ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書のクチコミ・レビュー

クチコミ・レビューFilmarks

3.8

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投稿者:DaiOnojima 2021年03月06日

 誰もが思うことだろうが、今の日本の状況と重なるものが多すぎて、ちょっと背筋が寒くなる。メリル・ストリープやトム・ハンクスの人物・心理描写や背景の説明をもう少し丁寧にやったら、お話の流れや登場人物の葛藤や決断はもっと自然になったろうけど、2時間以内に収めるために、そうした描写を省いてスピード感を重視したのだろう。この映画と時系列的に直接繋がっていくウォーターゲート事件を描いたアラン・J・パクラ「大統領の陰謀」(これを見たあとに配信で数十年ぶりに見た)が、今の目で見るとややテンポが遅くかったるく思えてしまうことも、スティーヴン・スピールバーグ監督の念頭にはあったはずだ。

 いずれにしろメディアに携わる人、どんなジャンルであれジャーナリズムに関わる人は必見だろう。一介の音楽ライターに過ぎないオレも、ぐっとくるところがいくつもあった。(2018/4/22記)

投稿者:unpoko 2021年03月05日

ストーリー △
編集 △

分かりやすいストーリー。
展開も読めてしまった。
カット割も多少気になる点があった。
メリル・ストリープは素晴らしいお芝居。

投稿者:アー君 2021年03月01日

「大統領の陰謀」の前日譚として観れば良いのかな。作品としてはソツがなくまとまっているけど、ただ普通の出来栄えでスピルバーグはファンタジーが絡まないと平均的な作品にレベルが下がってしまうのは残念。

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クチコミ・レビューTSUTAYA DISCAS

これが私の生きる道

投稿者:ポッシュ 2020年10月26日

先日鑑賞した「13デイズ」(2000)に続き、ベトナム戦争がらみの作品ということで、こちらをチョイス。
アメリカのベトナム介入に関する機密文書をめぐっての、政府と報道機関との攻防が描かれております。

“お堅い”オハナシなんだけど、主役はメリル・ストリープで、夫亡きあと引き継いだ新聞社の社主として、
男社会でもまれつつ、信念を守り会社を守る・・・ってな「細腕繫盛記」的ドラマにも見えて、
オバサンも楽しめた。

おや?と気づいたのは、この人、わりと家の中にいることが多い。
ビジネスの相談だって家でやってるし、やたらホームパーティ開いてて、
何か事が起きると編集者のベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)は彼女の家にやってくる。何度も何度も。

危ない橋を渡っての苦労の末、ペンタゴン・ペーパーズを入手したワシントン・ポスト社だったが、
国家機密漏洩として政府から記事差し止めの圧力がかかる。
株式公開のタイミングでもあり投資家の思惑も懸念される。また、法律違反に問われ投獄される恐れもあった。
載せるか、載せないか・・・。

最終的にキャサリン・グラハム(メリル)という女性は、GOサインを出すのですね。
それこそが新聞報道の使命だろうと。ここは、シビれます。
で、これも彼女の自宅でのシーンになっている。

映画の最初の方では、ブレックファスト・ミーティングでやってきたレストランで、椅子に体をぶつけて
倒してしまって「あら、ごめんなさい」なんてウッカリおばさんだったんだけど。この人。
後半になると、前述の社運のかかった決断のシーンで、「我が社のレガシーが・・・」とか
ブツクサ言ってくる役員に向って、「私の会社なのよ」と凄む!
そして、新聞報道の意義と理念について一席ぶつようなタフな女性になっているのだ。
そんな彼女は、スーツを着てオフィスの会議室で指示を出しているのではなくて、
自宅のリビングで、パーティドレス姿で戦ってる。これ、ちょっと面白いな、と。

でも、その先からは会社と裁判所というパブリック・スペースしか出て来なくなる。
株式も公開して、もう“家業を継いだ奥様”ではなく、堂々たる社主になったということなのかな。

そして、ポスト紙の英断に各社も続くところは、本当にグッときます。
権力の監視がメディアの使命だ。
「小さな抵抗に寄与するのが夢だった」と目を潤ませる記者の気概に、胸が熱くなった。
(今の日本では、暴走する権力への抵抗など、はかない夢になりつつあるんじゃないのかね・・・)

終盤、「報道が仕えるべきは国民で、統治者ではない」という最高裁判事の意見が、
新聞社のオフィスの電話を通して、一記者の口から語られる。
その言葉は、裁判所という権威ある場所で、ははーっと拝聴して押し戴くものではなく、
報道に関わる者が、自ら反芻し噛みしめるべきもの、自ら表明し自戒しなければならないもの、
という事を象徴しているように感じられた。

