霧の中の風景のクチコミ・レビュー

クチコミ・レビューFilmarks

4.2

観た人
1423

観たい人
3868

投稿者:ちいちゃん 2020年09月19日

自分はめちゃくちゃ感性が乏しいのか、ごめんなさい、全く良さが理解できませんでした。

説明過多だと思ってしまった。長回しに詩的な表現に、色々要素が多すぎる。それでいてテンポもめちゃくちゃじっくり。色々とじっとりじっくりで、この映画を称賛してる人の気持ちがどういう構造なのか覗きたいってくらい自分には理解が難しい作品でした。。

でも確かにこの徹底的な詩的な表現と長回しへの熱量、これでもかとやる感じにたくさんの人が影響されて感動する心もわからなくもない。あー、これに感動する人がたくさんいるんだろうなぁとは思ったけど、なぜか自分は、はまらなかった。いやあ、なんかめちゃくちゃ悲しいよ。

池澤夏樹が翻訳してて、インタビューもめちゃくちゃ面白かった。あれは必見ですわ。おとぎ話だとテオアンゲロプスは連呼していましたが、本当にそうだと思った。

でもそれなら、なんかもっとうーん、色々な要素に対してやっぱり主張が激しすぎて、何か特出するものがないというか。。感覚で観る映画なんですかね…

めっちゃでもってなっちゃうけど、観て時間の無駄とはならなかった。確かに影響受けちゃうのわかる。やってみたいってなるよね、ここまで徹底的にやってると。その熱量に対してこのスコアかな…、まじで自分がこの映画に対して、あんまりよく思えなかったことが悲しいです。

何年ごとかに見たら変わるのかなあ。。。

投稿者:Okusan 2020年09月14日

弟がとにかくかわいいから、拍子くじけずに最後まで見れた、最後の言葉の弟の顔がかわいいからたくましくに成長したように見えたのは気のせいかな!

投稿者:プルコギ 2020年08月10日

先の見えない霧の向こう側にドイツがあって、姉弟はそこに向かっていく。銃声が聞こえ霧が晴れていったら一本の木があって、二人はそれに抱きつく。このラストの流れが最高だった。映画としても姉弟の旅のラストとしても最高。雪の中で立ち尽くす大人たちであったり、様々なセリフを言う人たちの間を通り抜ける姉弟であったり幻想的で美しい世界を長回しで描き出す。感情の機微も長回しで緻密に表現する。場面の一つ一つがすごく美しい。そんな感じの映画。

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クチコミ・レビューTSUTAYA DISCAS

「はじめに混沌があった」

投稿者:まみもぉ 2015年02月22日

影と本体が入れ替わり、立ち変わるアンゲロプロス監督作品で感じられる不思議な感覚。
生と死に近い天国と地獄の境目にある深淵一本径に登場人といっしょに佇んでいられる。
進むべき方向がわからないのに不安ではない。映画だから。
始まれば必ず終わる。THE END のそこへいっしょに行けるはずだから。

涙の粒を音符に変えて五線譜の上に流してしまえるエレニ・カラインドルーの音楽。
涙の音に余韻に感情より早く涙が解き放たれる。
映像という母が赤子を音にして産み落としているようだ。

汽車に”乗ってしまった”姉弟。
ヴェーラの心の声が読む、父に宛てた手紙が素晴らしい。タタン タタン と心に響く。
降る雪を見上げ立ち尽くす墓標のような人々。彼彼女らが”首に縄を巻いた…” 巻いているのだと思えた。
縄をくぐりながら走るふたり。美しいシーン。
そしてまた汽車に乗る。あの言葉で父に語りかける。
この時、彼女は伯父の言ったことを嘘だと確信できないでいるのだろうから、切なさがよけい伝わってくる。
その後にやってくる、ぞっとする花嫁と馬のシーン。まだ、ぞっとできたことにほっとした。
まだまだ、ひとらしい感情が萎えずに残っていたことにほっとした。

