荒野のストレンジャーのクチコミ・レビュー

クチコミ・レビューFilmarks

3.6

観た人
916

観たい人
485

投稿者:Hagieen 2021年04月10日

クリント・イーストウッド監督、主演。
流れ者が立ち寄った村で、村中から警戒される。
流れ者が凄腕のガンマンと分かると態度急変し、やがて釈放されるならず者が村に復讐に来るので助けて欲しいと懇願される。

西部劇の王道プロットだが、この作品はひとつひねりを加えてある。
流れ者は助っ人を引き受ける代わりに、村ではやりたい放題。
最初は期待した村人たちも迷いが生じる。
何が善で、何が悪なのか。
勧善懲悪が多い西部劇で、ミステリー仕立てで話は進む。
ユーモアもあるが社会派な側面もあり、イーストウッド監督初期作品ながらこだわりを感じさせる。

投稿者:滝和也 2021年03月21日

蜃気楼の向こうから
やって来る男。

卑怯者の街に鉄槌を
下す、その男は神か
邪神か。

Who are you?

「荒野のストレンジャー」

クリント・イーストウッドが遂に監督した西部劇。そのスタイルは余りに王道西部劇とはかけ離れ、マカロニウエスタンの流れを組むとしてもトリッキーな作品で、そのブラックかつ皮肉なスタイルは衝撃を持って観衆を容赦なく叩きのめす…。

鉱山街であるラーゴに一人の流れ者がやってくる。因縁を付けてきた男3人を瞬く間に撃ち殺し、喧嘩を吹っかけてきた女は瞬く間に犯された。その街は嘗て2つの罪を犯していた。ある男は衆人環視の中、助けもせず殺され、また無頼漢3人組はハメられ刑務所へ放り込まれた。その無頼漢が釈放されると聞いた町民達は流れ者に殺された3人を用心棒として雇っていたのだ。ラーゴの人々は、流れ者を今度は雇おうとする。何でもする、その言葉に了承した流れ者は町民に信じられない要求をし始める…。

真昼の決闘、天罰ありバージョン?

嘗てフレッド・ジンネマンが描いたゲイリー・クーパー演ずる保安官が街の人々の協力を得られず、見捨てられ、街に仕返しに帰ってくる凶悪犯と単身決闘を挑むと言う名作だ。この作品に対して、当作は強烈なオマージュであり、アンチテーゼを叩き付けるテイストになっている。

卑怯者の街…HELL

街にいる人々は、かの作品のごとく一人を除いて皆が卑怯者だ。そしてこの作品を批判した西部劇の第一人者であるジョン・ウェインが街にアメリカ人の誇り、開拓者精神がないと指摘した通りだ。自らを犠牲とせず、他者に頼り切り、矢面に立とうとしない。アメリカ人がよく言う自分の身は自分で守るが全くない。この指摘は嘗てハワード・ホークス監督がした真昼の決闘への指摘と同じく、ある意味正しい。彼がアンチテーゼとして作製したリオ・ブラボーの主演はジョン・ウェインでもある故に。

神の裁きはアンチテーゼ?オマージュ?

だが…真昼の決闘より、更に卑怯者の街の人々へイーストウッドはまるで天罰の如き、鉄槌を次々に打ち下ろす。それはアメリカ人の本質を失った人々への強烈な皮肉であると言える。ある意味でジョン・ウェインと同じく、そうでないものは良くないとしているのだ。

更にイーストウッドは真昼の決闘すら綺麗事として片付け、人間の本質は、高潔な精神のみにあらずして、より腐った部分を描き出してもいる訳だ。それ故にアンチテーゼでありながら、オマージュであると考える。イーストウッドは西部劇の先人達への尊敬を捨てず、より現代的に強烈な作品を作り込んだと言えないだろうか。(また彼は全米ライフル協会を支援していたし、共和党よりである事も追記しておく。ジョン・ウェインも然り)

まるでホラーだ!

故に流れ者が誰かは問題ではないのかも知れない。彼の存在理由は卑怯者に鉄槌を下す存在であれば良いからだ。その存在はまるでホラーであり、超常的であり、宗教的な存在にも見える。またその不可解さが天罰をより真実味がある演出になっている。

見る方によっては、イーストウッドが余りに非道に見えるかもしれないが、彼がHELLと書いたシーン、建物を焔の赤に染めた事から、悪魔とも取れる。ただ…あのラストの甘さ(あえて甘さとする)はまだ邪神か、天使のレベルだろう。

マカロニウェスタン、アメリカンニューシネマ華やかなりし時代に作製された故に、異色の西部劇として仕上がった強烈な印象を残す、ある意味でカルト作品。これは是非見てほしい作品ですね。

