怪談のクチコミ・レビュー

クチコミ・レビューFilmarks

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投稿者:dilettantek 2020年11月29日

一瀬隆重プロデュース、東宝配給の「Jホラーシアター」第4弾(第5作)。

三遊亭圓朝「真景累ヶ淵」を原案に、煙草売り新吉(尾上菊之助)と因果含みの恋に落ちた三味線の師匠・豊志賀(黒木瞳)が、すげなく自分を捨てた新吉に、死後も追いすがって復讐するという正統怪談。

中田秀夫が怪談映画に挑戦という体だが、いかにも座りが悪く、時代劇と演出が殺しあっていけない。俳優陣はやたら豪華だが、時代かなぁという徒花。

投稿者:singer 2020年08月02日

和製ホラーもちょっと飽和状態で、最近はゾッとするような怖い映画も少なくなりました。
このホラーブームの火付け役となったのは、やはり「リング」であり、中田秀夫監督であると考えると、
この作品はその新しい切り口を開くような物だったのではないかと思います。
初の時代劇ですし。

で、その新機軸はどうだったかというと、なかなか良かったのではないでしょうか。

今まで色々和製ホラーを観てきているので、「物凄く怖い!」っていう程のものではなかったのですが、
とにかく不気味な雰囲気はずーっと迫ってきてましたね。

ちょっと過剰っぽい演出もありましたけど、今回は敢えて「見せない」所や、「驚かせない」所。
でも、何か近くに居るんじゃないかっていう、そういう感じる恐怖が良く出ていたように思います。

個人的には赤ん坊・・・。
普通なんですけど、これが一番不気味でしたね。

ラストのストーリー運びは、ホラーとしてどうかという考え方もあると思うし、
もっと怖い演出も沢山入れられたんでしょうけど、これはこれで上手く落ち着いているような気もします。
それでも、原作がしっかりしている分、ストーリーの運び方は見事でした。
主人公、新吉がジワジワと追い詰められていく。
その描写も含めて、目が離せなかったですね。

わりとホラーは見慣れているんですが、これはちょっと怖かったので、ホラーが苦手っていう人にはお薦めしにくいかも。
でも、逆に「最近の和製ホラーは、つまらん!」と思っている人には、少しは斬新に映るかも知れないですね。

キャスト陣には特に触れるべき点は無かったように思いますが、今回は女性陣でしょうか。
こういったホラーでは、驚かされ役の女性キャストが必ず居るものなんですけど、
今回はその女性キャストが不気味で怖かったですね。
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こちらは2008年3月14日にブログに投稿したレビューです。
自分は和製ホラー、特に1990-2000年代の“リング”を始めとする「J-ホラー」と呼ばれていた時期の日本のホラー映画は凄く好きでした。
やっぱり、怪談って言うと、夏の風物詩みたいなイメージがありますね。
で、自分は何で怪談が好きなのかと言うと、優れた怪談話には、思わずゾクッとさせられるような恐怖のオチが潜んでるからなんですよね。
映画作品にしても、やっぱりそういうゾクゾクするポイントを期待したいなぁと思うし、今作は結構、時代劇さながらの抑制の効いた恐怖演出が光ってたなぁ。

投稿者:まっどでーもん 2019年09月16日

応用編。Jホラーの巨匠中田秀夫らしく丁寧な仕事ぶり。そりゃ過去の『東海道四谷怪談』に比べたら鮮度は劣るが、女優を美しく撮るのがモットーの中田監督らしい資質が全面に出ておりそこはちゃんと評価したい。邦画らしい怨念というかドロドロ感はたしかに薄まったが、キレのあるショットなど見所は多数ある。このサイトではやけに低評価だが、本作より酷い邦画なんて山程ある。脇役の津川雅彦の珍演技だけが惜しい。

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「豊志賀の駕籠」の怖さ。

投稿者:ぴよさん 2019年07月22日

「真景累ヶ淵」は、深見新造の無体な手討ちに端を発し、その縁者達がことごとく不幸に
見舞われてゆき、20名以上の登場人物が無残に死にゆく物語だ。その禍々しさは、現代
の感覚で見ても、かなり過剰に思われる。「親の因果が子に報い連続殺人譚」が、昔の
人々に好まれたのは、血族の結びつきがまだ濃密だったことの裏返しと言える。

