クルーシブルのクチコミ・レビュー

クチコミ・レビューFilmarks

3.2

観た人
580

観たい人
533

投稿者:憲 2021年02月27日

最後のダニエル・デイ=ルイスの魂の叫びは絶対に見る価値あり。

アーサーミラー原作「るつぼ」の映画化って事で思ったのが、『セールスマンの死』が"個人"を描き、この作品が"群集"を描いているなと感じた。
人間が自分自身であることについての間にある葛藤の追求からの行動、善悪の観念や良心はどこに向かうのかが見えた気がした。

Dさんお薦め映画。

気のせいかもしれないけど、ジョン(ダニエル・デイ=ルイス)がとても低い声で下に重心を構えてこの役柄をやっているように感じた。そのせいかとても力強くて信念を持っている男に拍車をかけているように感じる。
『父に祈りを』から3年でのこの作品で、青年から男に彼が一気に変わったと思いました。

最近、『ドラキュラ』、『ラスト・オブ・モヒカン』、『エイジ・オブ・イノセンス』を観たばかりだったのでウィノナ・ライダーを頻繁に拝見して、高貴な身柄の美しくて上品なイメージだったがどの役でも思ったのが彼女も力強くてまっすぐだなと。そして今作では女の腹の奥底にある妬みや執着、保身からのズル賢さや人間としての弱さから来る愚かさみたいなモノが見れたのも良かった。

ジョンとアビゲイル(ウィノナ・ライダー)が再開した時の視線の逸らし方と、お互いの俯き方の思考(ここで2人に何かがあったことが伝わる)、
その後に外でアビゲイルに喋りかけているジョンが、口は微笑んでいるのに目が怖くて目で圧をかけていてとても恐ろしさを感じた。テンポ感や呼吸で持っていっていて、その辺がやっぱり繊細で上手いなと思った。

照明効果なのか、首の下から暗闇で懐中電灯を照らしたように、全体的には暗いけど一人一人の表情だけがスポットされてるような雰囲気が映画全体的に漂っていてそれが不気味さを増していた。

人間は窮地に追い込まれ身の危険を感じた時に本当の自分が出るのかなと思った。そこから貫いたり修正したり、それはその人間の強さや本性なんだろうなと思った。

アビゲイルが躊躇なく他の者に罪をなすりつける熱量は、1人の人に突き刺してるのでなく視線と身体の動かし方からそこに居る人々全体に向けられたものだと、矢印が一辺倒じゃないのが見える(演技力の高さ)。そこからの他の女性への影響力がそれを物語ってる。けど根底にはとても強い妬みがあるからこそだと思う。
このアビゲイルを筆頭に女性陣がヒステリックになるシーンや全力の芝居、いかに真実味を持って伝えれるか、シーンやエクササイズでやっても面白そうだなと思った。
メアリー(召使い)の弱さがとてつもなく垣間見えるキャラからの訴えかけも良かった。

十戒という言葉を使うシーンが二回くらい出てきたので気になったから少し調べて、十戒の内容に「姦淫してはならない」とあるから、ジョンは答えれなかったんだなと思った。

この時代背景の宗教や場所がこういった事件を起こしたのかもしれないが、このセイラム魔女裁判って怖いな。群衆の人間の心理を見事に突いているし、1692年実際に起きた話と知って少し興味が湧いた。

序盤は女性陣のヒステリックな印象が頭に残っていたが、最後のダニエル・デイ=ルイスの魂の叫びに全て持ってかれた。凄すぎて。
一緒の人物がその人物の超えた先の人格でやってる様に見えた。顔付きや肌色、目の色も変わって見えた。そして僕にはとても哀しい鬼に見えた。とても哀しい鬼。胸が苦しくなった。

そして、心から相手の事を想い、愛し合える伴侶を持ちたいと思った。う

投稿者:あさ 2020年12月08日

2016年にベン・ウィショーさんがやってた舞台"the cruicible"観たかったな〜と思い、以来気になっていたもの。アーサー・ミラーの戯曲をニコラス・ハイトナーが映像化したってだけでかなり強い(?)。

