風雲児たち 蘭学革命篇のクチコミ・レビュー

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原作のテイストあり!

投稿者:さっちゃん 2018年04月29日

 前野良沢に片岡愛之助さんというのは二枚目にすぎるだろうと思ったのだけれど”笑い”というものに一家言を持つ三谷幸喜さんの脚本だったので観てみました。というより原作全30巻を揃えた身としては観ない訳にはいかないじゃありませんか。
 まぁ1時間半という尺では、お話の核となる「ターヘル・アナトミア」読み分け(翻訳)グループの主要メンバー以外の扱いはどうしても小さくなるのは仕方ないところではありますが、それでも寛政の三奇人のうち二人、高山彦九郎(高嶋政伸)と林子平(高木渉)が出てくるのは流石と思いました。実際、尊王思想と海上防衛という面で、この二人は幕末に影響を与えたと言えるのですから。
 あ、話が前後しますが原作はみなもと太郎さんの漫画です。幕末を描くことを目的とした作品ですが、その起源を求めて関ケ原からお話が始まるという、ある意味気宇壮大な漫画であります。そもそも歴史上の出来事にはその原因となる出来事があり、歴史上の人物には先人の影響があるというつながった事象だから、歴史漫画としては正当な姿勢だと思います。
 今回のドラマは大体、5巻から7巻くらいのエピソードをまとめたものになります。全30巻で一度、区切りをつけて、その後、構想を新たに練ったのでしょう、出版社を変えて現在「幕末編」が連載中であります。
 とにかく、原作が史実に真摯に向き合うのとギャグを連発するのとが同じ比重で描かれておりますので、腹を抱えて笑いながらも、歴史に先んじた、あるいは抗い志半ばに斃れた人々の無念とか、そうした時代の枷の中で何事かを成し遂げた人々の喜びとかに感情移入できる作品です。
 ということで、芸達者が揃った本作は人の持つ喜怒哀楽と一つの目標を成し遂げるための苦労とが等しく描けており、原作のテイストを感じられる作品であると思います。特に版元の須原屋市兵衛に扮した遠藤憲一さんの風貌が原作のイメージとぴったり重なって思わず手を打ってしまいました。平賀源内の山本耕史さんものんしゃらんとした源内の感じが出て秀逸でした。
 本当は、あの人のこのエピソードも観たかったというような点もないではないのですが、それをやると前後編4時間くらいは必要になってしまいますからね。もっと「風雲児たち」を知りたいという方は漫画を買って読んでください。(調べてみたら私の買った潮出版社版は現在なく、リイド社版があるみたいです。「幕末編」は同じ出版社の雑誌に連載中で単行本も出ております。)
 しかし、原作の単行本が出版され始めた頃は、どこの本屋さんに行っても置いてなくて取り寄せてもらっていたことを考えると、あのNHKで単発とはいえドラマ化されるなんて隔世の感があります。

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