投稿者:TakayukiMonji 2021年02月27日

イーストウッド監督作2作目。無駄な説明や演出は排除されたストイックな展開。主人公は何者なのか、冷徹さと残忍さをあわせ持つ。物語自体は西部劇としても異色。
こういうものも含めて、「許されざる者」があるんだなという歴史を学ぶ感じだった。

レビューをもっと見る・投稿する

クチコミ・レビューTSUTAYA DISCAS

太陽と埃の中で

投稿者:ビンス 2020年07月24日

画面の中に突っ立ってりゃあいい
突っ立ってりゃあ成立する
そんな俳優は
世界の中でも数少ないと思います。
そんな数少ない中の
それも頂点を極めるひとりが
クリント・イーストウッドなんです。
断言してしまうほどに魅力的
言葉を必要としない
佇むだけで絵になる
今回の役どころは
イーストウッドをスターダムに押し上げた
ウェスタンの流れ者
得意中の得意分野
こうなるとヒーローを勝手にイメージしてしまいますが
その予想を裏切り
「善」ではなく
また「悪」でもなく
善悪を超越した者として
ある町の秘密と因縁に関わっていきます。
言葉少なに
行動で示し
どこか人間と距離を置きながら
その瞳は何を見据えているのか
イーストウッドの瞳が捉えるものに
その意味に惹きつけられていきます。
ラストに至るまで
妙な余韻を感じつつ
イーストウッドを堪能できました。

監督としては2作目
ウェスタンとしては初の監督作品となった今作は
興行的にも成功したようで
最初からイーストウッドは
両立できる人なんだと証明していたんですね。
自分が演技して
それを自分で判断するって
どういう感覚なんでしょうね

酒場にイーストウッドが入ってきて
イチャモンつける感覚
意味わかりません(笑)
明らかに只者ではないオーラがプンプンしてるのに
そういうお約束からの爽快感は
ベタとして非常に好きです。



荒野のストレンジャー

投稿者:片山刑事 2020年07月22日

 謎の男が湖の街にやってきて、そこで護衛を依頼されて町人たちを鍛えるけど。町人たちには秘密があって…な話。

 主人公が街で絡んできた男たちを射殺したことをきっかけに用心棒として雇われるけど…。というエンタメ映画かと思いきや、主人公が射撃訓練とかは一応しますが、街を赤くしたりして不思議な指示をしたりして何が目的なのかわかりにくい。そして女性をレイプする主人公というのも驚きでした。

 街に復讐をしにくる悪人3人がいて、彼らがなぜ街に復讐してくるのか? 主人公が悪夢を見たりして、街の住人たちが何やら罪の意識があるらしいぞとなってしだいに明らかになっていく金塊をめぐっての大衆の残忍さやずる賢さ。

 主人公は俯瞰したところで街の騒ぎを見ていて、住人たちが右往左往している姿を見ていて最後に悪人たちにリベンジして去っていく。ラストの墓標で主人公の正体がわかるというオチでエンタメ映画としてのカタルシスとかではなく、ホラー映画的な恐怖や余韻が残るエンディングで何とも不思議な映画でした。

地獄から来た使者

投稿者:カマンベール 2017年05月29日

ハードな復讐劇でした。
マカロニウェスタンのカラッとした明るさはなかったです。
イーストウッド扮する流れ者の目的と、彼はいったい誰なのか?
非情な男です。
女も町の人も復讐劇の駒の1つと切り捨てます。

鉱山で成り立つ小さな町・ラーゴは腐った町です。
汚職や、ならず者が幅を利かせ、前任の保安官は、
正義を成そうとしたら、町の人や権力者になぶり殺されたと、
いいます。
保安官の幽霊がイーストウッドだという説もあります。
いやぁ、幽霊を信じない私の説(?!)は、実は保安官は死んでなかった。墓から、生き返ったのではないでしょうか?
凄く、鞭打たれた夢にうなされてました。

非情な男がまたまた、カッコいいクリント・イーストウッドでした。
割り切れない、モヤモヤする映画もまた、良いものです。

レビューをもっと見る・投稿する

クチコミ・レビューTSUTAYA

若気の至りがものすごく面白い作品を作った

投稿者:スロウハンド 2002年10月24日

イーストウッドは娯楽を知ってると思う。『恐怖のメロディ』も面白かった。ただ、この映画はすごく挑戦的だ。笑ってしまうほど。近年のイーストウッド作品は非常に洗練された面白さがあるが、この映画はかなり荒々しい。所々コケてしまいそうでコケないところがまた面白い。クライマックスでは、色調が変った。黒澤っぽくなった。それも面白い。

レビューをもっと見る・投稿する