ヒトラーへの285枚の葉書のクチコミ・レビュー

クチコミ・レビューFilmarks

3.6

観た人
1259

観たい人
1708

投稿者:のんchan 2021年01月08日

観たい作品が増え続ける。
そこそこ暇のある私は、仕事を抱えている映画愛好家さんに比べたら、頗る鑑賞時間が多いものの、若くないのでこれから先に何が起きるか解らないし、観られる作品数は限りがある
そんな中、やはりヒトラー関連作品はキリのない程ある中で選んで観ていきたい‼️

この作品もマイリストに入れてあった。
ヴァンサン・ペレーズ監督は、スイス出身の俳優でもある。父はスペイン人、母はドイツ人の家庭で育ち、18歳でフランスに移り、パリで演技を学び舞台を経て映画デビュー。そんな環境にあれば、常にナチスを感じないで暮らせはしなかっただろう。

実話が基になっている作品はやっぱり真実味があり、身を斬られる思いが伝わる。

最愛の1人息子が戦士したドイツ人夫婦が、悲しみの憤りをヒトラーに対しぶつける。あくまで個で、夫が1人でペンをとり、葉書にメッセージを託す。それを街中に1枚づつこっそりと置いて行く...という、武器ではなく、ペンとカードでナチス政権に抵抗した。

「ハイルヒトラー!」と言わねばならぬ時代、一言でも反する言葉を書こうものなら即刻に死が見える。解り切っている中で、命懸けの勇気のある行動だった。

285枚作ったもののうち、267枚が回収された。それはゲシュタポの捜査担当する1人の警部だった。心優しい真っ当な人間だったが、当時の異常な政権下で任務を果たすしかなかった。

夫妻は逮捕され刑務所へ。そしてギロチンで処刑された。警部は自責の念に駆られ拳銃自殺する...


ナチス絡みの作品は、何本観てもやるせない気持ちしか起きない。
それでも真実をもっと知りたい願望が抑えられない。人間が人間らしくいられる時代を人間が作らなくてはならないから‼️
それは非常に難しいのだけれど...

投稿者:zogli 2020年12月13日

原作は小説だが事実から着想を得た模様

抑えられた色彩での画面作りは好ましい
白薔薇運動とかの国内レジスタンス活動をテーマにした映画はどれも地味なんだけど、これはさらに舞台がベルリンなのに英語作品だし出演者にドイツ語ネイティヴこんなにいるのに何故SS大佐がスウェーデン人俳優なんだろう???みたいなアレが引っかかって記憶の彼方だった
正直大佐に殴られ足蹴にされて血塗れのダニエルブリュールのエロさのイメージしか残ってなかったのだけど、気に入りの俳優の出演シーンを確認するために再見

てかこれ警部、2-3年くらいで反ナチになってる事になるんだよなぁまったく親衛隊はクソだな!


以下は完全に個人メモ

ルイスホフマン: 冒頭の森と脱走兵射殺シーンが不謹慎だけど儚く美しいのはこれがルイスホフマン故でありキャスティング大正解である
出演シーンこれだけだしセリフ皆無なのに鮮烈

ダニエルシュトレサー: エッシャリヒ警部の部下、ツォット
ペルジッケ末弟がバルクハウゼンの盗みをチクって連れてきたトレンチコート男のスタイルが良すぎて驚いてたらダニエルだった 後半の黒革のコート姿も良い 脱帽するとますます小顔で見ているこっちがオロオロする
ここでも相変わらず口髭だが劇中最イケ間違いなしである
主演のtatortよりも喋ってんじゃねえのか問題

ヤーコブマッチェンツ: “戦場から戻ってきた(ニュアンス的には負傷による前線離脱と受け取れるが詳細不明)”ハンスの同級生、ディートリッヒ役 教師をしている
こんなに胡散臭く無い役やるの珍しいな!けど出番が少なすぎると言うか、学校でカード撒くのを思いとどまらせるためだけに息子の同級生とか名前まで出して出演させる必要あるのかなーいなくても成立してた話だし
原作では重要な役だったのかもしれないが完全に添え物
しかもハンス役のルイスホフマンよりだいぶ年齢が上なので同級生???ってなるしな…

ラファエルガレイゼン: 役名ヘルベルトヴェゲナーのはずなんだが…もしやダニエルの連れてきたオルポなのでは???と思ってたらエンドロールでポリスマンって出てきた 完全に当たってた
ハイルヒトラーとNO!しかセリフ無いのかよー残念

ヨシュアグローテ: バルクハウゼンがユダヤ人老女の部屋に盗みに入ったところを取り押さえたペルジッケ家の男たち4人のうち1番後ろにいる男 軍服を着ている
その後バルクハウゼンかあるいは共犯の男をドアの外に追い出している
セリフはないが顔はわかる
金髪長身の末弟バルドゥアの方が明らかに重要な役だしトータルで出番10秒未満では無いかと思うがなんときちんとアウグストペルジッケという役名まである(呼ばれることは全く無い)

投稿者:3 2020年10月31日

大衆の歓心を得るのだから当然ながらカッコよさがあるナチスの制服やシンボルが、孤立無援の抵抗を行うには恐ろしい「数」という風に目に写り、全体主義の恐ろしさを改めて体感した。

