主任警部モースのクチコミ・レビュー

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「主任警部モース」第12巻

投稿者:ちゅく 2018年01月23日

第12巻は、「ハッピー・ファミリー」、「モース イタリアの事件」。
この巻も、どちらも、推理ドラマとしてよく出来ています。
とくに、後者は、オペラ好きにとっては、最後の場面が素晴らしいと思います。

●「ハッピー・ファミリー」

結末まで見れば、この題名は、誠に皮肉だったと分かります。犯人は、やはり、最後まで分かりませんでした。
書物とその題名が、ヒントになっていたのでした。家族とその周辺の人物関係が、複雑怪奇です。
家族を持てなかった若い女性は子供のように幼いのですが、その眼が最後まで悲しいです。


●「モース イタリアの事件」

「クラーク」という男が主宰する「セルフ・トラスト」という啓発セミナーがあり、イタリアのヴィチェンツァ(ローマの南方)の館の庭で儀式が行われています。
冒頭、焚火を囲んだ参加者は、クラークの指示のもとに、「過去を焼却します」と呪文のように唱えながら、自分の抱えてきた「負」にまつわる物を火に投げ入れます。
最初の眼鏡の謎の男「アンドレアス」は「君とは終わった…これが運命だ」と言って手紙を投げ入れる。
次の女「パティ」は、裕福なパーティー好きの中年女性で(自分の非行を棚にあげて)非行に走った息子のセーターを焼く。「自業自得だわ」
次の女で昔、高名なソプラノ歌手でった「ニコール」は、ショールを焼く。「不安も恐れももうたくさんです」」
次の男・大学教授「アリステア」は、一本のカセットテープ。「倦怠を葬る過去を焼却します」→館には、心を病んでしまっている妻「ジュディス」がいた。
次の女・大衆作家「メイ」は一冊の本を焼く。「駄作ね 過去を焼却します」→彼女の夫「ケネス」も館にいたらしい。
……。

会が終わったあと、「メイ」が森の中で、樹の幹に打たれた太い釘に刺さって死んでいるのが見つかる。近くには、「ジュディス」がいた。

死んだ「メイ」の夫「ケネス」が、オクスフォードで、「私は脅されていた」と証言する。
モースは、過去、英国で起きた詐欺事件とその被害者の自殺事件で、「クラーク」を捜査したことがあり、イタリアへ派遣される。(自ら赴く。)
「クラーク」を演じるのが、マイケル・キッチン。「刑事フォイル」「警部フォイル」の主役を演じていたが、ここでは正反対の詐欺師を好演している。

ルイスは家族サービスの予定があったが、「鞄持ち」として、イタリアに同行する。
航空機でローマに着き、そこからヴィチェンツァまでは、鉄道で行きます。
イタリアの場面では、ヴィヴァルディの音楽が明るく鳴ります。
「朝飯は路上で食うのよろし」とモースが言うと、ルイスが「この国の納税者は大変ですよ」と言います。
ルイスが、「パティ」と踊る場面が楽しいです。
いつもながら、モースに引っ張られているばかりのルイスですが、楽しむことを知っているところが、彼のキャラクターですね!

興味深いのは、ソプラノ歌手「ニコール」の存在。昔は名歌手で、モースもその時代のレコードを愛聴していました。
彼女は、舞台恐怖症に陥り、「消えた歌手」になっていたのですが、「クラーク」のセミナーで自信を取り戻しました。

まず、パーティーで、ヴェルディの『リゴレット』の「ジルダ」のアリア「Caro nome」(「慕わしき御名」)を歌います。
モースは、彼女の復活を信じます。
彼女は、葡萄園とワイン醸造を行う大邸宅に住んでいますが、ワイン好きのモースに飲ませるワインが無いのです。
冷蔵庫に数本のワインが数本、立っていますが、その下に何か「脅し」の写真が入っていて、彼女は扉を閉めてしまう。
彼女の夫は、彼女の全盛期に彼女と結婚したのですが、どうも本業に熱心ではない。趣味の「古文書」研究と装飾文字の作成に凝っている。
モースは、「古文書」に興味を感じます。