「ポスト真実の時代」なんて恐ろしいことになってきている今だからこそ、
こういう作品の存在意義を改めて感じたことでした。

ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書

投稿者:Andriy 2020年09月07日

そんなに感じない緊張感
主役が誰だかよくわからないもどかしさ

内部告発 知る権利 調査報道 その2

投稿者:ロキュータス 2020年07月08日

ロキュの69日連続レビュー Ⅲ  第30日

  半濁音で始まる題名の映画レビュー  「 ぺ 」 その2

( かなりネタばれあり)
本作は、『 大統領の陰謀 』で描かれたウォータゲート報道の前日談を描きます。
ですので両方観ていただくと双方の内容がよりわかりますし、関連作品はのちほどご紹介します。

 もう昔の出来事ですし、理解していただくために補足情報を書きます。

ペンタゴン・ペーパーズ( 米国防総省機密文書 )とは何か。
ベトナム戦争が泥沼状態になった頃、アメリカ国防総省は第二次世界大戦後から1967年現在までの、アメリカのインドシナ政策を検証する研究を秘密に行いました。
 客観的資料と複数の執筆者の分析からなる7000ページに及ぶ膨大な分量で、アメリカ政府がこれまで行ってきた多くの不都合な事実を含んでいました。
 中でも、アメリカのベトナムへの直接軍事介入のきっかけとなったトンキン湾事件について、議会にも国民にも、うそとごまかしを行った証拠となるものでした。
 ベトナム戦争はまだ進行中であり、その正当性に疑義を抱かせるものだったので、政府は極秘扱いにしていたのです。

執筆者の一人、ダニエル・エルズバーグは戦争継続でアメリカの若者が亡くなり続けることに義憤を感じ、何人かの議員に接触し情報提供を示唆しますが、取り扱ってもらえず、マスコミにリークすることを決意します。
継続中の戦争に関わる重要な国家機密を暴露するのですから、スパイ罪を適用されて有罪とな
れば長期の懲役刑となることを覚悟してのものでした。

エルズバーグはニューヨーク・タイムズのニール・シーハン記者に接触、同紙は精査した結果内容にまちがいないと確信します。
公表については、事の重大性から責任が持てないと、何十年にもわたってニューヨーク・タイ
ムスの顧問をしてきた法律事務所が辞任。 最終的に社長決裁で公表に踏み切り、訴訟に備え別の弁護士を雇っての暴露記事でした。
1971年6月13 日連載を開始します。

当時のニクソン政権は激怒し、ニューヨーク・タイムスに連載を止めるよう要求しますが、同
紙はこれを拒否。 6月15日司法省は即時記事差し止めの仮処分を求めて訴訟を起こし、連邦地裁は判決が出るまでの間、同紙に連載の一時中断を命令します。
その時、ライバル紙のワシントン・ポスト紙のとった選択をこの作品は描きます。

ダニエル・エルズバーグと接触を取り、自分たちもその内容を公表する場合、政府が訴訟を起
こし、ニューヨーク・タイムス紙も掲載中断しているのを承知してのことだから、その意図は明白で言い訳は許されない。
ニューヨーク・タイムス紙が敗訴した場合、ダメージはむしろワシントン・ポスト紙が大きい。

では、判決の結果が出るまで待ったとしたら、リスクを取らない、ニューヨーク・タイムス紙
の単なる「後追い」と受け取られ、二番手の新聞という評価に甘んじることになります。
どちらを選ぶかは編集主幹のベン・ブラッドレー( トム・ハンクス)と、社主・発行人のキャサリン・グラハム( メリル・ストリープ )の決断にかかっていました。

原題は The Post。  「 ワシントン・ポスト紙 」と「 その役職 」を掛けたタイトル
となっています。

以下はさらにネタばれですが、
6月18日ワシントン・ポストが記事掲載開始。
6月19日ニューヨーク・タイムス紙は勝訴しますが、政府は即時連邦高裁に控訴。掲載中止
の仮処分決定。
6月22日ボストン・グローブ氏が暴露記事連載開始。以下、全国の有力紙が続々と掲載開始。

6月23日ニューヨーク・タイムス紙を扱ったニューヨーク連邦高裁は地裁への審理差し戻し
を決定。 ワシントン・ポストを扱ったワシントン連邦地裁はポスト側の勝訴。
司法の判断は分かれ、連邦最高裁へ。
6月28日 ダニエル・エルズバーグ出頭・逮捕。
6月30日 連邦最高裁 6対3の多数決で新聞側が勝利。 掲載中止命令の仮処分が解け、
連載が再開されました。 
( 参考 田中豊・著「 政府 対 新聞 」( 中公新書 現在・絶版 )

この文書が公開されても、ベトナム戦争はさらに4年続きます。 ただ、世論は反戦・厭戦に流れ、アメリカは撤退方針に変わります。 長期的影響はあったと考えられます。
そしてペンダゴン・ペーパーズ事件での新聞側の勝利はウォーターゲート事件報道へと続いたのでした。

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