ゴンドラのクチコミ・レビュー

クチコミ・レビューFilmarks

3.7

観た人
739

観たい人
1089

投稿者:Koreeda 2021年04月29日

theインディーズ映画といったかんじで、登場人物の表情や演技に荒々しさや生々しさがあって見ごたえがある。
かがやがとても10歳には見えない。。。彼女の第一声がドスの利いた声だったのが印象的。声の低さとか多くを語らないところがミステリアスで芯の強い女性、って感じ。彼女抜きにはこの映画が名作として語られることはなかっただろう。
女のコ×オジサンの組み合わせは最終的に警察が絡んでくるのがセオリーなだけに、何も起こらいのが逆に新鮮だった。男の方にそういう目的が無かったからかな?いや、あったのかも。はじめの生理?のシーンでキング原作キャリーを連想させただけに、破滅的エンドになるのかとヒヤヒヤしていた。まあ後で警察沙汰にはなるだろうな笑
監督がこの映画で借金まみれになって、av監督になったのおもろい。女の子の撮り方が完全に性的に見てたし納得はできる、今ならアウトだろうなぁw

投稿者:すぽ 2021年04月24日

当時監督がやっていたイベントスペースでの絵描き教室、その夜の部に大人達に混ざって一人の少女がいた。強烈に興味を惹かれた監督との出会いがこの映画のきっかけだそうで。

常に不機嫌そうで無口な主演の上村佳子を当て書きのように映したこの作品は孤独をみに纏う少女のリアルそのものに思えた。

似た物同士のような青年との出会いで見せる変化も演技とは別の生々しさを感じずにはいられない。

投稿者:こんこん 2021年04月08日

田舎から出てきて友達が一人もいない孤独な青年と、学校にも家庭にも居場所を見いだせないこれまた孤独な少女。まさに「出逢うな危険!」である。
こう書くとやや危うい恋愛モードになるかと思いきや、実際は少女が閉ざしていた心を少しずつ開放させていく癒やしのストーリーとなっている。

鑑賞後知ったのだが、主演の上村佳子さん自身が引きこもりで、心が荒んだ状態だったのを、監督がロケハンの旅で少しずつこころを開かせ、出演させたのだという。言わばこの作品は、上村さん自身のドキュメンタリーでもあった。

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クチコミ・レビューTSUTAYA DISCAS

「父親」を核に繋がる少女と青年。

投稿者:MIGHTY MOE AND JOE 2020年01月26日

昨年末にネットニュースで飛び込んできた
「映画秘宝」休刊の報は、ショッキングなものでした。
高価なので自分は購読できなかったけれど、
書店に新号が並ぶのが楽しみな雑誌の一つでした。
自分にとって、映画、特に過去の邦画の
隠れた名作・奇作を観進めていく指針が失われ、とても残念です。

巻頭カラーでのヒーローやフィギアに対する
意図的な「子供っぽさ」への拘り、
その一方で深過ぎる映画愛と見識に溢れた特集記事、
しみじみとした人選が絶妙なインタビュー
(最近ならホーン・ユキさんが良かった)、
杉作J太郎先生はじめ
サブカル魂漲るちょっとしたコラム……
そのすべてが、世に溢れる
「~のためになる」とか「~を考えさせられる」といった、
映画を「啓蒙と教育と政治の道具」に貶める
偽りの映画愛と対極にある、真の映画愛に満ちていました。
それだけに、何らかの形での復刊を祈るとともに、
やはり志の高い出版物は、消費者としても
きちんと買い支えないといけないなと痛感しました。

前置きが長くなってしまいましたが、
本作も映画秘宝さんでのDVD化を知らせる記事が無かったら
観ることなく過ぎていただろう一作。
一部で非常に評価が高く、自主上映の輪が広がる中で
DVD化が実現した「伝説の」作品とかで、
随分意気込んで観てみました。

しかし、僕の期待値が高過ぎたのか方向が間違っていたのか、
正直、観終わった直後は
「あれ、このまま終わるの?」といった感じで、
思ったほど僕の心には共振するものがありませんでした。
いかにも「カルト的な名作」だと身構えて
衝撃やインパクトを期待すると、
その穏やかで淡い詩情に少々肩透かしを食らいます。

「孤独な少女と青年の出会い」というと、例えば
「シベールの日曜日」が思い出されますが、
あれほど痛切な感じではありません。
孤独とはいえ、少女は母子家庭で学校でも孤立しているけれども、
虐待や育児放棄を受けている訳ではないし、
青年も都会では独りだけれども、
温かい実家や故郷と断絶している訳ではない。

「傷つけられた痛ましい魂の邂逅」というよりは、
家族、中でも「父親の喪失と再生」を共通項とした二人の
「ひと夏のメルヘン」といった感じでしょうか
(「ゴンドラと海」が本物に変わる、という物語も含め)。
現在なら、実写よりもアニメで表現されそうな世界です。
舞台が東京から青森に移るにつれて、
年相応に可愛らしくなっていく
少女の表情の変化がとても印象的でした。

公開はバブル期真っ只中の80年代後半。
誰もが都会で浮かれていたからこそ、こういう静謐で
「地方には都会が失った温もりや心がある」といった幻想が
まだしも有効だったのかもしれません
(現在、僕たちの目の前に広がるのは、
「都会には都会の、地方には地方の地獄がある」という、
それ自体当たり前の現実だけ。
同じ地獄なら、まだしも繁栄と文化のある都会へと
人々が向かうのも、また当然のことでしょう)。

いずれにせよ、少女の「覚醒しながらの夢」の映像や、
画面が褪色してからの回想シーン、東北の海と夕焼けなど、
観ている最中や直後よりも、日常を生きる中で
作品世界がじんわりとフラッシュバックしてくるような、
「遅効性の充実」が得られる良作です。




※余談ですが、この作品でデビューした伊藤監督は、
現在全く異なる映像分野で「巨匠」と呼ばれる大家として
活躍されているそうですね。
数々の賞を受け、海外の映画祭にも度々出品された
こんな詩情溢れる映画を作った方が、何故……
映像に携わる人として、あまりに
「完璧主義で潔癖」なことの裏返しなんでしょうか。
そういう分野から一般映画へ、というのは
よくあるキャリアですが、その逆パターンというのは
あまり聞いたことがありません。
その事実を知って、伊藤監督が再度
「普通の映画」も撮れるよう、応援したくなりました。

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