最後、「ニコール」は、プッチーニの『トゥーランドット』の「リュー」のアリア「Signore, ascolta」(「お聞き下さい、王子様」)を、
イタリアのアレナ・デ・ヴェローナ劇場で歌います。ここでの歌唱が、彼女の復活を約束するのですが……。
この劇場は、ヴェローナ(ローマの西方)にある、古代ローマ時代の円形闘技場で、青天井なのですが、擂鉢状になっていて、音響がとても良いようです。
まず、リハーサルで、モースは一人で、「ニコール」の「Signore, ascolta」を聴くのですが、贅沢です。途中で「アンドレアス」が登場し、途切れますが……。
本番で、劇場の全てが観客に埋め尽くされ、夜になり、舞台だけに光が当たり、「リュー」のアリアが始まる。
「モース」は泣き、「ツートトン・ツートトンン」が始まる直前、モースは泣いている。

このアリアの吹替音声(実声)は、誰が歌っているのか……。エンドクレジットでは、確認できません。

「主任警部モース」第10巻

投稿者:ちゅく 2018年01月20日

第10巻は、「誰がハリー・フィールドを殺したのか」、「ギリシャ人の贈り物」。

●「誰がハリー・フィールドを殺したのか」

絵画の偽作に関わる話。
死んだハリーの父親が、とても良い。
「息子は才能がなかった」と、はっき言うところ。


●「ギリシャ人の贈り物」

これは、ツイストの連続で、かなり魅せてくれます。
ギリシャのガレー船は、船底・二段でオールを漕ぐ奴隷船。それを復元したところから、事件の発端は始まっているようだ。
復元船を設計した教授、彼の妻で、人生相談の人気TVスターである女性、二人の不妊治療。
ルイスの妻は、いつも新しい料理を食べたいと思っていて、今回は、ギリシア料理である。
たぶん、食べられないのだろう。
ラテン語の古典詩を、オクスフォードで学習したモースは、ギリシア語が全く分からない。
そこで、ルイスの奥さんのギリシア語の先生が登場する。美しい女性だ。

「主任警部モース」第9巻

投稿者:ちゅく 2018年01月20日

第9巻は、「ファット・チャンス」1話のみ。

DVD・BOXの都合上、この巻だけは、1話で、特典映像が一つ。
第1~9巻までの、各話の「フォト・ギャラリー」(静止画)が入っています。


●「ファット・チャンス」

これも面白い話です。

オクスフォードの教会内の権力闘争にフェミニズムが絡みます。

「ファット・チャンス」の「ファット」は「脂肪」のこと。
当作では、「痩美人」=「ミスコンの女王」ということを主導する、いいかげんな「健美会社」が出てきます。
リバウンドを想定して、2年以内に誰からも取材を受けない、という契約書を書かせている悪質な会社です。
薬の飲み合わせというのは、実に怖いものです。

教会で、男女の闘争が起こっている。

旧派の男性は、教会の重要な地位に女性を付けたくない。彼女等を、「悪魔」と毛嫌いしている。
新派の女性は、教会をひっくり返したいわけではないが、男性と同権を勝ち取りたい。

一人の優秀な女性が、司祭になる面接会場で倒れ、急死する。

モースは現場に行き、捜査する。
女性を主導する、神学者のエマ(ゾイ・ワナメーカー)に、モースが惚れるという物語です。
ゾイさんの低い声に、「どきっ」としました。

モースは、彼女を誘う。エマは、シングル・マザーで、子供がずっと病気だと言う。
ここが、鍵です。

やはり、モースの「恋」は、成就しません。

最後に、「ツートトトントン ツートトトントン」という「モールス(モース)」信号のあと、、エンドロールの音楽が流れます。

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