連続ドラマW 地の塩のクチコミ・レビュー

クチコミ・レビューFilmarks

4.1

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投稿者:KnightsofOdessa 2018年12月05日

No.283[汝は地の塩,世の光!労働者同志諸君よ立ち上がるのだ!] 68点

という表題がピッタリな人間版「動物農場」。赤狩りでハリウッドを追放された脚本家たちが"罰相応の罪を作ってやろう"と製作された社会主義的な作品で、ニューメキシコのヒスパニック系鉱山労働者のストライキを描いている。15時間位実験した後に頭がカチ割れそうになりながら帰宅中に見たせいで内容がほとんど頭に入ってこなかったが、多分あってるはず。クレショフ工房感のあるモンタージュが挿入されたりするが、多くの人が想像する共産礼賛ものとは異なる。とは言え別に心を打たれるというほどの物語でも映像でもなかった。そういうのはエイゼンシュテインの専売特許だし、彼のほうが何倍も上手い。

投稿者:タラコフスキー 2018年09月13日

タイトルの時点で無性に惹かれたのだけど、映像に小津映画みたいな侘しさがあって思った以上に好みだった。

というか小津テイストの他にも成瀬映画に感じる不満(機能的なカットとか閉塞的な演出とか)が解消された良さもあったけど、小津と成瀬の合いの子のような映画が50年代のアメリカで作られていたなんて驚き。

ニューメキシコの労働の苦闘というテーマやこの30年後に作られるプレイスインザハートのような女性の逞しさを描いていた点も特筆に値する点で、どう見ても低予算でありながら(どうやら監督が赤狩りの被害に遭ったせいらしいが)野心的な作品を撮り上げる姿勢も凄い。

知名度は低いけど見応えがしっかりある文字通りの隠れた名作で、監督もそこまで有名でないけど他にもこんな作品を撮っていたのなら是非とも目を通したい。

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クチコミ・レビューTSUTAYA DISCAS

空中分解したドラマ 「神の手」を利用した者の責任

投稿者:ちゅく 2019年06月25日

「地の塩」(2014年、WOWOW、カラー、約60分×4話=約240分)。

「旧石器捏造事件」は、2000年末に明らかになった考古学の発見遺物の捏造事件。
日本に前期・中期の旧石器時代があったとする「学説」を「裏づける」遺物が「発見」されたが、それは、発掘にかかわった「素人研究者:F」が自分で前夜に埋め、翌日みずから発掘したものだった。
毎日新聞が、彼が偽の遺物を埋める行動を撮影し、スクープしたことで、大混乱が起こった。彼はすぐ、捏造を認めた。
日本に、縄文時代よりももっと古い「原人」時代があったという報道に、私も確かに興奮したことを覚えている。
「発掘地」も観光資源として活用したであろう。教科書にも遺跡・遺物(礫石器、打製石器)の写真・記述が掲載されたが、これらが全部覆されてしまった。

当時は、「F」だけが悪者であり、彼が発掘した「前期・中期の旧石器時代」の遺跡は、再調査の結果すべて取り消され、日本の「考古学」を不正によって停滞・逆行させた悪人として批判された。
考古学会から追放される。「右人差し指・中指を自ら切断した」という。

調査が進むにつれ、「F」は考古学の学術的知識が乏しいアマチュア研究家であることが分かってくる。
「F」は最初には真の縄文石器を発見したのかもしれないが、それが続くと、「神の手」という神輿に乗せられ、天下り官僚や学閥に利用されたのだろう。

この「地の塩」では、「F」をモデルにした人物は、「神村賢作」(大泉洋)だが、そのままではなく、思想のある「学者」であり「捏造」を告白する良心をもった人物として、変に美化されている。「神村」は演説が上手い。が、大泉洋を生かし切れていない。
「神村」の考古学の大学時代の恩師で、「日本考古学連盟名誉会長」の「桧山栄二郎」(津嘉山正種)は、「日本の前期旧石器時代」についてのがあったという学説を唱え続け、「神村」にプレッシャーを与えたくせに、最後に良心を発揮する。これも美化されている。
「神村」の先輩で、研究能力は低いが政治能力が高すぎる「文部科学省史料保存庁次長」の「沢渡善三」(陣内孝則)。こんな人物はいるだろう。モデルらしい人物はいるだろう。美化されてはいないだろうが、教科書の修正問題で馘首されているはすだ。
「文部科学大臣」の「助川勝重」(河原崎建三)。現実には、短期で可能かもしれないが、政治家は、学術問題、教科書問題には介入できない。

