潜水服は蝶の夢を見るのクチコミ・レビュー

クチコミ・レビューFilmarks

3.7

観た人
8950

観たい人
8498

投稿者:yumasai 2021年06月08日

有楽町カノン

タイトルがいいのでチェック。
主観で見せるコミュニケーションの辛さはなかなかシュールな展開でしたが、看護師が気づいてくれて良かったよ。
泣ける。

投稿者:鹿男の気持ち 2021年06月08日

アーティスト×映画監督としての稀有な両面を持つシュナーベルの最高傑作
麻痺したって男は綺麗な女性が好き

投稿者:Chad 2021年06月07日

途方もない作業に敬服する。想像したら辛いけど生きる強さを感じる凄さ。美しい作品です。

A級(ランク詳細はプロフィールに)

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クチコミ・レビューTSUTAYA DISCAS

ヘビーな状況なのに、やわらかくふわふわした映像で人生を語る。

投稿者:真 2018年12月21日

不覚にも涙がこぼれた。
見ている最初から、まるでジャン・ドー(マチュー・アマルリック)の体内に
わたしが入り込んでしまっているような感覚になってしまって、
どんどん気持ちが入っていった。

自分自身、似たような経験の塊がいくつかあるからかもしれない。

病気だったり、妊婦だったり、いじめだったり、
そういうのは実際に経験してみないと実感として理解できない。

うすオレンジ色に光る薄皮を通して、
うすぼんやり周囲の風景がゆらぐ。
誰かの声が途切れ途切れに耳に入ってきて、自分に起こった、実際に起こったんだという
確認とともに現状を理解していく。

主人公、ジャン・ドーはあのELLEの編集長。
実話であること、そして、あのELLEの編集長がこんなことになっていたことに
衝撃を受ける。
全く知らなかった。

ELLEと言えばヴォーグと並ぶ世界の2大ファッション紙で知らない人はいないだろう。
トップであり、ファッション業界という華やかな世界。
仕事も順風満帆、郊外の大きな家に住む家族の元へはジャガーのオープンカーで乗り付ける。

しあわせ
成功者
それを絵に描いたような人物だ。

地味な人生を歩く一般人のわたしでさえ、尿管に管を通され、酸素マスクをつけられ、
栄養は点滴から、という体験や、背中に鉛を流し込まれたような感覚で寝たきりになって
しまって親に逆に世話をしてもらうという境遇は辛くてたまらなかった。
悔しかった。

ジャンドーの落差はわたしの比ではない。
世界のトップから、左目しか動かせないという奈落に一瞬にして落とされたのだ。

目は覚めたものの、そこに待ち受けていた現実はあまりにも受け入れがたいものだった。
彼の表現はまさに言い得ていて、
潜水服を着せられたような、
その状態が一生続くのだ。

当たり前のことが、当たり前でなくなる。
記憶に残るきらびやかで楽しい世界は、もう脳内でしか再現できないのだ。

愛人に触れたい。
綺麗な女の人が目の前にいるのに触れるどころか、声をかけることすらできない。
うまいものをたらふく食べたい。
でも、醜くゆがんだ唇は意思に反して動かず、よだれが垂れる。

言語療法士さんが根気づよく、瞬きによる意思伝達方法を訓練してくれる。
自分は、瞬きしかできないのだ。
よだれが出ても、それを幼い息子にふいてもらうことしかできないのだ。

年老いてアパートから出ることのできない父親からの電話。
そのやりとりは、言葉にならないいろんな感情がおしよせてきて、
ほんとにたまらなかった。

カメラワークが素晴らしい。
ジャンドーの置かれた状況に自身を重ねられるような、体内と脳内を体験できるような
映像の流れ。
視界が健常ではなくなった彼の、光や色彩の感じ方。
閉じ込められた体内で、叫び、もがく姿。
すべて、外から説明的に表現するのではなく、内側から感覚的に表現している。

介護する側、医療を施す側にすれば毎日同じような患者を次々みていき、
ジャンドーも数多い患者の一人にすぎない。
ともすれば機械的になってしまうのは理解できなくもない。

でも、される側、ジャンドーにとっては人生が大きく変わる出来事で、
介護する側にとっては小さなつまらないことでもジョンドーにとっては
超重大なことだったりして、介護(あるいは看護)する側、される側のギャップも
クリアーに描かれていて、なるほどなあと思った。

すごくシビアで悲観的な状況なんだけど、映像がとてもやわらかでうつくしく、
しゃがれ声のトム・ウエイツの歌や、U2の曲が流れ、ジャンドーもとてもユーモアに
あふれた人で、心の中のツッコミがおもしろくてヘビーすぎずよかった。

ずっと見たいなと思っていた映画だったけど、なんとなく勝手に難解なイメージで
後回しにしていたけど、すごく面白くてすぐに入り込めて分かりやすく、
そして心に響く映画だった。
ジュリアン・シュナーベル監督のデビュー作、バスキアは映画館まで見に行ったけど、
そんなに印象に残らず。
でも、「潜水服は蝶の夢をみる」はほんとにいい作品だった。

夢は夢でしかなかったのか

投稿者:趣味は洋画 2018年09月23日

潜水服は蝶の夢を見る(2007年フランス・アメリカ、カラー112分)

どんな言葉をつないでも、どんな単語を絡ませても、この映画のことを語ることは難しい...正直そう感じてしまう映画でした。そして、「運命」とか、「神」とか、そういう言葉を簡単に使ってはいけない...そうも思わせる映画でした。

