殺人に関する短いフィルムのクチコミ・レビュー

クチコミ・レビューFilmarks

3.8

観た人
431

観たい人
822

投稿者:フラハティ 2019年04月18日

僕の名前を誰も呼ばない。


「暴力という行為をただ描いた。」
三人の男が一つの殺人に繋がっていく。
それは運命か。
ただの暴力か。
そういえば運命についての映画を最近観たが、本作もそう思う。

決められた運命の中で、自分の手中にあるのは絶望だけ。
おそらく、この世界そのものが僕を拒んでいるのだろう。
言いようもない苦しみは誰にも伝わることは許されず、すれ違う人々は心も通わない。
あの子たちが笑っている瞬間、嬉しくもなり虚しさも残る。
消えていく視界と、黒く塗り潰される現実。


冒頭からイメージされる“死”というイメージ。
ポーランドの暗い過去が推察される雑多な街並み。
フィルターがかかった世界に希望は見出だせないが、また違う人間には希望に溢れた未来がその目に映る。
同じ人間でも、導かれる華やかな世界があれば、暗くどんよりとした世界がある。

「あのとき僕が何かできれば変わっていた。」
人生というものは結局この連続で、どうにもできない事象に対し、何でもなかったと思ってしまうことが多い。
弁護士は決して正義であるわけではなく、人としての正義というのも正解はないのだろう。
善と悪の境界線の先にまだ光があるのなら、その未来に賭ける。
きっとそれは人としての行いと、大義としての正義を己のなかに信じているから。
人間の本質的な優しさが垣間見えるが、同時に傲慢さや暴力さが描かれることで、形式化していく社会。
あのとき呼んだ名前を忘れたくはない。


殺人が行われた事実は変わることはない。
なぜこうなってしまったのかを環境のせいにしたとしても、結局は自分が起こした行動であり、それは暴力に起因する。
本作のラストで加害者に同情するのは違うだろうし、運転手に同情するのも違う。
社会を公平に見ようとも、違和感が心を離れない。
その違和感の原因は、これはただ暴力を描いただけだからなんだと思う。
正義とは一体何だろうとか、運命の悪戯とかそんなものは人間社会には存在しない。
そこに殺人に関するフィルムが羅列されているだけ。
人間が存在する限り、このフィルムは永遠に続く。

投稿者:Ukosaaan 2019年04月06日

意地悪なタクシー運転手と、司法試験に受かった新米弁護士と青年が一つの犯罪で繋がる。
淡々とした中、無気力な青年が感情を表すのは二つの殺人シーンのみ。
ホームビデオのようなカメラとフィルターをかけた独特な映像で、冷酷さや不安感を募らせる。それが作品自体によりインパクトを与えていてグッと重くなるけど、死を以って償いとなるのかは永遠のテーマですね。私なら爪剥がしの刑から始めます。

投稿者:歩くチブ 2019年03月19日

人の死は理不尽で呆気ない。

孤独な青年ヤチェックが人を殺す為のロープを手に巻きつけていたその日その時同じ喫茶店で、弁護士試験に受かり将来への希望に満ちたピョートルは妻と語り合っていた。
実はピョートルとタクシー運転手の二人もまた、道路で出会っている。タクシー運転手はピョートルが喜びで舞い上がっている姿を車の中から見て鼻で笑っていた。顔を覚えるほどの出会いではない。
見知らぬ者同士だったはずの彼ら三人が事件をきっかけにお互いの人生に拭いきれないほどの影響を与え合うことになる。

トイカメラで撮ったような薄暗い映像が空虚で冷たい都会の空気を鮮明に切り取っている。見事な閉鎖感。この映像だけでも充分観る価値のある作品だった。

それに加え殺人シーンの生々しさは尋常ではなく、終わり方も救いがない。ひたすら現実を見せつけられてるような感覚になる。
汝、殺すなかれ。人が人を殺すことに正義も悪もないのかもしれない。

もしも、こうなる前に誰かが彼の名前を呼んでいたらどうなっただろう。三人は死ぬまで他人のままでいられたのかもしれない、冷たい都会の中で。

ちなみにポーランドでは1998年に死刑制度は廃止されている。

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クチコミ・レビューTSUTAYA

観てくれ!

投稿者:大人アレルキ゛ー 2013年12月15日

『テ゛カローク゛』の中でおそらく一番好きな話の劇場版。

この映画が公開された後、ホ゜ーラント゛では死刑制度が廃止になったそうです。

命の重さについて、法律とはいえ復讐として人命を奪っていいのだろうか?

主人公の荒んだ心を表しているかのような色合いの画面、カフェのシーンで主人公が唯一見せる笑顔やリアルな殺人&死刑執行シーン、弁護士の悔恨溢れた叫びetc.
忘れられない印象的な名シーンの数々。

間違いなく名作です。

殺人を起こすまで、起こしてある

投稿者:かおり 2012年03月17日

題名そのままの映画でした。フィルムなので、あくまでも、フィルムです。

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