見ながら改めてマッカーシズムとか、魔女狩りについてちらちら調べてたんだけど、知ろうとすればするほど闇奥が深すぎる。
セイラム魔女裁判という実際の事件を描いてるわけだけど、現代でも一部では魔女狩りって続いてるんだとか…。

映画としては正直そこまでハマらなかった。けど、この戯曲自体が気になってたのでそれを知る意味では見れて良かった。若きダニエル・デイ=ルイスも見れましたし。ウィノナの鼻につく演技も役には合ってた。

清教徒が多いセイラム。使用人と関係を持ったプロクターが相手をhoeと責めるのも、いや貴方も手を出した時点で…と思ってしまうけれど。それを認めることがこの村ではすごく重い。妻の庇い方も。

絞首で人が集まって、笑顔になるなんて、集団心理恐ろしい。

ポスターの「あなたが欲しくて体が疼く…」って完全にウィノナを偶像崇拝した観客をエサにしただけのクソキャッチコピーだな〜。

投稿者:1paddingtonfan 2020年12月08日

能年玲奈さんが大手事務所の圧で自分の名前が使えないとか三浦春馬くんが本名の苗字を死ぬ1か月前に変えて死亡した日は事務所との契約更新の日だった?とか聞くとダニエル・デイ=ルイスさん演じるジョンプラクターの台詞と重なってしまう。「これは私の名前だからだ!」
名前が自分の尊厳そのものなのか誇り高い人はどんなことをしてでも守りたいものなのか?魂は売っても名前だけは...

「千と千尋の神隠し」も名前が鍵だし..たかが名前されど名前、大事にしないとなぁ

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クチコミ・レビューTSUTAYA DISCAS

恋に狂って魔に落ちる!

投稿者:趣味は洋画 2018年09月15日

クルーシブル(1996年アメリカ、カラー124分)

1950年代を席巻したハリウッドの赤狩りを弾劾するために、劇作家アーサー・ミラーが書き上げた戯曲を彼自身が脚本化。中世の魔女狩りを題材にした裁判劇だが、その中に何者にも侵されない人間の尊厳を描き出した重厚な人間ドラマでもある。

時は17世紀末(1692年)、マサチューセッツ州セイラム。
ジョン・プロクター(ダニエル・デイ・ルイス)は真面目な農夫で、清教徒の妻エリザベス(ジョアン・アレン)との間に2人の子供がいる。だが召使の少女アビゲイル(ウィノナ・ライダー)の魅惑に惑わされたジョンは関係をもってしまい、妻に知られた挙句、アビゲイルは追い出されて、牧師の叔父パリス(ブルース・デイヴィソン)の元に身を寄せる。パリスの家で働く黒人娘ティテュバ(シャーレイン・ウッダード)は、周囲の少女たちから、呪術で願いを叶えてくれると信じられていた。単なる噂ではあったが、満月の夜には少女たちが踊り狂い、それは異様な光景であった。パリスは ‘悪魔と契約した魔女の仕業だ’ と主張、ボストンからは判事(ポール・スコフィールド)がやって来て、魔女狩りが本格化する。一方ジョンはアビゲイルに会い、‘愛はなかった’ と告げる...。

「疑心暗鬼」、「マインドコントロール」、「噂話」、「民衆支配」、「パニック」...決して良いイメージではない言葉が、次から次へと浮かんでは消えてゆく。
宗教の絶対主義をファシズムと同義に扱い、その絶対主義に守られて偽りの証言を真実にしてしまう少女たちの自己欺瞞。つまり、自分を正当化する少女たちの心理に呆れてしまう。

類稀なる美貌と演技力をもつウィノナ・ライダーの、カリスマ的聖少女の演技が圧巻だ。本作出演時はまだ25歳のはずだが、既に92年「ドラキュラ」、93年「エイジ・オブ・イノセンス」、94年「若草物語」などで演技派としての評価を得ている。
だが2000年以降、私生活で様々なトラブルを起こし、映画出演は続いているものの、近作でこれといったヒット作がないのが寂しい。まだ46歳と若い彼女、そろそろ起死回生の演技を期待したい。