まず、この類いまれな作品タイトルの意味をウィキで調べてから観ました。ーーー「潜水服」とは閉じ込められたジャン=ドミニク自身の身体的な不自由さの象徴。「蝶」はそんな状態の中でも自由にはばたける心を意味している。ーーー そう記されてありました。

映画の冒頭は、北フランスの海辺の街ベルクの海軍病院の一室です。3週間に及ぶ昏睡状態から目覚め、意識を取り戻した42歳の男、ジャン=ドミニック・ボービー(マチュー・アマルリック)の心の叫びから映画は始まります。意識と記憶はあり、音は聞こえるものの、自身で話すことができません。身体を動かすことも出来ないと悟ったボービーに対し、担当医は、全身が麻痺するロックトイン・シンドロームであることを告げます。世界的なファッション誌の編集長として華やかな生活をしていた彼は一転、唯一動くのは左目だけという想像を絶する世界へ突き落されます。そこから「潜水服は蝶の夢を見る」という本をいかに出版していくことになるのか、ボービーの想像力と記憶力、そして周囲の渾身のサポートを骨格にし、観る者を惹きつけてやまない奇跡の人間ドラマに出会うことになります。

言語療法士のアンリエット(マリ=ジョゼ・クローズ)が導く、左目の瞬きによるコミュニケーションには驚かされました。映画のスクリーンでも、その状況がまるでカメラのシャッターを切るかの如く表現されていました。しかも、使用頻度の高い順に並べられたアルファベット文字から読み上げていくという手法、なるほどと感心しきりです。ボービーが生きる希望を得た原点は、そこにありました。

映画はボービーの過去の記憶の中も描いていきます。
父親パピノ(マックス・フォン・シドー)の髭を剃ってあげたこと、3人の子供たちとの触れ合い、恋人ジョゼフィーヌ(マリナ・ハンズ)と行ったルルドの記憶、等々。

それら、ボービーが過去を旅する様子は、ポーランド出身の名カメラマン、ヤヌス・カミンスキーの卓越したカメラワークが魅せてくれます。現実の場面も、主人公の目線を中心に、様々な角度からの映像描写がリアルです。

主人公を演じたマチュー・アマルリックは、08年「007/慰めの報酬」で巨大組織の幹部ドミニク・グリーンを演じていました。2013年「グランド・ブダペスト・ホテル」にも出ていましたが、あまり印象に残っていません。その彼が、既に本作で難しい役柄に挑んでいたのですね。

そして主人公の妻セリーヌを演じていたのは、ロマン・ポランスキー監督夫人のエマニュエル・セニエ。
92年「赤い航路」で強烈なインパクトを残した女優サン。オールド・ファンにはエマニュエル・セイナーのほうがしっくりくるかもしれません。

共演者のひとり、ジャン・ピエール・カッセルについても触れておきたいと思います。
本作ではルシアン神父を演じていましたが、彼の遺作となりました。(2007年4月19日死去)
74年「オリエント急行殺人事件」の車掌役、78年「料理長殿、ご用心」のシェフ役は絶品でした。
ヴァンサン・カッセルの父親でもありました。

撮影は、実際にジャン・ドミニック・ボービーが療養した海軍病院で撮影されたそうです。

もし自分がなったら・・・

投稿者:Yohey 2017年06月29日

もし自分がなったらとうなるだろうか。そんなこと思いながら見てました。この方は死にたいという思いも持ちつつも、過去の経験から生み出す妄想を楽しんだっていうのがあって、そら嘘やろ。って思うのですが、実話だから、本当なんでしょう。

献身的な元妻よりも恋人に会いたいと思う男。人間だなあ、なんて思いましたね。展開がいい感じだったのでラストはちょっとびっくりしましたが・・・これは物語ではないんだ、ということなんでしょうね。

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クチコミ・レビューTSUTAYA

まばたきのお話

投稿者:かおり 2012年03月19日

この映画の原作を書いた二人(全身麻痺の男性と看護士)の、情熱と力はすごいと思いますが、映画には、それを感じられませんでした。断片的な映像ばかりで、詳しい話の内容が乏しかったからでしょうか。 また鑑賞してみようと思います。

それが彼の人生なのだから

投稿者:よしこ 2011年11月09日

この作品は、主に2つの見方がある。
1つは障がい者になった男が何を考えているかと、周りがどう関わっているか、での見方。いろんな困難があるだろうけど、意識、卓越した表現力、表現せずにはいられない性格、辛抱強くケアしてくれる心強い専門家(私はこの人も主人公と同じくらい凄いと尊敬してしまう)のおかげで、この作品が生まれた。ELLEは数多くあるけど、彼はたった一つのすばらしいオリジナル作品を残した。
「人はそれぞれ別の存在。障がいがあろうとなかろうと、それが彼の人生なのだからそれでいいのよ」と、個人主義フランスの思想が根底にある気がする。
もう1つの見方は、この映画が画家監督によるもので、北野武の黒澤明評「どこを切り取っても名画である」を思い出した。名画をパラパラ漫画で見てるような、美的感覚が際立っている。

ゆめ

投稿者:にょろ 2010年07月05日

たとえ身体が動かなくても、彼は想像の中で、海を泳ぎ、草花を咲かせ、子供たちを抱きしめる。要するに、人はその人が本来持っている性格によって大きく人生が変わるようだ。五体満足でも不幸せな人もいるし、身体が不自由でも想像力に富み、素晴しい創作をする人もいる。現状に不満を持っている人に見てほしい作品だ。

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