その後、旅芸人の一行と出逢ってから非現実的な姉弟の旅物語となっていく。
当然、捜しているだろうふたりの母親。父親はドイツに居るのだと言い続け思い込ませていた母親。
捜しているはずの彼女は登場しない。させてはもらえない。母だから ?
はたからみても幼い二人連れ、どうみてもおかしい。戦火の真っ只中でもなし、大人が手を差し伸べて当然のふたり。
そんなふたりが旅をしている。
そうすることでヴェーラに起きた悲劇が痛ましい。切られるような痛みが静かに伝わってきた。
”もしも私が叫んだとして、天使たちの誰が聞くだろう” だから、叫ばない。
叫ばないことで少女の顔が横顔から女になっていく。
影使いのうまさにこころから呆然、です。
ふたりの行く先々で様々な象徴的オブジェのような背景物が現れる。
何?何故?な問いをいっさい受け付けない、ヴェーラの白いソックスのように汚れていても美しい。


「始めに混沌がありました」
「それから光がきました」
姉の語りではじまり弟の語りでおわり、そして、生命の父なる木に抱かれる姉弟。
生きていたくなくなる心臓を止めたくなるようなラストです。



名作★アンゲロでも125分★

投稿者:ちゅく 2014年06月21日

アンゲロプロス監督の作品は、「旅芸人の記録」(232分)、「アレクサンダー大王」(208分)など、鑑賞に体力を要する作品が多い。
池袋の文芸坐で、「旅芸人」をやっていたが、途中休憩があっても、とても持つまいと思い、諦めました。
大画面でこそ、この監督の映像は、いきる、のですが……。

「霧の中の風景」は、異質な作品です。この映像作家の本質を、結晶化しています。(と、言っても、125分)

けれども、叙情に主点を置いたこと、子供を主人公にしたこと、で、アンゲロプロス監督の作品中、特異な位置にあります。

「旅芸人」や「アレクサンダー」などが嫌いな、映画オタクでも、この「霧の中の風景」だけは、泣いたという……。

12歳の姉、5歳の弟が、父親をさがす。ロード・ムービーです。

音楽は、エレニ・カラインドロウです。叙情的な交響楽で、「これでもか」と感情を揺さぶる作曲家です。

「蜂の旅人」」(M・マストロヤンニ)
「こうのとり、たちずさんで」(M・マストロヤンニ)
「シテール島への船出」(J・ブロージ)
「永遠と一日」(B・ガンツ」
「エレニの旅」((A・アイディニ)
「エレニの帰郷」(I・ジャコブ、W・デフォー)


道に迷い、弟が泣き出す。
姉は、途方にくれる。

その背後、歌を唄い、アコーディオンを弾きながら旅芸人が通りすぎる

旅芸人たちは、姉弟に、なにもしてくれない。

影や、月のような存在。時間そのもの、のように、通りすぎるのだ。


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クチコミ・レビューTSUTAYA

映画という世界

投稿者:hinacicho 2010年08月29日

この作品を観て、これまでの私の映画というものに求めていた価値観がまるで変わってしまった。 もはや映画というものに何かを求めること自体ナンセンスなのだと。 それは物語ではなく、ひとつの世界であると。 映画を観るというのは、そこに繰り広げられる世界を垣間見るという行為なのだと。 流れる絵画のような作品だった。 Landscape in the mist。 霧の中での美化ともとれた。美化すなわち偶像、虚像。 霧の中をさまようような旅、人生、世界の中で、姉妹の父親という存在は彼らにとって美化された偶像であり虚像。 そこに向かうはかなさや虚しさに傍観者として身につまされたが、自分の生きる人生や世界にだって同じようなことが溢れている気もした。 これからは映画というものに何を求めるでもなく、ただただその世界を見つめたい、そんな答えに辿り着くのに、作品鑑賞から3日かかりました。

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