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クチコミ・レビューTSUTAYA DISCAS

本当の敵は自国人。

投稿者:casey25 2018年03月05日

最愛の息子は戦死 、反ヒトラーで肝の据わった夫婦の物語。だから逮捕、死刑は2人の想定内で命乞いも言い訳もしない。他ではあまり語られない隣人のユダヤ人との交流や親衛隊(いわゆるSS)家族の特権意識などが興味深い。
夫婦が人通りの多いビルの階段に置き続けた反ヒトラーの葉書の文面は作者のひととなりを反映してか
意外と素朴。それが却って印象的だ。
考えてみるとこの映画の舞台となったベルリンでは後にソ連軍との壮絶な市街戦となり多くの市民が死に
多くの女性が暴行されたことを考えるとむしろましだったなどと考えてしまう。

沈黙を破る告発

投稿者:趣味は洋画 2017年12月25日

ヒトラーへの285枚の葉書(2016年イギリス・フランス・ドイツ、カラー103分)

ドイツの作家ハンス・ファラダ(1893~1947)のベストセラー小説「ベルリンに一人死す」を映画化、ナチス時代のドイツで起きた実話が基になっており、その展開に胸が締め付けられる...。

1940年ベルリン。オットー(ブレンダン・グリーソン)とアンナ(エマ・トンプソン)のクヴァンケル夫婦のもとに、1通の軍事郵便が届く。それは愛する一人息子の戦死通知だった。悲嘆にくれるアンナは、息子の死は‘あなたとヒトラー総統のせいだ’と夫になじり、オットーは黙って仕事場へ出かける。
オットーは木工工場の職工長で、生真面目な性格だ。同じアパートにはユダヤ人老女(モニーク・ショーメット)が住んでいるが、ある事件の発端がもとで老女は自殺してしまう。日ごろからナチの体制に不満を抱いているオットーは、息子の死に加え、職場の環境改善も受け入れられないことから、ある決意を固め実行に移す。それは、ナチの体制批判を葉書に記し、ビルの階段に1枚づつ置いていくというものだった。路面電車を乗り継ぎ、場所を変えて次々と葉書を置いていくオットー。夫の抵抗活動へ協力する妻アンナ。当局も捜査に乗り出し、ゲシュタポのエッシャリヒ警部(ダニエル・ブリュール)が捜査に当たる。進展がない中、オットーは葉書を置き続けていたが、思わぬところから綻びがでる...。

フランスとの戦争に勝利し、戦勝ムードに沸くベルリンにあっても、実際には市民の心の安住は無かったのであろう。体制批判、人間が人間を監視する状況、人間不信、これらが「無言の抵抗」となり、沈黙を破って「訴え」から「告発」に変わっていく...そんなことを感じた。
静かに淡々と展開する流れだが、サスペンス性もあって103分はあっという間に過ぎる。

朴訥なオットーをブレンダン・グリーソンが好演している。
アイルランド生まれのベテラン俳優で、デビューは35歳と遅咲きだが、近年の活躍ぶりは目覚ましく、脇役として話題作に欠かせない存在となっている。
クレジット1位のエマ・ワトソンの演技も素晴らしい。
セリフの少なさを補って余りある「表情の演技」は、夫を支える芯の強い女性役としては最も適した女優サンだったかもしれない。
2人は「ハリー・ポッター」シリーズでも共演しており、夫婦役として息もピッタリだ。

作品に付随して2人のインタビューが収録されているが、映画を観た後だけに、これは必見の思い。

又、ダニエル・ブリュールがゲシュタポの警部に扮しているが、彼はナチスものとして06年「ナチスの墓標/レニングラード捕虜収容所」にも出演、ドイツ人捕虜を演じていた。
しかし、2013年「ラッシュ プライドと友情」のレーサー、ニキ・ラウダ役とのギャップが大きく、これにはビックリしたのが正直な気持ち。

ハリウッド映画には到底真似の出来ない、心に染み入る奥深い映画でした。

父は憤りを手紙に綴らずには、いられなかった。

投稿者:カマンベール 2017年12月04日

平凡なドイツ人夫婦の、ヒトラー政権への、ささやかで偉大な抵抗の
映画です。
1940年6月11日にオットーとアンナ・クバンゲル夫妻の息子ハンスは戦死しました。
どうしようもない怒り、憤り、悲しみはオットーに、ヒトラー政権への批判を綴った手紙を書かせた。
一枚一枚手書きのポストカード。
手袋をはめ、字体を変え、一時間半かけて書いたポストカードは、
バスを乗り継ぎ、いろんな場所にそっと置かれた。
2年の歳月をかけて書いたポストカードは285枚。
一番に皮肉なのは、オットー夫妻を捜索したエッシャリヒ警部が、
誰よりもの読者であったことです。
オットーの言葉はエッシャリヒ警部の心を射抜いていたのです。
地味な映画です。
監督は往年の美男俳優バンサン・ペレーズ。
主演はエマ・トンプソンとブレンダン・グリーソン。
エッシャリヒ警部はダニエル・ブリュール。
独・仏・英国合作の心打つ佳作・良心作です。
是非ご覧ください。

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