 中田秀夫が撮り続けた『リング』シリーズは、この因果応報系の21世紀版と言えよう。
皆川宗悦、そして豊志賀は山村貞子だ。「親の因果」が、より無差別的に犠牲者を生む。
 鈴木光司はネオ・ホラーの旗手で、『リング』はウィルス禍だったわけだが、その影に
じっとりと怪談的要素を含ませていた。『リング』が日本人にウケたのは、現代の風景の
中に怪談的な要素を(あまり感じさせないように)巧く組み込んだからでもある。
 中田秀夫のこの「怪談」の前作が、ハリウッド版の『リング2』だったことを考えれば、
ある程度、そのテイストを引きずってしまう恐れは強かった。

 しかし驚かされるのはそんな予想を裏切って、これが見事なまでに「時代劇映画」に
なっていること。冒頭の「宗悦殺し」は一龍斎貞水によって語られるという、そのままの
怪談噺。だが、続く「豊志賀の死」の章で中田は思わぬ力を発揮する。寛政年間の根津の
下町の情景を、空気を、見事に描写してみせるのだ。林淳一郎のカメラ、そして種田陽平
による美術の力にもよると思うが、屋内に差し込む光、横丁の匂い、そしてひらひらと
降る雪までもが、その時代の趣きだ。
 尾上菊之助、黒木瞳らの所作の確かさもある。しかし本格的な時代劇でも、これほど
出来の良い画は稀にしか出会わない。中田秀夫の異能ぶりに、改めて驚くところだ。
(古典的な脅しの「豊志賀の駕籠」には、ゾッとさせられた。しかし多分、外国人はあの
シーンを理解出来ないように思う。日本的怨念の婉曲表現と言おうか。現代っ子もピン
とこないかもな)

 後半、焦点が甘くなってしまうのが、惜しくてしょうがない。怪談を見せたいのか
モダンホラーなのか、情念を描きたいのかが曖昧。正統な怪談でお茶を濁すくらいなら、
ここは一気に「壊し」にかかって欲しかった。三池の『DEAD OR ALIVE』のように、
一族を壊滅させるような大カオスを巻き起こして欲しかった。そうだったら浜崎の妙な
エンディングも、浮かずに済んだろう。


(YKK1976さんの映画会 第96回) 


決闘みたいな恋愛

投稿者:さっちゃん 2019年07月21日

 はい、因果ものって苦手だったりするんですよね。親の因果が子に報いって何だか理不尽じゃないですか。ですから、原作の「真景累が淵」は読んだり聴いたりしたことがありません。
 そういうことで原作との比較はできないのですが、どうも途中から親のたたりというのが希薄になってますな。むしろ、豊志賀(黒木瞳)の新吉(尾上菊之助)に対する妄執に近いほどの愛情が呪いとなって、ただ悲しい話が紡がれているように思えます。
 レビューのタイトルは、二人の出会いの場面が妙に緊迫感に満ちたものだったせいですが、因果の発端である殺しの場面が冒頭のモノクロ映像で簡潔に(というか、あっさりと)説明されているのは、皆川宗悦(六平直政)の恨みの比重が小さく感じられ、そのせいで新吉を取り巻く女性との関係を観客に注目させるのが狙いなのかなと推測します。
 その意味では尾上菊之助という俳優を配置したのは成功だと言えるでしょう。二枚目というよりも色気がある人ですね。何だか女性を惹きつけるフェロモンを発散しているような。古風なイケメンですね。それが、どうも状況に流されてふらふらと動いているのでは自ら悲劇を引き寄せているようなものだと思います。
 そういう意味では彼の美貌自体が呪いと言えないこともないかもしれませんね。宗悦の恨みが新吉の顔に影響を与えて破滅を招くほどの美形になったと。何だか書いててレビューがギャグになってるような気がします。
 まぁ、そうはいっても『リング』の監督ですから、後半になってくると怖い場面が増えてきて真骨頂を発揮しておりますな。特に赤ん坊の口から蠅が出てくるシーンは怖い(最近、二人目の孫が生まれたばかりだから尚更)。あれは『らせん』(中田監督作品じゃないけど)で司法解剖後の真田広之のダミーを作ったスタッフの手によるものでしょうか。
 その他にも、新吉が様々な幻影(蛇が多いのは監督が怖いものだったりして)を見るシーンも演出、CGと思われる技術の両面で良く出来ております。特に死んだお久(井上真央)が天井から現れ、引っ張りあげられた新吉が、いつの間にか上下が逆転して水中に引き込まれていたなんてのは現代だからできる映像でしょうね。あと、ラストの豊志賀が新吉の首を抱いて口づけをするシーンは美的なんですが、尾上菊之助の頭がデカいせいで、どうもシュールな印象を持ったのは私だけでしょうか。
 古典的な舞台を使ってはおりますが、元の因果ものとしてはどうなんでしょう。やっぱり人間の執着が一番、怖いというお話だったように思います。

(ykk1976さんの映画会:第96回)

もったいない作品かな ?