クルーシブルとは「るつぼ」の意のようだが、悪魔に魅入られた少女たちが魔女を摘発するというパラドックスが成立してしまう時代の不条理を、圧倒的な迫力で描いている。




集団ヒステリーと神

投稿者:Yohey 2017年11月04日

なかなかの作品、集団ヒステリーの凄まじさを実感します。これでもかこれでもかとそういうシーンをだし、だからこそ説得力がある。ウェノナ・ライダー見直したわ。美しい彼女の眼力は凄まじく、その行動も一貫していて素晴らしい。

この作品、集団ヒステリーの恐ろしさを描いていますが、キリスト教ではない私としては、悪魔と契約したと告発された者たちの中でも、そこまで高潔でもなく無知な感じの人もいたのに「嘘の証人にはならない」と悪魔との契約を認めなかったこと。死よりも、嘘(神への裏切り行為)の方が嫌だという心理がよくわかりません。まぁ、現世よりも来世(死後)の方が幸せになれると思っているのもあるんでしょうけど・・・なかなか罪深い宗教ですな、キリスト教は。

面白い作品かというとそうでもなく、終始一貫してヒステリーと、それに騙される(ふりをした?)周りの姿がこれでもかと描かれていて見応えのある作品というべきものかなと思います。

ムナクソ悪い映画……でも…考えさせられた…

投稿者:BEEFジャーキー 2012年11月08日

少女達のウソで、村全体がとんでもない事に…!?
誰かが誰かを陥れ…、どんどん広がっていく……。
もはや、収拾がつかないほどに………
…ってなストーリー。

事の発端は、一人の女…
好きな男のために、ここまでした女も大概やけど、
 それより何より、神の名の下に処刑を下す神官達に、一番ムカついた!!
神の名を利用してるだけやん!!!
おまえら、一体、何様やねん!!!!!………

とことん面白みのない、
 そして、とことんムナクソ悪い映画……( ̄へ ̄|||)

…でも……なんか考えさせられた……。

人間が集団になる怖さ、宗教をかさにした正当化…。

人は、いつでも何らかしらの集団の中にいる。
学校、会社、住んでる地域……
小さな集団かもしれないけど、一人はじき出されてしまったら……
集団に対して、たった一人で歯向かえるだろうか??
…間違いなく、私はムリ!!
集団に組してしまうだろう自分が、安易に想像できる…。

そんな様々な集団の中でも、宗教は、最大の集団になりえる。
日本は多宗教だから、まだいいけど…、
もし私の周りが、1つの宗教だったら……と、ゾッとした。

なんか、集団で暮らしている事じたいが、怖くなった…。

見終わった後、なんとも重たい気分になった ((((_ _|||))))どよ~ん

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クチコミ・レビューTSUTAYA

セイラムの魔女狩

投稿者:オニール大佐 2012年11月24日

以前予告編で見て、是非とも観てみたいと思っていました。が題名を忘れてしまい、たまたまケーブルテレビでやっと観れました。[セイラムの魔女がり]だったのですね。実際には1000人以上が告発されたとか…今度はゆっくりDVDで見ます。

実話

投稿者:みつ 2011年10月07日

中世ヨーロッパの実話ということですがかなりショッキングな内容です。とにかく重いストーリーでした。役者がみんなうまく、配役もばっちりでした。最後まで引き込まれました。この世で一番恐ろしいのは人間の思い込みの激しさだとわかりました。

ふかい

投稿者:Luck0337 2004年01月29日

若干色をつけられながらも、史実に基づいたストーリー。戯曲の作者アーサーミラーは当時のアメリカの言論思想弾圧の風潮に対する批判として発表したものと考えられる。ラストシーンでのプロクターの悲痛な叫びは、雄大な歴史の中に投げ込まれた弱小の個人の最後の自己主張として、みるものの心をうたずにはいられない。また誇りを持ち、最後まで義を貫き通したプロクターに感動さえ覚える。たんに恐ろしい、気持ち悪いなどでは片付けられない作品。

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