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ジイドの美しい「田園交響楽」が伝えきれなかった陰惨さ

投稿者:なんの因果 2017年09月21日

アンドレ・ジイドの文学作品「田園交響楽」を邦画にしたもの。
昔、「田園交響楽」を読んで、受容出来ないというか、理解しにくい所があった。
1946年の洋画「田園~」を見ても、ますますわからなかった。
今回、偶然「瞳をとじて」という2013年作品がある事を知り観てみました。

簡単にあらすじ紹介しますと、鎌倉で子どもたちを更生させる活動を行う神野(萩原流行)は、
親に虐待された盲目の少女、百合絵(福地亜紗美)を引取り教育していくうちに、
一人の女性として愛するようになる。
百合絵に目の手術を受けさせるが、目が見えるようになった百合絵は神野の息子、孝之(前川紘毅)を愛する。そして・・。という悲劇なんですが。

ジイドの原作は格調高く、美しい言葉が旋律を奏でるような気品があります。
それだけに「犬のような生活で言葉も発せず、手づかみでモノを食べる盲目の少女」が、
いかに牧師の尽力と熱意があったと言え、「驚くばかりに美しく、教養もある娘」に育った、
という所が、ウソくさいというか、そんな事ある?という感じでした。
手術で眼が見えるようになって、喜ぶどころか「世界はきれいなのに人の心はこんなに醜い」
とかって自殺しちゃうし。(・・おいおい!)

前置きが長くなりましたが、「瞳をとじて」では、(私が期待していた「人間の醜悪さ」が
イヤというほど描かれます。)
あぁ、私はジイドが都合よく美しく書きすぎていたから消化できず、良くわからなかったんだよ、
牧師は偽善者。正当化して悩むふり。家庭を顧みず養女にばかり尽くす牧師に妻が怒るのも当たり前。
(ノーベル文学賞受賞のアンドレ・ジイドに文句を言ってる私です。ワハハ・・!)
とにかく、萩原流行は、それが必要だったのかと思うほど変態的な場面あり、見たくもない
オナ○○シーン等、特筆すべき演技です。日本人顔の福地亜紗美も犬小屋での小汚い場面から
海辺でひとつひとつ名前を覚える場面、息子の方と愛し合う場面など、このコなら流行さんも執着するわな、という感じをうまく出せていました。
ラストは原作にない壮絶すぎる幕引きになってます。
このように作ってくれた葉山陽一郎監督に私は感謝です。
(流行さんは2015年、バイク事故で他界されました。合掌。)
(見たくもない変態、て書いてごめんね。すごい演技でした。)

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