投稿者:ロキュータス 2019年07月20日

(ネタばれあり)
僕には、いささかレビューに困る作品で褒めたい点と残念な点が双方あって評価を端的に言い難い。

まず、残念な点を挙げていくと、
皆さんレビューにある通り、エンディングの主題歌はぶち壊しに近いと感じます。

根幹に関わる部分では、キャスティングですね。
黒木瞳は美しく、例えば新吉と関係を結んでいく過程などのシーンはとてもいいのだけど、男と女になった後の艶っぽさというか、濡れた風情があまり感じられない。
うとましい女になっていく様、おぞましい化け物になっていく様が今一つに感じました。

特殊メイクをしていてもきれいであくまでクールなんですね。 美しく戻るのは新吉を取り戻した時だけでいいのではないのでしょうか。 ゾクっとする部分が希薄なんです。
麻生久美子もクールな美人です。 井上真央のお久は黒木瞳の豊志賀が嫉妬するような娘ぶりでもないですし、化けて出てもどこか健康的です。
この三人には女のいじらしさ、せつなさとは裏腹の情念や狂気はあまり感じなかったです。

さらに身もフタもないことを書きますと、今、現代において怪談を映像化することの難しさです。 
戦後の時代劇全盛期の頃は、エンタメ作品では入江たか子の化け猫シリーズなど、アート作品では『雨月物語』など、評価と興業の両面で怪談物は成り立つことができました。

しかし高度経済成長後の現代化したセンスでは、時代劇も日本の古典ものも、一般観客には陳腐なものとして受け入れる土壌が廃れたように思います。
ホラーと言えば、外国の派手にショッキングものがウケるようになりました。

怪談は現代でも落語や歌舞伎などでは、観客が想像する余地があるので入り込めますし、真打や芸達者がやる本格芸です。
しかし映像で特殊メイクやVFXを使い、視覚的に時代物の怪談を見せても、逆に作り物感、非日常感が出て、心の内面に響く怖さが出にくいように思います。

小泉八雲原作・小林正樹監督『 怪談 』はカンヌで審査員特別賞を獲りましたが、興行的には大コケで、製作したにんじんくらぶは倒産しました。
深作欣二監督『 忠臣蔵外伝・四谷怪談 』は日本アカデミー賞最優秀作品賞を獲っていますが、興行成績は3億ちょっとで大コケ。 蜷川幸雄作品も同様に振るわず。
本作も製作費12億ですが興行成績は4億ちょっと。
今や古典的な怪談物の映像化はハイブローなアートと大衆受けするエンタメのバランスが難しくヒットが難しいのです。

(と、ネガティブなことを書き連ねましたが、本作のクオリティそのものは高い。
『 忠臣蔵外伝・四谷怪談 』は僕の好みではないですが、本作ははるかに好感が持てます。
撮影、照明、美術、音楽、衣裳いずれもすばらしく、端正で美しい時代劇を堪能できます。
脚本は相米慎二、細田守作品で知られる奥寺佐渡子で、いい脚本と思います。

尾上菊之助がいい。瀬戸朝香、木村多江もよかったし、津川雅彦はさすが。
六平直政、光石研、絵沢萌子らのベテランは適格だし、久しぶりに宇都宮雅代も観られて嬉しかった。
村上ショージの使い方、意外な悪党ぶりがおもしろかったです。

いいところ、見どころがたくさんあって、好感持てる作品なのにももったいないなと言う感じです。   
情念の修羅場や怖さはないが、美しさ、哀しさはある作品です。
未見の方も観る価値はありますので、ぼくの意見など横に置いてぜひご覧ください。

(ykk1976さんの映画会 第97回のレビュー)

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怪談

投稿者:かおり 2012年03月06日

男と女の怪談は怖いです。動物の幽霊より、人の幽霊の方が、一段と質が悪く怖い。

真景塁ケ淵

投稿者:Daisy-Duck 2012年02月04日

落語の話だが、まず全編が演目にあがることはない。何故なら5時間近くかかるからで、だから落語の場合は各場面ごとに演じられます。
それを映像で全編観られるのは大変うれしい。
尾上菊野助や黒木瞳によって、幻想的な世界が出来上がっています。
ふたりともとても美しいです。

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