このテレビ映画では、オリジナル脚本が力不足、取材不足と思う。製作側から変に歪められたのかもしれないが、まとまり、求心力がない。
題名の「地の塩」の本来の意味を繰り返し登場人物に語らせているが、それほど人の血や土地、埋葬についての深い考察はなかったように思える。

特に無駄だと思ったのは、殺人犯の逆恨み。板尾創路は飼い殺し状態。
「旧石器捏造事件」と現代の殺人が関連する映画ということで、この映画を鑑賞したのだが、これでは、現代の殺人部分は、全て削除したほうがよかった。無意味だ。

教科書会社の編集者として、佐久間里奈(松雪泰子)という人物が登場するが、彼女の勤める出版社の社長、営業、編集部の雰囲気や考え方は、書店販売書籍の出版社のようで、怪しい。脚本家は中途半端な取材をしていたのではないか。
教科書会社は販売も増刷もない。教科書は、義務教育で使われるもので生徒には税金から無償で提供されるものである。一々、中学校や教育委員会からの発注で増刷をすることはない。
検定、展示のあと、衆議院の小選挙区くらいの規模で「採択」が決まり、文部科学省が教科書出版社に一斉発注するので、増刷で一喜一憂したり、社長からケーキが出ることはあり得ない。
こんな素人キャラクターであれば、削除してもよかった。「捏造」を追求する新聞記者(袴田吉彦)と里奈が別れた夫婦であるという設定もドラマを無駄に拡散させている。

登場するすべての人間が、虚妄かステレオタイプ、あるいはその両方であるので、見るに堪えなかった。散漫な4時間だった。

第2話の「神村」の背後にいる官僚・学閥に対抗する「国松」(きたろう)という考古学者による「捏造」の検証過程が、もっとも面白かった。ここを拡大すれば良かった。

有名なあの事件をベースに作られたミステリー

投稿者:土豆 2014年09月15日

日本の考古学のねつ造事件として有名なあの事件をベースに、連続殺人事件を絡ませたフィクションドラマ。
登場人物の”神村”といった名前と”ゴットハンド(神の手)”と言われた等、それぞれに出てくる
単語は事件そのものをギリギリのところまで示唆していて、「ねつ造」そのものより、もっと本質的な
考古学会そのものを辛辣に描いた作品であると思います。
この作品で大泉洋が演じる「神村」は功名心にはやる野心的な学者とは描いておらず、
考古学を愛して人生を捧げた一研究者として描かれています。
なので、松雪泰子に問い詰められると、簡単に白状したりと、悪人になれない人間の良さが表れています。
10の真実を認めてもらうために、1つの嘘を混ぜる...。
先日のIPS細胞の事件もそうですが、真実がそこにある事が分かっているのに、証拠を示せないジレンマ
を常に研究者は抱えてしまっているものです。
「ねつ造」は研究者の暴走なのですが、それを示さないと認められない現状と競争社会の中にも
科学の発展を遅らせる問題があるのかも知れません。
政治的意図で作られた歴史を教えられて、それを信じ込まされている人々もいる国もある事を
考えると、自由で良い社会なのかも知れませんが、それに群がる人々(悪意の有無は別として)の
思惑が、ある意味、科学の発展を妨げている真の原因なのかも知れません。
そういった背景を考えるとシリアスなドラマなのですが、それにからむ連続殺人事件が、ドラマとして
少し蛇足に思えてきます。
その点が少し残念です。
このサイコな犯人を板尾創路は上手に演じてはいますが、この殺人鬼の背景がいまひとつ分からない。
部屋も、神村のストーカーみたいな感じで、「なぜ、そこまで神村に執着するのか??」ってところが
疑問だったけど、演じている役者がそれぞれ上手なので、全体としてはブレずに良かったです。

ラストは何とも言えなくなる。。

投稿者:さるこ 2014年09月08日

遺跡発掘中、最近の骨を発見し殺人事件に巻き込まれる考古学者の話、
だと思ってたら話の雲行きが怪しくなって。。
正義を振りかざした後の後味の悪さというか、
現状維持の方がみんな幸せだった
っていう状況に何か考えさせられちゃいましたねぇ。。

タイトルからキリスト系の話かな~と思ってた。
ミッション系の学校だと必ず授業で教わる新約聖書の
「あなた方は地の塩である~」ってやつ。
塩は味を付けるも保存するにも良し、で当時とても貴重なものに例え
「あなた方は迫害され少数派だがその行いは清く正しい」
とイエスは山上で説くのです。
どうやって正しく生きるか、みんな自分なりの正義を持ち、それに向かって突き進んでいます。
みんな思惑が違うところにあるのに突進していくから、先が見えず面白かった。

陣内孝則のいやらしいゲスな役、その背景も見えてなかなか良いです。
その他の脇役もやたら生き生きしてるドラマでした。

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