン 』などとともに美しい男の色気を感じさせます。

共演は傭兵仲間役でまだ若いトム・べレンジャーやポール・フリーマン。
なつかしいのは妻役のジョベス・ウィリアムス。『 クレイマー・クレイマー 』『 スター・クレイジー 』からテレビの「依頼人」まで “ いい女 “役が多かったですね。

原作はフレデリック・フォーサイス。 ポリティカル・フィクションの傑作『 ジャッカルの日 』で作家デビューしたが、その前はジャーナリストでビアフラ戦争の取材で有名。
ウィキペディアに紹介されているように『 ジャッカルの日 』の印税で実際に傭兵を雇ってアフリカでクーデター支援をしようとして失敗したが、その時の経験が本作に反映されている・・・とか。
ただし、御本人は取材していただけで、自分はクーデター計画には関与してないと否定していて・・・・
さて、真実はいずれか。

追加

投稿者:ひとこと言いたい 2015年05月30日

そうそう!!
「戦争の犬を解き放て!」 の有名なセリフはもちろんシェークスピアですが、
「STAR TREK 6」 ではクリストファー・ウォーケンならぬ クリストファー・プラマー が叫んでいますね。

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緻密!

投稿者:サム・ミイラ 2011年11月19日

事に至るまでを実に丁寧に、そして緻密に描いています。「ジャッカルの日」と同じく、さすがフォーサイス原作の映画化だけあります。 確かに下調べに始まり武器の手配や潜入ルートの確保、資金の調達など雑多な事が山とあるはずですが、普通戦争映画はそのへんはまず描きません。 「戦争の犬たち」は戦闘場面よりも、むしろそちらに重点を置いた異色作と言えるでしょう。

この国は売買禁止になってんだ!!

投稿者:やまちゃん 2005年05月10日

傭兵の虚しさ戦争の虚しさをひしひしと感じました  ウォーケンの演技も素晴らしいです

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